赤ちゃんの皮膚が黄色っぽい ・・・黄疸

 「黄疸」とは、皮膚の色が黄色くなることです。皮膚だけでなく白目が黄色くなるので目立ちます。強い・弱いの違いはありますが黄疸はすべての赤ちゃん(生後1ヶ月までの新生児)に見られる現象です。これは「生理的黄疸」と呼ばれており、生後3~4日頃から目立ち始め、約2週間で自然に消えていきます。

 また、母乳栄養の赤ちゃんでは生理的黄疸が長引く傾向があります。これを「母乳性黄疸」と呼びます。それも生後6週間には消えていきます。

 これらの黄疸は、機嫌が良く、食欲もあり、生後1週間頃がピークであとは徐々に薄くなっていく印象があれば心配ありません。様子を見て良いでしょう。

 希ながら、黄疸の裏に病気が隠れていることもあります。

 「大人の黄疸=肝臓の病気」というイメージがありますが、赤ちゃんの病的黄疸の原因は実に様々です。

 一番多い原因は生理的黄疸が強めに出た場合です。他に血液型不適合(有名なRh式以外にも、ABO式不適合もあります)、感染症、生まれつきの代謝異常などの病気のこともあります。

 また、産科に入院中は問題なかったけれど、退院してからだんだん黄疸が目立ってくるパターンもあります。

黄疸+元気がない」「黄疸+うんちが白っぽい」場合は重い病気が隠れていることがありますので、早めに小児科を受診して下さい。うんちの色については、現在母子手帳にカラースケールが載っています。

 余談ですが、幼児期に「皮膚が黄色い」と心配されて受診なさる方が時々います。たいてい「柑皮症」(医学名はカロチン血症)といってミカン、カボチャ、にんじんなどの黄色い食べ物をたくさん食べた結果黄色く見える現象です。他に海苔やトマトも原因になります。「黄疸」との違いは、白目が黄色くならないことです。微妙なときは血液検査で確認します。


アザ

 赤ちゃんの皮膚を全身くまなく観察すると、小さなアザ・シミがたいてい見つかります。
 おでこから鼻にかけての淡い赤アザは「サーモン・パッチ」と呼ばれ、病的ではありません。後述の「ウンナ母斑」同様、生理的なものです。

 それ以外の、生まれてから形・色・大きさの変化のないアザは小児科よりは皮膚科へ相談した方が良いと思います。その分野のレーザー治療は日進月歩で治療適応もかわっていくようなので。


だんだん盛り上がってくるブツブツした赤い斑点 ・・・イチゴ状血管腫

 生まれたときはそこに何もないか、少し色素が抜けて白っぽいこともあります。それが生後2週頃から赤みを帯びてきて、生後2~3ヶ月頃には急速に増大し(4ヶ月検診で結構見かけます)、赤くて表面がブツブツしているので「イチゴ状血管腫」という名前が付いています。生後6ヶ月~1歳頃に増大傾向は止まり、1歳以降は消退し始め、6~7歳で自然に消えていきます。

 という経過をたどるので、基本的に治療は必要ありません。

 ただし、何事にも例外はあるもので、大きさが巨大なとき、場所が良くないとき(目の回り、張力のかかる部位)などでは治療対象となる場合があります。皮膚科に相談してください。


うなじに赤い斑点が・・・ウンナ母斑

 前述の「サーモンパッチ」のある赤ちゃんのうなじを見てみると、たいていそこにも赤い斑点がいくつか見られます。

 これを医学用語で「ウンナ母斑」と言います。別名「ストークマーク(stork mark)」とも言い、コウノトリのが赤ちゃんをくわえて運んできた印と欧米では考えられてきました。なんだか、夢のある話ですね。

 赤ちゃんの約30%に見られます。そのまま様子を見ていると徐々に薄くなっていきますがサーモンパッチより消えにくく、大人になっても残っていることがあるようです。まあ、髪の毛で隠れてしまう場所なので審美上問題になることは少ないようですが。


日本人なら誰にもある蒙古斑

 言わずと知れたお尻の青あざ。日本人は誰でも(どんな美人でも、ハンサムでも)乳幼児期に持っていました。意外なことに、白人の1~20%、黒人の80~90%にも認められるそうです。

 4~5歳頃までに自然に消えます。当然、治療は必要ありません。しかし、異所性蒙古斑(お尻、背中以外の場所にある少し青みが濃い蒙古斑)は消えにくく、10歳時に残っているものは生涯残るとのことです。

