2026年03月

生理痛ではなく、生理が始まる前につらい症状で悩まされる女性は多くいらっしゃいます。
軽度の症状を含めると、80〜90%の女性が何らかの症状を経験すると報告されています。そのうち、PMSと診断される女性は20〜30%、PMDDを辛酸される女性は1.2〜6.4%。

日本産婦人科学会の定義は以下の通り;
PMS(premenstrual syndrome):月経前症候群
・・・月経前3〜10日間の黄体後期に発症する多種多様な精神的、あるいは身体的症状で月経の開始とともに減弱あるいは消失するもの
PMDD(premenstrual dysphoric disorder:月経前不快気分障害
・・・PMSの中で精神症状が主体で強いもの
★ 2013年に改定されたDSM-5にて初めてPMDDが抑うつ障害群のカテゴリーの一つに分類され、うつ病と同列の独立した疾患として格上げされた。

PMS/PMDDの漢方医学的病態(後山尚久先生)
・瘀血と水滞が病態の中心+気鬱
瘀血)骨盤内臓器の充血・鬱血
水滞)黄体ホルモンの作用で、浮腫、体重増加、乳房緊満感、頭痛、眩暈
気鬱)強い瘀血は血の巡りを妨げ気鬱を引き起こす。抑うつ、腹部膨満感

PMSの漢方治療
・婦人科3処方の適応:当帰芍薬散(23)、加味逍遥散(24)、桂枝茯苓丸(25)
水滞)浮腫・めまい・頭痛
 +(陰証)冷え症・寒がり → 当帰芍薬散:貧血傾向、皮膚の乾燥、色白、月経困難
 +(陽証)冷えなし、暑がり、のぼせ → 五苓散:口渇、自汗、尿不利

PMSの気逆(イライラ)対策
・赤鬼タイプ(外に発散する怒り) → 加味逍遥散
・青鬼タイプ(陰に籠もった怒り) → 抑肝散(54)


・・・小児科の当院にも、PMS症状(生理前のイライラ感)でつらい思いをしている中学生女子が通院しています。加味逍遥散(24)が合い、本人も家族も「楽になった」と喜ばれています。

以前書いた記事では、月経関連症状に使用する漢方薬を、虚実と随伴症状から選択する内容でした。
もう少し掘り下げて、気血水理論で使い分けるセミナーを視聴したので、備忘録としてポイントを書き残しておきます。
患者さんにとっては症状で選ぶ方がわかりやすいのですが、医師側から見ると理論から根拠を持って選択できた方が使い分けしやすい傾向がありますね。
気(生体エネルギー)を体内にまんべんなく行き渡らせる(血・水)状態を健康と捉え、各要素が不足したり、滞ったり、逆流したりすると病気が発生するというイメージです。
そして漢方薬はその偏り・歪みを補正する薬です。だから、その人の本来の健康な状態に戻す薬であり、それ以上のことはできません。過剰な期待は無意味です。


▶ 月経関連処方の気血水(まとめ)
当帰芍薬散(23) → 瘀血・血虚・水滞
加味逍遥散(24) → 瘀血・  ・  ・気鬱・気逆
桂枝茯苓丸(25) → 瘀血・  ・  ・  ・気逆


▶ 気血水とは
【気】
・目に見えない生命エネルギー
・生体における精神活動を含めた機能活動を統一的に制御する要素
【血】
・気の働きを担って生体を循行する赤色の液体
【水】
・気の働きを担って生体を滋潤し、栄養する無色の液体

▶ 気血水の病態
気 → 気虚・気滞・気逆
血 → 血虚・瘀血
水 → 水毒

▶ 瘀血と駆瘀血剤
・血の流れが滞っている状態
・瘀血スコア:瘀血スコア5点以上の項目をセレクト、21点以上で瘀血
(症状)
 ✓ 月経障害(10)
 ✓ 皮下溢血(10)
 ✓ 眼瞼部の色素沈着(10)
 ✓ 舌の暗赤紫化(10)
  ✓ 皮膚の甲錯(5)
  ✓ 歯肉の暗赤化(5)
  ✓ 細絡(5)
  ✓ 手掌紅斑(5)
  ✓ 痔疾(5)
(診察所見)
 ✓ 臍傍圧痛抵抗・右(10)
  ✓ 臍傍圧痛抵抗・左(5)
  ✓ 臍傍圧痛抵抗・正中(5)
  ✓ S状部圧痛抵抗(5)
  ✓ 季肋部圧痛抵抗(5)
★ 瘀血の腹候と圧痛点
(当帰芍薬散)右臍傍、軽いしこりのみ、硬結なし
(桂枝茯苓丸)左臍傍
(大黄牡丹皮湯)回盲部
(桃核承気湯)S状結腸部
・駆瘀血薬:血の巡りをよくする
(虚証)当帰・川芎
(虚実間証)芍薬
(実証)桃仁・牡丹皮(・冬瓜子・大黄)

