近年よく耳にするようになった「スマホ中毒」「ゲーム障害」。
スマホとゲーム、どちらも魅力的なデバイスです。
テレビがなくても好きな動画を見放題、
昔はゲームセンターにお金を払って通う必要があったゲームも、し放題。
子どもたちがそれらに振り回され、日常生活に支障が出るに至っています。

さて、子どもにおとなしくして欲しいとき、昔の親はどうしていたのでしょう。
私の世代は「テレビを見せていた」パターンですね。
ではテレビ登場以前の昔は?
・・・答えは「ヒト」です。
兄弟が多く、近所付き合いが濃厚だった時代は、
誰かしら子どもの相手をしてくれるヒトがいたのです。

オーストラリアでは、とうとう「子どもにSNS禁止」という法律が制定されました。
ただ、スマホを禁止する際にはその代わりを用意する必要があると思いますが、
オーストラリアではうまくいっているのかな?

<参考サイト>
オーストラリアで初の「子どものSNS禁止」法案可決(朝日新聞)
● オーストラリア16歳以下 SNS利用禁止のなぜ?(茂木健一郎)
日本も16歳未満の子どものSNS利用を禁止すべきなのか?(高須幹也)



これらのデバイスとうまくつき合っていく方法はあるのでしょうか。
てぃ先生(カリスマ保育士)と
樋口進先生(依存症専門医)のご意見を聞いてみましょう。


▢ てぃ先生

▶ 結論
・ルール決めを子どもにしてもらう。
・スマホを使って得た情報を子どもにアウトプットしてもらう。
・デジタルツールが必須の時代、子育ての中でスマホを活用することはOK。

▶ スマホ育児に賛成!
・眼科医が推奨する利用時間を守った上でのお話
・「スマホは悪いモノ」「使うのはよくないこと」というイメージを植え付けるのはもったいない。
・スマホに育児をさせるなんて・・・という批判は、昔、紙おむつが登場したときの議論「紙おむつを使う親なんて愛情がない」と似ている。
・しかし、スマホの使いすぎ、生活に支障が出るレベルまではまってしまうと・・・

▶ スマホ利用ルールを子どもに決めてもらう
・スマホに没頭して他のことができなくなった子どもには、親子で話し合ってルールを決めよう、そのルールは子どもに決めてもらおう。
・親からいわれた言葉「あと何分ね」「その動画でおしまいね」という約束は他人事、「自分事化」の方が守りやすい。
・「あと何分で終わりにする」「次の動画でおしまいにする」とスマホを置いた状態で、両親の顔を見ながら話すだけでも効果がある。

▶ ルールには例外を作らない、親も守る
・ルールを作ったら例外を作らないことが大切。「ルールが守れなかったらその日のスマホはもうおしまい」などのルールを作る。
・両親の都合でルールを破るのも禁(もう少し家事や仕事をしたいから延長、など)。
 → 解決法の例:動画チケット(⇩)
・例外を作ると、子どもは毎日例外を求めるようになる。

▶ 親子以外にもルールを共有して「大切なこと」に格上げ
・ルールは母親と子どもの2人だけではなく、父親や園の先生など3人以上で共有した方が効果的、「大切なこと」という意識が芽生える。

▶ 感想会を開こう
・受動的(罪悪感あり) → 能動的(得るものあり)なスマホの使用法
・スマホを使った後の感想会を開きましょう(30秒でもOK)。
 ✓ 「さっき見ていた動画、どんなお話だったの?」
 ✓ 「さっき見ていた動画の人、どんなこと言ってた?」
・スマホを使って子どもが得た情報をアウトプットしてもらう。
・すると「無駄な時間を過ごした」 → 「少し有意義な時間を過ごした」へ変化。

▶ お役立ちスキル&アイテム
動画チケット:親ぶ渡すと動画を見ることができるチケットを自作し、子どもに渡しておく。ただし、食事中は無効、チケット一枚で見ることのできる時間を予め決めておく。
 → 「チケットがないから止める」と視覚でわかるので子どもは納得しやすい。「動画を見るのを止めなさい!」と叱る回数が減る。
・テレビやスマホを擬人化して「もうテレビは寝る時間だよ」とスイッチを消す:0-1歳までは有効。
・時間で区切るのではなく「一話」区切りで。見ている途中に時間で消されるとかんしゃくの要因になる。


<参考>
子どもがスマホを使うのは悪くない(てぃ先生)
約束を守らない子どもが3日間で変わる方法(てぃ先生)
親子のスマホデビュー安心ガイド(ソフトバンク)


▢ 樋口進先生

▶ 危険要因から浮かび上がる予防対策
・ゲーム・スマホの使用開始年齢を遅らせる。
・ゲーム・スマホの使用時間を少なくさせる。
・本人・両親に対する予防教育。
・リアルの生活を豊かにする
 ✓ 家庭・学校生活
 ✓ 友人関係
・ネット・ゲームの規制
 ✓ 現在何もない(年齢制限、広告規制など)
 ✓ 国の規制が求められる

▶ ルール作りのポイント
1.使用時間を決める
・使用時間帯と使用終了の時間を決める。
・あまり細かく決めない。
2.使用場所を決める
・子ども部屋(自室)での使用は避け、リビングや家族の目の届くところで使用させる。
3.制限機能の使用
・アプリの制限とタイマー(ペアレンタルコントロール)(総務省作成動画
・本人の同意がないと、効果的でない。
4.使用金額について決める
・アプリのダウンロードや課金の限度額を決めておき、小遣いの範囲にとどめさせる。
・親に無断でオンラインショッピングや決済をさせない。
5.書面に残す
・守れなかったときにはどうするかまで決め、必ず書面に残しておく。
・冷蔵庫など目に付くところに貼っておく。
6.家族もルールを守る
・親がスマホ・ネット使用の規範を示す。
・その上で、子どもたちに対応する。
・家族や周りの人とのネットを介さないコミュニケーションを大切にする。


<参考>
・ゲーム障害にならないために(久里浜医療センター:樋口進先生)学校保健学会2024