2025年07月

子どもが体調不良を訴え病院を受診、しかし検査で異常は見つからず、
「気のせいでしょう」
と言われたり、ストレスの原因が判明した場合は、
「ストレスを減らして回復を待ちましょう」
などと言われることがあります。

これが西洋医学の限界です。
しかし漢方医学では「心身一如」と言って、
「カラダの問題はココロの問題、ココロの問題はカラダの問題」
とリンクして考え、それに対応する薬がたくさん用意されています。
ココロの負担をやわらげて、健康を底上げすることができるのです。

人がストレスにさらされたときの生体反応には一定の法則があります(セリエのストレス学説)。
それに沿って漢方薬適用を説明すると理解しやすいです。
最初に「まとめ」を提示しておきます;

▶ ストレス反応の経過図(Direct Communication より)
セリエのストレス図改訂-768x480

▶ 第一段階(警告反応期)→ 気逆
適応方剤;
苓桂甘棗湯:苓桂朮甘湯(39)+甘麦大棗湯(72)
・驚きやすく動悸がする
苓桂朮甘湯(39)
・立ちくらみ、めまい、動悸、頭冒感
黄連湯(120)  
・胃停滞・重圧感、胃痛、冷えのぼせ

▶ 第二段階(抵抗期)→ 気滞・気うつ
適応方剤;
(厚朴+杏仁)→ 桂枝加厚朴杏仁湯
・気逆による咳
(厚朴+蘇葉)→ 半夏厚朴湯柴朴湯茯苓飲合半夏厚朴湯
・梅核気、気逆・気滞を治す
(厚朴+蒼朮)→ 平胃散
・上腹部の膨満
(厚朴+枳実)→ 大承気湯、小承気湯、潤腸湯通導散麻子仁丸茯苓飲合半夏厚朴湯
・下腹部・腹部全体の膨満

▶ 第三段階(疲憊期)→ 気虚
適応方剤;
四君子湯(補気)…無気力、疲労感
六君子湯(補気+行気)…痰、胃もたれ、食欲不振
補中益気湯(補気+升堤)…胃腸虚弱、皮膚虚弱、微熱を伴う疲労
十全大補湯(補気+補血)…胃腸虚弱、皮膚虚弱、貧血、(硬便)
人参養栄湯(補気+補血+不安鎮静)…胃腸虚弱、肺虚弱、ストレス性不眠 


子どもでも日々の生活の中でストレスがたまります。
ただ、その解消法はどうでしょうか。
大人では運動したり、趣味に走ったり、瞑想したり、好きな物を食べたり・・・いろいろ思いつきますが、子どもにはあまり用意されていません。

子どもが大きなストレスを経験して受け止めきれず、逃れられなくなると、自罰的に受け入れて不安や恐怖を抱いて緊張する傾向があります。

それらの感情を言語化する能力も未発達のため、泣いたり怒りやすくなったりして感情が不安定になり、それがいろいろな症状として現れることがあります。

例えば・・・
 食欲不振、嘔気・嘔吐、腹痛、下痢、便秘、
 頭痛、めまい、失神、全身の振戦
 口渇、手掌・足底・腋窩の発汗、 
 頻尿、頻脈・動悸、過呼吸発作
等々。
周囲の大人は、これらの症状を「ストレスかも?」と周囲が気付くことが大切です。

さて、人がストレスにさらされたとき、どう反応するのでしょう。
人それぞれではありますが、そこに一定の法則を見いだせます。

以下に紹介するのは「セリエのストレス学説」として知られているものです。
これを漢方に応用することが以前から試みられてきました。

▶ ストレス症状の病態理解と漢方

● 第一段階(警告反応期)→ 気逆
・ストレッサーに襲われた時期
・カラダに不調が現れる
(体内変化)
・交感神経活性化

● 第二段階(抵抗期)→ 気滞・気うつ
・ストレスに抵抗している時期
・体の不調がなくなる
(体内変化)
・コルチゾール分泌亢進
・抗ストレス作用増強
・甘草がコルチゾール分解抑制

● 第三段階(疲憊期)→ 気虚
・ストレスに抵抗する力がなくなる
・このままストレッサーにさらされると病気などになってしまう
(体内変化)
・胸腺萎縮、リンパ球減少、易感染性
・脳神経細胞萎縮
・無気力、感情鈍麻、抑うつ状態

つまり、人がストレスにさらされた時の反応過程は、
気逆 → 気滞・気鬱 → 気虚
という経過を辿ると漢方学的に考えることができます。

では、それぞれに対する漢方治療を考えてみましょう。
気逆を評価をする際、その症状を点数化した「寺澤のスコア」が役に立ちます。

▶ 気逆スコア(寺澤捷年)
14:冷えのぼせ
14:臍上悸
10:努責を伴う咳嗽
10:顔面紅潮(足の冷えはない)
8:動悸発作
8:発作性の頭痛
8:嘔吐(悪心は少ない)
8:焦燥感に襲われる
6:腹痛発作
6:物事に驚きやすい
4:下肢・四肢の冷え
4:手掌・足蹠の発汗
…合計30点以上は「気逆」