▶ 血虚と補血剤
・血虚:
(身体症状)皮膚乾燥、あかぎれ、脱毛、爪のもろさ、手足のしびれ、めまい、こむら返り
(精神症状)不眠、集中力低下
(診察所見)腹直筋攣急
・補血薬:血を補う・栄養を隅々まで届ける
(生薬)芍薬、当帰、地黄、阿膠、酸棗仁、小麦、何首鳥
(方剤例)
 ✓ 四物湯《和剤局方》:当帰・芍薬・川芎・地黄
 ✓ 芍薬甘草湯《傷寒論》:芍薬・甘草
 ✓ 小建中湯《傷寒論》:桂皮・生姜・大棗・芍薬・甘草・膠飴

▶ 当帰芍薬散(23)
・気血水:瘀血・血虚・水滞
・症状:頭痛、めまい、吐き気、浮腫
・外見:なで肩、色白、当芍美人

当帰芍薬散の生薬構成 ≒ 四物湯+五苓散
 補血:当帰・芍薬・川芎
 駆瘀血:芍薬・川芎
 利水:茯苓・蒼朮・沢瀉
 順気(気鬱):川芎
 順気(気逆):なし

▶ 加味逍遥散(24)
・気血水:瘀血・気鬱・気逆
・症状:イライラ、のぼせ、便秘
・特徴:煩躁(気分が落ち着かず、イライラしてじっとしていられない)、逍遥(症状がコロコロ変わる)
・生薬説明
✓ 柴胡:清熱作用、抗ストレス作用
✓ 山梔子:清熱作用、煩躁改善作用

加味逍遥散の生薬構成
 補血:当帰・芍薬
 駆瘀血:当帰・芍薬・牡丹皮
 利水:茯苓・蒼朮
 順気(気鬱)柴胡・山梔子・薄荷
 順気(気逆)なし

▶ 桂枝茯苓丸(25)
・気血水:瘀血・気逆
・症状:のぼせ、赤ら顔
・所見:臍上悸、左臍傍圧痛

桂枝茯苓丸の生薬構成
 補血:芍薬
 駆瘀血:芍薬・牡丹皮・桃仁
 利水:茯苓
 順気(気鬱)なし
 順気(気逆)桂皮

▶ 柴胡剤のラインナップ
 実
 ⇧ 大柴胡湯(8)
 ⇧ 柴胡加竜骨牡蛎湯(12)
 ⇧ 四逆散(35)
   小柴胡湯(9)
 ⇩ 柴胡桂枝湯(10)
 ⇩ 加味逍遥散(24)
 ⇩ 柴胡桂枝乾姜湯(11)
 ⇩ 補中益気湯(41)
 虚

▶ 陰陽と月経関連処方
(陽証)桂枝茯苓丸(25)、加味逍遥散(24)
(陰証)当帰芍薬散(23)

▶ 六病位と月経関連処方
(少陽病期)桂枝茯苓丸(25)、加味逍遥散(24)
(太陰病期)当帰芍薬散(23)

▶ 冷えのタイプと月経関連処方
・四肢の冷え(血虚・瘀血) → 当帰芍薬散(23)
・上熱下寒タイプ(気逆)・・・手先足先の冷え+顔面紅潮 → 加味逍遥散(24)、桂枝茯苓丸(25)

▶ 月経関連処方の舌所見
当帰芍薬散(23)蛋白・腫大・歯根
加味逍遥散(24)舌尖赤い、しまった感じの形
桂枝茯苓丸(25)紫色、舌下静脈怒張


<参考>
・2026年3月にWEB配信された堀河漢方塾セミナー(谷口聖明Dr.、水澤理可Dr.)

