2024年12月


▶ 子どもの発熱と対処法

▶ 熱性けいれんについて

▶ 子どもが頭をぶつけたときの対処法
 
▶ 子どもの鼻血の止め方

▶ 子どもの熱中症と対策

▶ 群馬県館林地域の時間外の病気相談先 

<各病気の説明>

▶ 子どもの嘔吐・下痢(=感染性胃腸炎)とホームケア

▶ 気になるRSウイルス感染症

▶ 溶連菌性咽頭炎は繰り返す?

マイコプラズマは肺炎になるとは限らない

▶ 夏かぜ(ヘルパンギーナ・プール熱・手足口病)

▶ りんご病(伝染性紅斑)〜妊婦さんはご用心

▶ 水いぼ(伝染性軟属腫)はウイルス感染症


<総論>

▶ 子どもの発熱と対処法

▶ 熱性けいれん

▶ かぜはいつまで人にうつるの? 

▶ 抗菌薬(抗生物質)適正使用について

▶ かぜ・発熱と予防接種

子育て中、子どもの成長期には、
健康と病気の間のグレーゾーンの心配ごとや悩みが多々あります。
以下の記事が参考になれば幸いです。

赤ちゃんの心配事

鼻のかみ方と練習方法

こどもの近視予防

学校健診でわかること

身長が低い

こどもの肥満

眠れない
 


眠れないお子さんへのアドバイス

不眠症の漢方
 

漢方診察法は四診「望聞問切」が基本です。
 望診
 聞診
 問診
 切診 
これらを総合的に判断して、患者さんの状態・病態を評価し、
それに合う漢方薬を決めるのです。

望診の中に「舌診」があり、
舌を観察することでたくさんの情報を得ることができます。 
概説します;

・正常な舌は淡紅色で湿潤、苔はなく、あっても薄く白い程度。
・舌は内臓病変だけでなく精神状態も反映する。
・舌診では「色」「形」「苔」の状態を観察する。
 【色】寒熱、瘀血
 【形】水滞、肝の異常、気血両虚
 【苔】脾虚、六病位、気血両虚、津液不足
 
▶ 舌の色
淡白)白っぽい:寒証・気虚・血虚 → 乾姜や附子といった体を温める作用のある生薬を用いる。
 (例)代表的な処方は人参湯、他にも四君子湯や
    六君子湯、補中益気湯、四物湯など補気剤や補血剤
)赤みが強い:熱証(熱証には実熱と虚熱がある)
 実熱(明るい色調)熱がこもる状態、口渇あり → 黄連、山梔子、石膏などの生薬を用いる。
 (例)黄連解毒湯や白虎加人参湯
 虚熱(暗い色調)体内の血不足、刺激不足により
  空焚きのような状態になり体表が熱くなる。口渇なし。
 (例)地黄などを含む六味丸や八味地黄丸など
暗紅)暗い赤みを呈する → 瘀血の中でも特にがこもったタイプ
 (例)駆瘀血剤の中でも加味逍遙散
冷えのある瘀血のタイプ
 (例)駆瘀血剤の中でも当帰四逆加呉茱萸生姜湯など、
    温めて血行を改善するような処方
 
瘀血の舌所見:瘀血の場合、暗紅、紫といった色の傾向のほかに、特徴的な所見が見られる。舌の縁に紫色の点が現れる「瘀点」や、まだらに紫色が浮かぶ「瘀斑」、舌下静脈怒張は瘀血の所見であり、血行不良や冷え、動脈硬化、女性であれば月経不順がある場合にこれらの所見を呈することがある。
 
▶ 舌の乾湿
乾いた舌熱証 → 白虎加人参湯などを選択。
      舌の乾きは「少陽病期」にも現れ、
      この場合は柴胡剤などを用いる。
湿った舌)湿っていても唾液が溜まってあふれるような状態は寒証
      人参湯などを用いる。
 
▶ 舌の形
胖大)大きい舌 → 水滞・気虚
 (例)五苓散などの利水剤または補気剤
痩薄(そうはく、舌が痩せた状態)・皺裂(すうれつ、縦じわが深く入る)
 → 体力が落ちている気血両虚津液不足であり、参耆剤や補血剤、滋潤剤を選択する。