主に上半身の症状が多いですね。
健康な状態では「気」は上から下へ流れるとされますが、それが下から上へ逆行する病態が「気逆」のイメージです。
そしてそれを解消するためには、気の逆流を下向きにする方剤が使われます。
キーとなる生薬は「桂皮+甘草」です。

▶ 警告反応期(気逆)の漢方薬
● 原則:桂枝+甘草で気の逆流を下向きに
● 生薬:桂枝、紫蘇葉、半夏、黄連
● 方剤:
苓桂甘棗湯
 ・驚きやすく動悸がする
 ・苓桂朮甘湯+甘麦大棗湯
苓桂朮甘湯
 ・立ちくらみ、めまい、動悸、頭冒感
黄連湯)  
 ・胃停滞・重圧感、胃痛、冷えのぼせ

気逆の症状の一つ「頭痛」に頻用される漢方薬に五苓散がありますが、ストレス性頭痛には苓桂朮甘湯(39)の方が有効であるという意見もあります。
二剤の使い分けは以下の通り:
・五苓散の使用目標:目眩と口渇を伴う頭痛(二日酔い)、ときに嘔吐
・苓桂朮甘湯の使用目標:動悸と不安を伴う頭痛(頭冒感)

また、不安・緊張に焦点を当てると、
芍薬+甘草
の組み合わせが重要です。この組み合わせにより、
・脊髄神経のアドレナリン抑制系の選択的活性化
が起こります。その結果、
・眠気をきたさずに、不安緊張、動悸、発汗などのストレス症状を改善することができます。
代表的な方剤は四逆散です。「手汗」が使用目標です。

四逆散…漢方の交感神経抑制の特効薬
● 生薬構成:柴胡2-5;芍薬2-4;枳実2;甘草1-2
● 特徴
・日頃から不安緊張しやすいタイプに
・日中に眠気が出ず、夜に安眠できる自律神経調整薬
● 適応症状・所見:
 胸脇苦満、肩背拘急、側胸部痛、心下痞硬
 手足厥冷、掌蹠自汗、入眠不良、神経過敏
 腹中痛、残便感、腹満、硬便傾向
● 鑑別処方
実証(緊張)→ 大柴胡湯
虚証(不安)→ 香蘇散
(不安+緊張)→ 柴胡疎肝散 ≒ 香蘇散+四逆散

次に、抵抗期(気滞・気鬱)相について考えてみます。
まさにストレスと闘っている真っ最中であり、セリエのストレス学説では「症状がない」ことになっています。

でも漢方では「戦う体力はあり負けてはいないが、勝てなくて苦しい戦いが続く」状態に薬が用意されています。
「気」が動かないため、痞えている・張っている、というイメージであり、具体的には「のどの痞え」「お腹の張り」と意識されます。
キーとなる生薬は「厚朴」です。

▶ 抵抗期(気滞・気うつ)の漢方薬
● 代表生薬:厚朴(ホウノキ樹皮)…胃腸代謝改善、下気、除湿、鎮咳去痰
● 応用
厚朴 + 杏仁 → 気逆による咳
(例)桂枝加厚朴杏仁湯
厚朴 + 蘇葉 → 梅核気、気逆・気滞を治す
(例)半夏厚朴湯柴朴湯茯苓飲合半夏厚朴湯
厚朴 + 蒼朮 → 上腹部の膨満
(例)平胃散
厚朴 + 枳実 → 下腹部・腹部全体の膨満
(例)大承気湯、小承気湯、潤腸湯通導散麻子仁丸
  茯苓飲合半夏厚朴湯

最後に気虚(ストレスと闘い気力を使い果たした状態)相です。
カラダに力が入らない、だるい、と疲れ果てたイメージですね。
キーとなる生薬は「人参+甘草」です。

▶ 気虚スコア(寺澤捷年)
…合計30点以上は「気虚
10:体がだるい
10:気力がない
10:疲れやすい
10:内臓のアトニー症状
8:かぜをひきやすい
8:舌が淡白紅、腫大
8:脈が弱い
8:腹力が軟弱
6:日中の眠気
6:眼光、音声に力がない
6:小腹不仁(下腹に力がなく感覚低下)
4:食欲不振
4:物事に驚きやすい
4:下痢傾向

▶ 疲憊期(気虚)の漢方薬
● 原則:人参+甘草で補気、抗うつ作用
● 生薬:人参、黄耆、白朮、甘草、大棗
● 方剤
四君子湯)胃腸虚弱、慢性胃炎、胃もたれ
六君子湯)胃炎、胃アトニー、胃下垂、食欲不振
補中益気湯)虚弱、疲労、食欲低下、胃下垂、寝汗
人参湯
● 気虚に対する漢方の使い分け
四君子湯(補気)…無気力、疲労感
六君子湯(補気+行気)…痰、胃もたれ、食欲不振
補中益気湯(補気+升堤)…胃腸虚弱、皮膚虚弱、微熱を伴う疲労
十全大補湯(補気+補血)…胃腸虚弱、皮膚虚弱、貧血、(硬便)
人参養栄湯(補気+補血+不安鎮静)…胃腸虚弱、肺虚弱、ストレス性不眠 

