しかし、医師の間でも温度差があり、園や学校側が混乱してしまうケースが後を絶ちません。
(一応)アレルギー専門医である私が、作成の際に気をつけている点を説明します。
▶ 正確な診断
・検査陽性+食べると症状が出る → 確定診断
・検査陽性+食べても症状なし → 食物アレルギーではない
・検査陽性+未摂取 → 食物アレルギーの可能性(負荷試験が必要)
→ 負荷試験未施行の場合は園・学校では除去せざるを得ない。
→ 負荷試験ができる医療機関へ紹介。
▶ 「とりあえず除去」を避けるために
・「心配だから多項目スクリーニング検査」は慎重に。
・スクリーニング検査で陽性でも食べて症状が出なければ除去は不要。
・スクリーニング検査陽性で安易に「とりあえず除去」を指示すると、児・保護者・園/学校の負担増。
▶ ナッツ類はスクリーニング検査を考慮
・ナッツ類のアレルゲンコンポーネント検査(一般のアレルギー検査とは異なる)は感度・特異度が高いため、一つのナッツにで症状が出る場合は考慮すべき。
・アレルゲンコンポーネント例
(例)クルミ → Jug r 1
(例)カシューナッツ → Ana o 3
(例)ピーナッツ → Ara h 2
▶ 学校給食での食物アレルギー対応例
・献立表対応
・除去食対応
・弁当対応
・無提供
▶ 生活管理指導表の「診断根拠」
・症状が出た(エピソードあるいは負荷試験陽性)+検査陽性 → ⭕️
・診断根拠無記載 → ❌️
・血液検査陽性+症状なしでの除去は❌️
・血液検査陽性+未摂取での除去は△ → 「食物アレルギーの可能性」にとどまる。
▶ 生活管理指導表の「除去内容」
・安易に「すべて」にチェックを入れない。
・ナッツ類は個々の食材を記入すべし。
(例)クルミ、カシューナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、松の実、クリ、ギンナン、ココナッツ、カカオ、・・・
▶ 安全に解除するために気をつけるべき点
・日常摂取量で無症状になるまでは完全除去対応が基本。
・学校での部分解除指導は行わない。
→ 事故防止の観点から摂取可・完全除去の二者択一が望ましい。
・自宅での摂取状況、負荷試験の結果などの情報提供が望ましい。
・小学生以上は「運動負荷」を考慮
(例)日常摂取量で無症状でも、激しい運動が加わると誘発されることがある。
▶ 「より厳しい除去が必要なもの」の考え方
・これらに反応する患児は重症症例のみ。
・実際にこれらの食材での既往がある場合に除去が必要、なければ必要なし。
(例)大豆あるいは小麦でじんま疹が出るが、味噌や醤油では無症状
▶ 花粉・果物アレルギーについて
・近年増えてきた病型で口腔アレルギー症状のみ。
・生の果物野菜には反応するが、加熱や加工したものは症状が出にくい。
・対応は学校と養育者が相談して決めるが、高学年で自分で理解していれば「本人任せ」も。
・「除去」で作成する場合は、「加熱した〇〇は摂取可能」と記載するとよい。