歯痕水滞の所見。舌の縁に歯の痕が付く状態で、舌がむくんでいる場合は利水剤を。最近ではそれほど舌がむくんでいなくても、歯ぎしりや食いしばりなどにより歯痕がしっかりと残ることがある。この場合は、交感神経の過緊張など自律神経の異常、漢方医学では「肝の異常」と考えられ、抑肝散や柴胡加竜骨牡蛎湯などの柴胡剤を選択する。 
 
▶ 舌苔
厚い白苔)べったりと白苔が付いている
 → 胃腸が弱っている脾虚が考えられ、六君子湯など胃の動きを改善する処方を選択。
 少陽病期にも白苔は厚くなるため、この場合は柴胡剤。
黄苔)黄色みのある苔
 → 体の内部に熱が入り込み便秘になったり、慢性期の状態では体に熱がこもったりする
 「陽明病期」に起こりやすい
 → 白虎加人参湯や黄連解毒湯などの清熱剤、桃核承気湯や大黄牡丹皮湯などの大黄剤を。
黒苔)黒っぽい苔が現れる
→ 発熱極期、あるいは重篤な状態に起こりやすく、大黄剤や附子剤などを選択。
地図状舌)舌苔がまだらに剥がれている → 気虚に現れる異常で、参耆剤を処方する。臨床では抗うつ剤、ステロイドの長期服用患者によく見られる。
(鏡面舌)表面がてかてかと光る → 気血両虚津液不足と考えられ、十全大補湯や八味地黄丸を用いる。
 
▶ 味覚異常
(口の中がっぱく感じる)の異常と捉えて竜胆瀉肝湯。
(口の中がく感じる)柴胡剤のほかに、の異常と捉えて半夏瀉心湯を。
味がしないの異常と捉えて補中益気湯を。
(口の中がしょっぱく感じる)の異常と捉えて八味地黄丸を。 
 

他の漢方専門医の解説では表にまとめられていましたので引用・提示します。
上の説明と微妙に異なり、両方読むと頭の中が整理できなくなりますね。
下表は方剤と生薬が併記されているので、余計にわかりにくい(わかるヒトにはわかる?)。

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<参考>
▢ 漢方医学の診察法~舌診について~
 五野 由佳理 先生(北里大学医学部 総合診療医学 診療講師・外来主任) 
▢ 舌診入門①「舌診をもっと身近に!
 


▶ インフルエンザワクチン2024 

▶ 経鼻生インフルエンザワクチン「フルミスト」について 
注)フルミストを接種できない方、接種前に相談が必要な方  

当院では主に赤ちゃん〜幼児期の湿疹・アトピー性皮膚炎の治療をしています。
生まれて数ヶ月の赤ちゃんの湿疹でもかゆみを伴うと、
その後反復・遷延する傾向があり、
その経過を視野に入れた治療・管理が必要になります。

近年、乳児期の湿疹がキッカケに食物アレルギーを発症することが判明しました。
食物アレルギー発症を予防する目的で、
湿疹を治してツルツル・ピカピカの肌を維持することを目指しています。

▶ 赤ちゃんのスキンケア〜一般篇〜

▶ 赤ちゃんのスキンケア~乾燥肌篇~

▶ ステロイド軟膏Q&A

▶ 湿疹がある赤ちゃんの離乳食の進め方

▶ 子どもの湿疹(≒アトピー性皮膚炎)の治療 


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▶ α-Gal syndrome(マダニ咬傷由来獣肉アレルギー)

▶ 納豆アレルギー(クラゲ刺症由来PGAアレルギー)

▶ 食品のアレルギー表示 

(番外編)
アレルギー検査陽性だから除去、は正しい?  

当院で扱っている予防接種は以下の通りです;
・小児の定期接種すべて
・任意接種:おたふくかぜ他
・子宮頚がんワクチンのキャッチアップ接種
・インフルエンザワクチン

予防接種は予約制です。
月・火・水・金曜日の午後2時から行っています。

近年、ワクチンの流通が滞ることがたびたび発生しています。
最新情報は順番予約画面のインフォメーションでご確認ください。


<解説>
インフルエンザワクチン2024
▶  経鼻生インフルエンザワクチン「フルミスト」について 
▶  フルミストを接種できない方・相談が必要な方

HPVワクチン(子宮頚がんワクチン
HPVワクチンのキャッチアップ接種 

かぜを引いた後の予防接種

予防接種の副反応:発熱

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