子ども体調不良の原因が、どうやらストレスによるものらしいと判明した際、どうしても「ストレス除去」に重きを置きがちです。
しかしそのストレスが除去しにくい環境である場合、周囲がまごまごしている間、子どもはストレスにさらされ続け、体調不良が継続・悪化する可能性があるという視点も必要です。

西洋医学の薬は、臓器や症状をピンポイントでターゲットにしており、その背景にあるストレスをカバーできません。
その点、漢方薬はココロに効く生薬が含まれているので、その子どもの状態に合う漢方が見つかれば手応えがあります。

▶ ストレス除去ばかりが優先されて気虚が放置され疲憊期が続くと生じる体の不調

・睡眠薬の効かない不眠症 → 不安の解消
(処方)鎮静生薬:竜骨牡蛎、柴胡芍薬、大棗甘草

・消化器薬が効かない消化器症状 → 参耆剤で捕脾
(処方)六君子湯半夏厚朴湯など

・抗炎症薬の効かない微熱 → 補気免疫調整
(処方)補中益気湯柴胡剤など

・いつも風邪気味で治りが悪い → 補陽、滋陰
(処方)建中湯類柴胡桂枝湯麦門冬湯滋陰至宝湯

・鎮痛剤の効かない痛み → 補血、行血薬、抗不安
(処方)芍薬製剤四物湯製剤十全大補湯など

・休養しても疲れが取れない慢性疲労
(処方)参耆剤、去痰飲剤、抗不安剤など

「セリエのストレス学説」には「気」の異常が当てはめると説明しやすいですが、漢方医学にはその先の病態も想定されています。「気虚」が長引くと「血虚」に陥るのです。
つまり、
「気力を使い果たした」 → 「身も心も疲れ果てた」
という phase です。
また、子どもは気虚 → 血虚に進行しやすいことも指摘されています。

▶ 小児は容易に気虚から血虚腎虚)になりやすい
・先天的な不足(成長障害)
・後天的な不足(栄養不良、吸収不良)…胃腸虚弱、強い偏食
・寒冷食品・飲料の食べ過ぎ、飲みすぎ
・長期の寒冷環境、冷房…寒冷ストレス
・深夜の不眠状態(夜遊び、徹夜)…睡眠(腎気補充)不足、メラトニン作用不足
・不安・恐怖、精神的ストレスの持続…疲弊期:脳萎縮
・気力、活力、精力、志が萎える…疲弊期:うつ状態
 

古来より小児の漢方医学的特徴は「二余三不足」とされてきました。
これは「五臓論」という漢方概念の中のお話で、
「五臓」とは、心・肝・脾・肺・腎を意味します。

この臓器の名前は、現在われわれがイメージする西洋医学の内臓とは少し異なります。
というか、もともとは漢方用語だったこれらの臓器名を、江戸時代に輸入された西洋医学(蘭学)の翻訳語として無理やり当てはめたのが始まりです。

漢方医学は解剖学が発達しなかったため、臓器名は物体というより機能的概念でした。
翻訳に当たった杉田玄白らは、西洋医学の「liver」に一番近い漢方医学の概念は「肝」だから、これを当てはめよう、と苦労の末に判断したのでしょう。

漢方医学における五臓の担当する働きを並べると、
 肝:自律神経系
 心:循環系・精神系
 脾:消化器・栄養代謝系
 肺:呼吸器・免疫系
 腎:生殖内分泌系
となります。

小児の「二余三不足」とは、
(二余)心と肝が過剰
(三不足)腎と肺と脾が不足
という意味です。

臓の働きを重ねると、
(二余)自律神経系、循環・精神系が活発に活動
(三不足)消化器(栄養代謝)、呼吸器(免疫系)、腎泌尿器(生殖内分泌系)が弱い
ということになります。

三不足は血の生成不足、気の生成不足をもたらし、程度が強いと体調不良を引き起こします。

また、五臓の概念は内臓としての働きだけではなく、精神的な要素も含むという特徴があります。

ここで素朴な疑問が生まれます。
西洋医学では「心」のコントロールセンターは「脳」ですよね。
ところが漢方医学の五臓概念には「脳」がありません。
なぜかは私には説明できませんが、西洋医学の「脳」の機能を、漢方医学では五臓に分配するという手法を採用しています。

漢方医学では「心身一如」といって「心と体はリンクする」と考えます。
そのエッセンスがここでも登場するわけです。
五臓にはそれぞれ、以下の感情が割り当てられています。

