(作成:2021.8.29)
新型コロナウイルスのデルタ株の登場と蔓延で、子どもを取り巻く状況が変化し、考え方をアップデートする必要が出てきました。
デルタ株は従来株と比較すると、
1.子どもにも感染しやすい
2.子ども同士でもうつしやすい
3.子どもから大人へも感染しやすい
3.従来株より症状が出やすい
4.ワクチンを接種してもかかることがある(しないより頻度はとても少ない)
という特徴を持ちます。
従来株より排出するウイルス量が増えたので、感染しやすくなりました。
しかしそれでも大人→ 子どもの感染の方がまだ多い。
従来株より症状が出やすい傾向はありますが、
重症化率は従来株同様、低いままで変わらないことをデータが示しています。
★ アメリカ小児科学会によると、子どもでは新型コロナによる死亡や入院はなお非常にまれとみられ、入院にいたる割合は全体の0.1~1.9%、死亡にいたる割合は0.00~0.03%にとどまっています(Forbes Japan:2021.9.9)。
メディアから「子どもだから安全」と言い切れなくなってきた・・・
という表現を見かけますが、
いやいや、見方を変えれば「子どもにもふつうに感染するウイルスになった」だけで、
今までの従来株の特徴がウイルス学的に例外だったとも言えます。
さて、デルタ株への置き換わりも考えた場合、
子どもにワクチンを接種しない選択もありでしょうか?
いえいえ、ワクチン接種の重要性は変わりません。
ファイザー社製ワクチンによる2回接種時の発症予防効果は、
アルファ株で93.7%、デルタ株で88.0%と報告されています。
デルタ株に対しても季節性インフルエンザの有効率(約50%)を大きく上回り、
1.自分を守る
2.周りの人も守る
3.生活制限・自粛生活を緩めて元の生活を取り戻す
には、ワクチンが最も有効な方法です。
大人の場合と比較して「自分を守る」より「周りの人も守る」の要素が大きくなるかもしれませんが、
周りの大人(保護者)が入院していなくなると子ども自身が困ってしまうので、結局は間接的に自分を守ることになります。
子どもを含めて我々の取るべき道はワクチンを接種し、
かつ以下の感染対策を続けること;
1.接触感染対策の手洗い
2.飛沫感染対策のソーシャル・ディスタンス(2m)
3.(屋内)飛沫感染対策の不織布マスク
4.(屋内)エアロゾル対策の換気
そうすれば、感染リスクは限りなく小さくできます。
逆にそれができなければ、感染拡大の勢いは止まりません。
今後の状況は、「ワクチン接種&感染対策続行」というこの単純なことを、日本人が実行できるかどうかにかかっています。
<参考>
■ 子どもは新型コロナワクチンを接種した方が良い? 接種するメリットとデメリット
(忽那賢志:2021/8/29)
■ 新型コロナワクチンによる『心臓に炎症を起こすリスク』を、どのように考えれば良いですか?
(堀向健太:2021/8/10)