・・・谷口先生のセミナーは何回も聞いていますが、理解しやすくて毎回楽しみです。処方に行き詰まったとき「陰陽」という視点を取り入れることを教えていただきました。
・・・水澤先生は気血水でキレイに分類してくれました。
一つ気づいたこと。以前から「加味逍遥散には気逆の生薬が入っていないのに、なぜ気逆の患者さんに使うんだろう?」と疑問に思ってきたのですが、キーとなる生薬は山梔子であることが判明しました。山梔子は煩躁(気分が落ち着かずイライラしてじっとしていられない状態)を緩和してくれるのですね。

漢方医学には病態把握のための概念がいくつか存在します。
その一つで最も重要なのが「陰陽虚実」。
しかし、漢方家には日本古来の日本漢方と現代中国の中医学に分かれ、さらに日本漢方は古方派と後世方派に分かれ、結局3つの派閥があることになり、そして「虚実」概念の意味するところが微妙に違うという問題が指摘されています。
つまり、「虚実」を語る際に、それが古方派・後世方派・中医学のどれに基づくものか、正確を記するためにはあらかじめ確認しておく必要があるのです。

その違いをわかりやすく説明したセミナー(by 谷口聖明先生)を視聴したので、講義メモを備忘録として残しておきます。
下に示す項目の、

①③は「病気に対する反応性」
②は「体力・体格」
④は「精気」の過不足という抽象概念

という違いがありそうです。①②③④を強引にまとめると、

:体内エネルギー(精気)が充実 → 体力がある → 病原体に抵抗性あり
:体内エネルギー(精気)が不足 → 体力がない → 病原体に抵抗性なし

となりますか。
なお、「虚実中間」という言葉を古方派以外は使わないことを初めて知りました。

虚証
① 病邪に対して抵抗力が弱い状態
② 体力・体格・体質を総合的に判断し、虚弱な状態
③ 病勢が潜在化した状態
④ 精気の不足、または精気の不足によって引き起こされている病態

そして各派による違いは、
 古方派:①②③
 後世方派:①④
 中医学:④

実証
① 病邪に対して抵抗力が強い状態
② 体力・体格・体質を総合的に判断し、頑強な状態
③ 疾患活動性や病因に対する生体反応が亢進した状態
④ 精気の不足(虚証)以外の病的状態、つまり精気の過剰・停滞・変性・亢進などを指す

そして各派による違いは、
 古方派:①②③
 後世方派:①④
 中医学:④

虚実中間
① 虚と実の中間の状態
② 体力・体質・体格が虚弱と頑強との中間の状態
③ 病勢が顕在と潜在の中間的な状態
(解説)虚実中間証とは、虚実の偏りに乏しい状態を示す。腹力や脈の力にあっては、強弱が昼間を示すもの。主に近年の古方派で用いられる用語

以上を各派閥で整理し直すと、以下のようになります;

▶ 古方派の虚実

① 病邪に対して抵抗力が弱い状態
② 体力・体格・体質を総合的に判断し、虚弱な状態
③ 病勢が潜在化した状態

① 病邪に対して抵抗力が強い状態
② 体力・体格・体質を総合的に判断し、頑強な状態
③ 疾患活動性や病因に対する生体反応が亢進した状態
虚実中間
① 虚と実の中間の状態
② 体力・体質・体格が虚弱と頑強との中間の状態
③ 病勢が顕在と潜在の中間的な状態

▶ 後世方派の虚実

① 病邪に対して抵抗力が弱い状態
④ 精気の不足、または精気の不足によって引き起こされている病態

① 病邪に対して抵抗力が強い状態
④ 精気の不足(虚証)以外の病的状態、つまり精気の過剰・停滞・変性・亢進などを指す
虚実中間】なし

▶ 中医学の虚実

④ 精気の不足、または精気の不足によって引き起こされている病態

④ 精気の不足(虚証)以外の病的状態、つまり精気の過剰・停滞・変性・亢進などを指す
虚実中間】なし



・・・私がイメージする「虚実」は日本漢方の古方派に近いことを改めて認識しました。中でも、②のイメージが近いです。聴講してきたセミナーの講師や啓蒙書の多くが古方派だったのでしょう。

 当院は小児科ですが、思春期のニキビの治療も行っています。
 当院の特徴は、皮膚科専門医も使う新しいニキビ治療外用薬と漢方薬内服を併用することで、「外からも中からも治す」方針です。
 中高生は定期的に通院することが難しく、ドロップアウトしがちですが、治療法が安定したタイミングで「オンライン診療」へ変更することが可能です。来院せずとも、自分のスマホと診察室のタブレットをつないで診療できますので、ぜひご相談ください。