 肝 → 怒
 心 → 喜
 脾 → 憂
 肺 → 悲
 腎 → 恐

ここでも「二余り三不足」を当てはめると、
(二余)
 肝 → 怒りっぽい
 心 → 情緒不安定ではしゃぎやすい
(三不足)
 脾 → 心配性で意欲が続かない
 肺 → 泣き虫で本能欲望に流される
 腎 → 怖がりで夢や志が続かない
となり、見事に小児のココロの特徴をとらえていることがわかります。

以上のことから小児の漢方治療の目標は、
・肝と心の機能が亢進している → 抑制する
・脾・肺・腎の機能が低下している → 補う
ことになります。

代表的な方剤を上げると、
・肝の抑制 → 抑肝散
・心の抑制 → 甘麦大棗湯
・補脾 → 補中益気湯、小建中湯
・補肺 → 玉屏風散(肺気虚)、人参湯(肺陽虚)、麦門冬湯(肺陰虚)
・補腎 → 六味丸
等々。

子どものココロのトラブルに使う漢方薬として、
抑肝散や甘麦大棗湯が有名です。
上記のごとく「二余」対策ですね。

しかしそれだけで効果が得られないことがあります。
「二余り」だけに注目するのではなく、
「三不足」にも注目して、足りないものをゆっくりと補う方針に切り替える、あるいは閉口して行うと、カラダが徐々に元気になり、いずれココロも元気になることが期待できます。

付録として小児漢方を考える際に重要な「腎」の働きを記載しておきます。
「腎」はオキシトシンの働きと共通するものがあり、さらにオキシトシンはセロトニン活性を賦活し、セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンのバランスを整えます。

つまり「腎」≒「オキシトシン産生系」が元気であれば体調がよくなります。
そして漢方薬の加味帰脾湯(その中でも大棗)は、オキシトシン分泌を促進することが判明しています。

小児の健康を支える漢方薬として大棗を中心に考えると、年齢別に次のようになります;

(乳幼児期)甘麦大棗湯(72)
(学童期) 補中益気湯(41)
(思春期) 加味帰脾湯(137)
(全年齢) 抑肝散(54)/抑肝散加陳皮半夏(83)


▶ 小児の成長に欠かせない腎の働き
● 生命の根源(先天の精)を内蔵する
・成長、発育、老化の各過程に関与、生命エネルギー(精)
・成長、加齢、生殖、細胞分裂、細胞性免疫、内分泌
 表皮の基底層
 毛髪の毛母細胞…腎の華は髪にあり
 骨の骨芽細胞…骨を主り、髄を生ず
 骨髄の造血幹細胞…髄を生ず
 脳脊髄の再生…脳髄を生ず
 細胞の核、DNA
● 神志を蔵す
・「作強の官、技巧出ず」→ 作業能力が強靭で、ち密さを出せるようになる
・すべての精神活動の根源、支えとなるもの、使命感、認知機能
・全身(五臓)の気を支えるバックボーンとなる臓器
…以上の働きすべてを「腎」という
・地黄(六味丸)が補腎の主薬

▶ 腎精(陰)の不足:六味丸証(小児薬証直訣)
● 腎陰虚の弁証(腎精の陰液不足):3項目以上で腎陰虚
・五心煩熱(手掌・足底・胸中の熱感)
・のぼせ・体の熱感
・頭部のふらつき・めまい感
・便秘傾向・尿が濃い
・夜間の口乾・口渇
・盗汗(寝汗)
・不眠

▶「腎」とオキシトシンとセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン
● 腎とオキシトシンの作用は類似している
● 脳内セロトニン合成能の発達
・正常群:5歳で成人の200%以上(社会性が飛躍的に発達)、その後は低下して成人レベルに
・ASD群:幼児期は低値で、2₋15歳までに次第に150%まで上昇(思春期に社会性の初期発達)
● オキシトシンが上流にあって、セロトニン神経(縫線核)を賦活
● セロトニンはストレスの指揮者
・セロトニン:ドーパミンとノルアドレナリンのバランスを整える「指揮者」のような存在
・ドーパミン:報酬を求め、意欲を引き出す存在。食欲や性欲、金銭欲などを主る。
・ノルアドレナリン:危険を知らせる脳内の危機管理センターのような存在。集中力を主り、外からの刺激によって不安や緊張を感じさせる。

▶ 加味帰脾湯とオキシトシン
・加味帰脾湯はオキシトシンニューロンを活性化し、オキシトシン分泌促進
・構成生薬で関与していたのは、大棗、当帰、生姜
・とくに大棗は用量依存性に優位に活性化