※ 蒙古斑に対してレーザー治療を行っている医療機関がありますが、治療適応・治療時期に対する考え方は様々で、まだ確立された治療方針はないようです。ですから、受診した医療機関により「治療の必要なし」「いや、治療の必要あり」と異なった説明を受ける可能性があります。


赤ちゃんニキビ(新生児ざ瘡

 生後1ヶ月頃の顔の湿疹で一番多いのは「赤ちゃんニキビ」(医学用語では「新生児ざ瘡」)です。

 生後まもなくから2~3ヶ月頃に、額やほっぺたに多く見られるやや赤いブツブツです。かゆくはなさそう。

 赤ちゃんの肌はみずみずしいイメージがありますが、生後2~3ヶ月くらいまではオイリーで思春期と似た状態であり、「ニキビ」と呼ばれています。

 赤ちゃんニキビを見つけたとき、お母さんに「顔を洗うとき石けんを使ってますか?」と聞くと「No」の返事がほとんど。

 ここまで書けばおわかりかと思いますが、対策は「油を落とすスキンケア」。

 つまり、沐浴の時に顔も石けんを使って洗うことです。高級な香料入の石けんはかえって皮膚に刺激になることがありますので普通のベビー石けんを使ってください。具体的には、石けんをお母さんの手にとりよく泡立たせて、指のお腹の柔らかいところを使って「なでるように」または「マッサージするように」やさしく赤ちゃんの顔を洗い、その後にお湯でよくすすぎます。すすぐときはガーゼなど柔らかい布を使ってもかまいません。

 これを繰り返せば徐々によくなってきます。

 ただし、赤みが強く炎症を起こしているとき、ジクジク液が出てきているときは小児科あるいは皮膚科を受診してください。ぬり薬が処方されることでしょう。

 他に顔のブツブツには「あせも」もありますが、対策は同じく皮膚を清潔に保つスキンケアが基本です。


頭皮のかさぶた(乳児脂漏性湿疹

 前項の「赤ちゃんニキビ」がひどくなってくると、眉毛、頭の前の方、耳などに黄色いカサブタ(油の固まり)ができてきます。これを「乳児脂漏性湿疹」といいます。生後3~4週頃から目立ち始め、3ヶ月を過ぎると軽快へ向かいます。

 対策はやはり油をとるスキンケア。入浴1時間前にオリーブオイル(あるいは白色ワセリン)をカサブタに塗っておいてふやけさせ、入浴時は石けんあるいはシャンプーを使って洗い、その後クシで少しずつ削ると改善してきます。


★ 乳児脂漏性湿疹とアトピー性皮膚炎との違い

 「赤ちゃんの湿疹=アトピー性皮膚炎?」と心配されるお母さんが多いので違いを説明しておきましょう。

 アトピー性皮膚炎では痒みが強いですが、脂漏性湿疹では無いかあっても軽度。3ヶ月を過ぎても湿疹が治らず、痒みを伴って皮膚の引っかき傷のような変化が出てきたらアトピー性皮膚炎を疑います。また、生後1~2ヶ月の赤ちゃんはお母さんの服に顔をこすりつて間接的に掻くことがあります。さらに耳の付け根が赤くなって切れてしまう「耳切れ」はアトピー性皮膚炎に特徴的です。


★ 乳児アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係

 生後数ヶ月で顔面頭部の湿疹が出てきてかゆがる様子があれば、積極的な治療が必要です。

 現在、食物アレルギーの原因は乳児期のアトピー性皮膚炎であることがわかっています。食物アレルギーの原因は、お母さんがたくさん食べたからではなく、赤ちゃんがたくさん食べたからでもなく、皮膚からアレルゲンが侵入を繰り返すためです(経皮感作)。

 湿疹がある場所は皮膚バリアが破壊されており、そこから目に見えない大きさのアレルゲンが侵入し、それを排除しようと免疫システムが働く・・・これを日々繰り返すことにより食物アレルギー体質が作られるのです。

 それを予防するには皮膚バリアを回復すること、すなわち湿疹をしっかり治療してすべすべの肌を取り戻し、維持することが大切です。

 乳児湿疹は「これくらいは大丈夫かな・・・」と放置せず、当院にご相談ください。

 アレルギー専門医の院長の他に、当院には小児アレルギーエデュケーター(PAE)の看護師も在籍しており、治療と看護の両面からサポートします。