▶ 大棗の含有量が多い方剤
6g:甘麦大棗湯
5g:当帰四逆加呉茱萸生姜湯
4g:桂枝加芍薬湯、桂枝加朮附湯、桂枝加竜骨牡蛎湯
  桂枝湯、呉茱萸湯、小建中湯、黄耆建中湯
3g:越婢加朮湯、黄連湯、葛根湯、葛根湯加川芎辛夷、
  小柴胡湯、大柴胡湯、大柴胡湯去大黄、柴陥湯、
  炙甘草湯、排膿散きゅう湯、麦門冬湯、防己黄耆湯
2.5g:柴胡加竜骨牡蛎湯、半夏瀉心湯
2g:柴胡桂枝湯、平胃散、六君子湯、補中益気湯、加味帰脾湯

▶ オキシトシンをターゲットにした小児心身症の漢方治療
● 乳幼児期の心身発達 → 甘麦大棗湯
・漢方製剤で大棗含有量が最も多い6g
・オキシトシンとセロトニン+不安・恐怖
● 学童期の心身発達 → 補中益気湯
・オキシトシンと気力アップ+疲労倦怠
● 思春期の心身発達 → 加味帰脾湯 
・オキシトシンと気力アップ+易怒性、ほてり、のぼせ、精神不安
● 全年齢の心身不調 → 抑肝散/抑肝散化陳皮半夏
・易怒性の鎮静は最高レベル
・気力はアップせず、ボーっとすることがある


<参考>
・小児の漢方的特徴と漢方(川嶋浩一郎)(2025小児漢方懇話会 in Tokyo)

 子どもは“風邪”をよく引きます。風邪の9割は上気道のウイルス感染症とされています。上気道とはのど・はな、下気道は気管支・肺です。
鼻水がつらいため耳鼻科を受診するとよく「副鼻腔炎」と言われます。一般に言う「ちくのう症」と同じです。 
 副鼻腔とは、鼻の奥につながっている顔面の空洞です。幼児の鼻風邪のほとんどは副鼻腔炎も合併しており、「鼻副鼻腔炎」と呼ぶことがあります。
 つまり、乳幼児の風邪 ≒ 鼻副鼻腔炎、ということですね。 
 副鼻腔炎は耳鼻科では抗生物質(=抗菌薬)で治療します。すると、風邪を引くたびに抗生物質を飲むことになり、一部のお子さんはその副作用(下痢、薬疹)で悩むことになります。また、善玉菌もやられてしまうため腸内細菌叢が乱れ、その回復に数ヶ月かかるとも言われています。
 この抗生物質漬けをなんとかできないかと、小児科医である私は漢方薬を応用し、手応えを感じています。
 西洋医学では鼻水止めは「抗ヒスタミン薬」一択ですが、漢方医学では鼻水の様子(水っぱな、濁った鼻、青っ洟)により、以下の薬を使い分けます。
 小青竜湯(19)
 葛根湯加川芎辛夷(2)
 辛夷清肺湯(104)
これらの薬は、鼻づまり(鼻閉)をやわらげてくれることも特徴です。急性期・亜急性期は以下の柴胡剤を併用すると効果がアップします。
 小柴胡湯(9)
 小柴胡湯加桔梗石膏(109)
副鼻腔炎が慢性化した場合は、
 柴胡清肝湯(80)
 荊芥連翹湯(50)
を定期内服してもらうと手応えがあり、鼻症状が解決した患者さんが何人かいます。
 上記の漢方薬を使い分けることにより、6〜7割の患者さんが漢方だけでよくなります。残念ながら100%ではありませんが。
 さて、知り合いの耳鼻科漢方医がYouTubeに副鼻腔炎漢方の動画をアップしていました。
「なぜこの漢方が効くのか?」
を生薬ベースで解説しており、興味深く視聴しました。だいたい、私の方針と一致していますね。ただ、
「副鼻腔炎には抗生物質が必要」
という前提なのがちょっと気になりました。
 備忘録としてメモを残しておきます。
 
▢ 副鼻腔炎の漢方

▶ 副鼻腔炎で使用される漢方薬
葛根湯加川芎辛夷(2) → 麻黄で温めて鼻閉・鼻汁を減らす
辛夷清肺湯(104) → 消炎〇、冷やす、潤す、粘液溶解◎
小柴胡湯加桔梗石膏(109) → 消炎◎、冷やす、やや乾かす、鼻汁⇩、粘液溶解〇

▶ 2剤併用で効果増強

葛根湯加川芎辛夷+小柴胡湯加桔梗石膏
・急性>慢性
・鼻粘膜腫脹、発熱、感冒、副鼻腔気管支症候群

葛根湯加川芎辛夷+辛夷清肺湯
・急性>>慢性
・鼻粘膜腫脹、粘稠鼻汁、副鼻腔炎のみ

小柴胡湯加桔梗石膏+辛夷清肺湯
・急性<慢性
・こじれた副鼻腔炎、顔面痛、粘稠鼻汁

辛夷清肺湯+小柴胡湯)・・・松田邦夫先生愛用処方
・難治性副鼻腔炎

辛夷清肺湯+小柴胡湯加桔梗石膏
・難治性副鼻腔炎

▶ 頻用2剤の比較

葛根湯加川芎辛夷】 vs 【辛夷清肺湯
 急性>慢性        慢性>急性
 冷えて鼻風邪       こじれた慢性副鼻腔炎
 風邪の鼻症状
 急性副鼻腔炎で発熱    急性副鼻腔炎で発熱
 副鼻腔炎以外の鼻閉    副鼻腔炎のみの鼻閉
  頭痛・肩こり
 アレルギー性鼻炎にも   アレルギー性鼻炎には無効
 単剤では今ひとつ     単剤では今ひとつ


葛根湯】      vs 【小柴胡湯
 初期の風邪        進行した風邪
 発熱           往来寒熱
 頭痛・悪寒・関節痛    咳・食欲不振・胃のもたれ・口苦
 初期の風邪の総合感冒薬  こじれた風邪の総合感冒薬

葛根湯加川芎辛夷】 vs 【小柴胡湯加桔梗石膏
 急性>慢性        急性〜慢性
 風邪の鼻症状       急性副鼻腔炎で発熱
 初期の副鼻腔炎      こじれた慢性副鼻腔炎
 温める          冷やす
 麻黄あり         麻黄なし
 アレルギー性鼻炎に有効  アレルギー性鼻炎に無効
 副鼻腔炎以外の鼻閉    鼻閉には無効
  頭痛・肩こりに     消炎強力(辛夷清肺湯に類似)
 単剤では今ひとつ     単剤では今ひとつ

▶ 難治性副鼻腔炎

● 免疫力を高めて対応 → 補中益気湯(41)

● 2剤併用(前出)
辛夷清肺湯+小柴胡湯)・・・松田邦夫先生愛用処方
辛夷清肺湯+小柴胡湯加桔梗石膏

▶ 各方剤解説

【葛根湯加川芎辛夷】(2)
● 構成生薬
葛根4-8;麻黄3-4;大棗3-4;桂皮2-3;芍薬2-3;甘草2;生姜1-1.5;川芎2-3;辛夷2-3 
● 生薬の薬効
麻黄(エフェドリン) → 鼻粘膜腫脹改善、鼻汁減少
葛根 → 抗炎症作用、排膿作用
 葛根+芍薬 → 抗炎症作用増強、排膿作用増強
川芎 → 排膿、頭痛改善
辛夷 → 鼻粘膜腫脹改善、鼻閉改善
葛根・芍薬・大棗・甘草 → 滋潤(鼻汁溶解)
麻黄・葛根・桂枝・生姜・川芎・辛夷 → 体を温める、冷えによる鼻閉改善 
● 薬効
以上をまとめると、葛根湯加川芎辛夷(2)の適応は、
 頭痛
 鼻閉 
 寒いと悪化する鼻症状
 水溶性鼻汁〇、粘膿性鼻汁△
 寒くて鼻水・鼻風邪〇 
 慢性<急性

★ ディレグラ®
・アレグラ+プソイドエフェドリン(プソフェキ)
・プソイドエフェドリン含有量は漢方薬の数倍
・薬剤性鼻炎に著効
・副作用:血圧上昇、頻脈、尿閉、嘔気(10人に1人)
 
【辛夷清肺湯】(104)
● 構成生薬《外科正宗》
辛夷2-3;知母3;百合3;黄芩3;山梔子1.5-3;麦門冬5-6;石膏5-6;升麻1-1.5;枇杷葉1-3 
● 生薬の薬効
辛夷 → 鼻閉改善
黄岑・山梔子 → 消炎(乾かす、分泌物を減らす) ← 黄連解毒湯(15)
石膏・知母 → 消炎(潤す) ← 白虎加人参湯(34)
枇把葉・升麻 → 消炎
(黄岑・山梔子・石膏・知母・枇把葉・升麻 → 消炎強力!
石膏・知母・麦門冬・百合・枇把葉 → 滋潤(粘液溶解)
● 薬効
・強力に消炎+潤す → 粘液溶解、膿性鼻汁排出改善
・感染が関与する副鼻腔炎・鼻炎に有効
 → アレルギー性鼻炎には無効
・慢性>急性
・石膏の副作用で消化器症状の可能性あり
・黄岑含有で間質性肺炎、肝機能障害の可能性あり
・甘草なし(偽アルドステロン症のリスクなし)
● 特徴
・OTC(市販薬)のチクナイン(小林製薬)
・安全性高い?
・黄岑含有 → 肝障害・間質性肺炎
● 製薬会社による違い
・クラシエ:石膏・麦門冬・辛夷・升麻が多く、山梔子・枇把葉が少ない

【小柴胡湯】(9)
● 構成生薬《傷寒論》
柴胡5-8;半夏3.5-8;生姜1-2;黄芩2.5-3;大棗2.5-3;人参2.5-3;甘草1-3
● 薬効:消炎、咳止め・去痰剤、吐き気止め、胃薬、安定剤
● 適応:往来寒熱、胸脇苦満、口が苦い、リンパ節炎

【小柴胡湯加桔梗石膏】(109)
● 構成生薬《本朝経験方》
柴胡7;半夏5;生姜1-1.5(ヒネショウガを使用する場合4);黄芩3;大棗3;人参3;甘草2;桔梗3;石膏10
● 生薬の薬効
柴胡・黄岑・石膏 → 消炎
半夏・石膏 → 粘液溶解
桔梗 → 排膿
柴胡・半夏・生姜・人参・大棗・甘草 → 繊毛運動回復?(副交感神経刺激)
人参・大棗・生姜・甘草・半夏 → 胃薬(消化器への配慮)
● 薬効
・扁桃炎の漢方
・桔梗石膏:消炎・抗化膿、去痰、排膿
・気管支炎・肺炎にも有効
・「膿性痰を伴う咳」
● 適応
・扁桃炎
・咳・気管支炎
・咽喉頭炎
・化膿性中耳炎
・リンパ節炎
・唾液腺炎
● 応用
+半夏厚朴湯で咳・痰を減らす(柴朴湯)
+葛根湯加川芎辛夷(柴葛解肌湯の猿まね)

▶ 副鼻腔を漢方医学でどう捉えるか?

● 副鼻腔の特性
・半表半裏(表でも裏でもない)
・追い出す(解表・邪を下す)対応はできない
 → 和法
・咳の治療と同様
・小柴胡湯(9)の適応

▶ 漢方医学における表裏の概念
● 表
・体表部付近
・表証:体表部に闘病反応の結果が表出
 → 頭痛、悪寒、発熱、項背筋のこわばりと痛み、四肢の関節痛・筋肉痛
・治療法:体表から侵入しようとしている「寒邪」を発汗して追い出す

● 裏
・身体深部:消化管付近
・裏証:身体深部に闘病反応の結果が発現
 → 消化器症状:腹満、下痢、便秘
 → 身体深部の熱感、稽留熱、せん妄
・治療法:便秘で病邪が消化管にとどまる場合は下して追い出す

● 半表半裏
・胸郭内症状:咳嗽、胸満感、胸痛、胸内苦悶感
・上部消化器症状:悪心、嘔吐、口苦、心窩部痛、季肋部痛
・治療法:追い出せないので病邪を抑制(抗菌薬のイメージ)

 
<参考>
ちょいたし漢方・副鼻腔炎・副鼻腔炎気管支症候群(竹越哲男Dr.)
▢ 要約:副鼻腔炎・副鼻腔気管支症候群(竹越哲男Dr.)
 
<追加>
※ 市村恵一先生による漢方治療解説(Dr.s Prime Academy)

● 葛根湯加川芎辛夷(2)
・鼻炎あるいは副鼻腔炎による慢性化した鼻閉、鼻漏、後鼻漏などに用いられる。
・若年者、成人の慢性副鼻腔炎で漢方治療する場合の第一選択薬であり、頭重感、肩こり、鼻閉が続く場合に用いる。

● 辛夷清肺湯(104)
・鼻汁がより膿性の場合や、後鼻漏が多い場合、鼻茸合併例に用いると良い。
・小児には飲ませにくいのでカルピスソーダやヨーグルトに混ぜると飲んでくれる。

 

体の一部(主に顔面とその周囲)が本人の意に反して勝手に動いてしまうクセ、というイメージですね。
小児科の当院でも時々相談を受けます。
北野武氏も故・石原慎太郎都知事も、首をひねるクセがありますが、あれがチックです。
治療の要否は議論がありますが、近年、重症例には積極的な治療介入がされるよう体系が整ってきました。
当院では軽症例で、でも気になる幼児・学童に対して、緊張や不安をやわらげる漢方薬を処方し、一定の手応えを感じています。漢方薬をいくつか試してもても無効で重症化する場合は、専門医へ誘導しています。

<病気解説>

チック(tic)の定義:
・チック:突発的・急速・反復性・非律動性の運動または発声
・チック症:チックを繰り返すことにより日常生活に支障をきたす状態

▶ 症状による分類:
・単純運動チック:まばたきなど目や顔に出る
・複雑運動チック:手でたたく、ジャンプ、触る、手のにおいを嗅ぐなど
・単純音声チック:声を出す、鼻をすする、鼻喉を鳴らす、咳払い、叫ぶなど
・複雑音声チック:他人の言葉をまねる(反響言語)、自分の言葉を繰り返す(反復言語)、社会的に不適切な罵倒する言葉や卑猥な言葉を発する(汚言症)など

▶ 経過による分類:
・暫定チック症:1年以内
・持続性(慢性)チック症:1年以上
・トゥレット症(Tourette syndrome):1年以上運動チックと音声チックが併存(※1)

● 症状増悪の誘因:
・不安や緊張が増大、または消失したとき
・楽しくて気分が高揚し興奮したとき
・急にリラックスしたとき
・情動が大きく変化したとき
・疲労時、月経前

● 症状減少の誘因:
・一定の緊張度で安定しているとき
・集中して作業しているとき
・睡眠中
・発熱時

▶ チックを取り巻く医学環境の変化:
チックは子どもの10人に1〜2人が経験し、従来、西洋医学では「様子を見ましょう」という方針でした。
近年、病態解明が進み、早期から積極的に介入すべき病態と捉え、非薬物療法・心理療法(※2)が導入されつつあります。
 
<チックの漢方治療>

▶ チックに用いられる漢方薬
〜漢方薬には2000年前から不安や緊張をやわらげる方剤があり、現代の様々なココロのトラブルや心因性疾患に応用されています。

甘麦大棗湯(72):初発に対する第一選択薬、1ヶ月くらい試してみる

● 甘麦大棗湯では効果不十分例に;
・手掌発汗などの交感神経緊張所見あり
 → 小建中湯(99)、柴胡桂枝湯(10)、四逆散(35)を追加
・不安や動悸
 → 桂枝加竜骨牡蛎湯(26)、柴胡加竜骨牡蛎湯(12) を追加

● 甘麦大棗湯+α(2剤併用)でも効果不十分の場合; 
 → 抑肝散(54)・抑肝散加陳皮半夏(83)に切り替える:
 ✓ 鎮静効果が強く即効性がある
 ✓ 易怒性を伴い精神緊張や情緒不安を認める運動チックやトゥレット症、ADHDやOCD(強迫症)などの併存例への第一選択薬 

● 甘麦大棗湯・抑肝散併用でも無効の場合;
 → 西洋薬(タンドスピロン、アリピプラゾール、グアンファシンなど)を考慮(ただし、小児精神科専門医の診療) 


※1) トゥレット症(Tourette syndrome)
● 頻度:小児の3〜8人/1000人
● 典型的な経過:
・6歳頃に単純運動チックで発症
・1〜2年後に音声チックが加わる
・成長と共に複雑チックが増える
・10〜12歳で症状悪化のピーク
・青年期に軽減していく
・成人後も2割に残る
● 病態:
・発症年齢の4〜9歳頃の神経発達は、セロトニン神経・オキシトシン神経未熟
 → ドパミン神経・ノルアドレナリン神経が暴走
 → 小児疳症、夜驚症、感覚過敏などになりやすい
● 治療:
・抗ドパミン作用薬(リスペリドン、アリピプラゾール)が有効
 ✓ 中枢神経刺激薬(メチルフェニデートなど)で悪化
・漢方薬:有効44%、やや有効48%(岩間ら)
 
※2)行動療法(ハビットリバーサル)、チックのための包括的行動的介入(CBIT)、曝露反応妨害法など 


<参考>
▢ 中島俊彦先生によるチックの漢方治療解説
 保育園、幼稚園児でチック症のあるお子さんが相談されます。運動性チックと音声チックがあります。ともに抑肝散抑肝散加陳皮半夏が有効です。2週間内服しても効果がない時は、内服薬の変更を考慮しましょう。不安が強いなら柴胡加竜骨牡蛎湯、緊張が強いなら柴胡桂枝湯など、訴えに目をつぶって、そのお子さんの体質に合っていると思われる漢方薬を試しましょう。
 また、心配しないこと、親子の不安を取り除くこと、親の放任はないかを確認します。過保護は逆効果です。過敏な子だから、は禁物です。気をつけなければならないのは、他の子どもに迷惑をかけている、からかわれている、いじめ、非難の対象になっている、事実はないかです。


石川功治先生(たんぽぽこどもクリニック)によるチックの治療
柴胡加竜骨牡蛎湯
 チックというのは何らかの精神的ストレスを感じて、その結果として「まばたきが目立つ」とか「体のある部分を無意識に動かしている症状」のことです。 
 チックのお子さんでも落ち着きの見られないこともあり、構成生薬の柴胡がイライラ感を静めてくれます。柴胡は胸脇苦満といった胸部における嫌な感じがある気欝の症状も改善します。竜骨や牡蛎は精神不安定による焦り感を改善する作用があります。構成生薬には大棗も含まれていますので、安神作用という精神安定作用にも効果があります。
 チックのお子さんは落ち着きがないことに加えて、イライラ感や焦り感などが起きてきます。これらをまとめて改善出来るのがツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯(12)なのです。 
抑肝散
 構成生薬の柴胡にはイライラ感を改善して気持ちを落ち着かせる作用があり、チックの症状を改善することがあります。多動症のチックが見られるお子さんに向いています。チックで眼のまぶたが痙攣するような症状にも効果があります。
 構成生薬に当帰と川芎が入っており、これらがお腹の痛み(下腹部)にも効きますので、チックでお腹が痛いお子さんにも向いています。
 構成生薬の川芎や釣藤鉤は、神経過敏な頭痛にも効きますので、チックで頭痛のあるお子さんにも向いています。  

↑このページのトップヘ