 先日「小児・思春期のスキンケアのコツ」というWEB配信セミナーを視聴しました。小児科医にとっては馴染みのない内容であり、勉強になりました。ポイントと感じた箇所を引用・抜粋させていただきます。
※ 具体的な製品名が出てきますが、講師が紹介されたもので、私が推奨するものではありません。

▶ 思春期のスキンケアの問題点
・学校や部活動で忙しい:受診時間確保困難
・母親に連れられて(自分の意思ではなく)気乗りしないまま受診
・何でも面倒くさい、処方しても外用してくれない
・好き嫌いが多い、野菜を食べない
・前髪命!(額は絶対出しません)
・質問に対して「ふつう」としか答えない
 (自分が「ふつう」と思っている)
・週末になると化粧する(今や小学生も!)
・SNSでの誤情報も信じてしまう

▶ 正しいスキンケア

1.洗顔は1日2回、洗顔料を使って洗います。
(参考動画「ニキビに悩む方への洗顔Movie」マルホ提供)
・洗顔料をよく泡立てる(泡の洗顔料(※ 1)でもOK)
・湯温は30℃を目安
・すすぎ残しに注意
・清潔なタオルで水分を拭き取る → 拭かない!こすらない!
・摩擦レス(※ 2)が基本

※ 1)西村先生のオススメは、
 ① クリーミィフォーム(iniks)
 ② コラージュフルフルホイップソープ(持田製薬)
※ 2)「こすること」は肌トラブル(乾燥・赤み・シミ・シワ・たるみ等)の原因になります。

2.保湿は必要最小限で。
・化粧水(パックなどは不要)
・必要なら油分の少ない(※ 3)クリームを使用
※ 3)油分の多いものは毛穴をふさいでニキビを繰り返しがち

3.紫外線対策は低刺激のものを繰り返し塗る。
・低刺激の日焼け止めを塗る。
・SPFの数値に関係なく3時間毎に塗る。

メイク
・クレンジング不要のものが好ましい。
・クレンジングを使用するときはW洗顔が必要のない種類を選びましょう。
・オイルクレンジングはニキビの悪化や乾燥を招きます。
・拭き取りは肌を傷めるため避けましょう。

保護者にお願いしたいこと;
・内服外用忘れがないか見守りと声掛け
・できる範囲でバランスの良い食事の提供
・中高生に適したスキンケア用品の購入
・サンスクリーン剤の使用状況確認
※ 以下のことはNGです!
❌️ 母親が自分の基礎化粧品を使わせている。
❌️ クレンジング・パックをさせている(やり過ぎ)。
❌️ 小学生のメイクを容認している。

▶ 中高生に適したスキンケア用品
〜思春期の肌はデリケートで乾燥とニキビが混在します〜
・高価すぎない(ひと月2000円までが適当?)
・香料・添加物・刺激が少ないこと
・ノンコメドジェニック(ニキビ肌での安全試験クリア)
・洗顔料は泡タイプ、もしくは泡立ちのよいもの。洗浄力が強すぎて保湿成分まで取ってしまうものはNG。
・サンスクリーン剤は吸収剤を含まないもの、べとつかず伸びのよいもの、できれば石けんで落とせるもの。
・化粧水は1本で保湿まで補えるものを。

※ 西村先生のオススメ(iniksと皮膚科医である西村先生共同開発):
(洗顔料)クリーミィフォーム(iniks)・・・約40日分で2420円
(保湿液)ACモイスト Cコンディショナー(iniks)・・・約60日分で3960円
(日焼け止め)バリアUVプロテクション フェイス&ボディ(iniks)2420円


<参考>
・小児・思春期のスキンケア(西村香織先生)WEB配信セミナー、2026.3.11
美肌講座(マルホ)
親子で挑むスキンケア大作戦(iniks)
・美肌研究所公式LINE(iniks)

漢方医学で問題となる3種類の精神状態
・抑うつ・無力 → 気虚+気うつ
・不安・緊張  → 気うつ+気逆
・興奮・焦燥  → 気逆+血虚


▶ 漢方医学で問題となる3種類の精神状態と対応方剤

抑うつ・無力気虚・気うつ 

 補中益気湯(41) 
 茯苓四逆湯(人参湯+真武湯) 
 八味地黄丸(7) 
 半夏厚朴湯(16) 
 香蘇散(70) 
 加味帰脾湯(137)等


不安・緊張
気うつ・気逆

 柴胡加竜骨牡蛎湯(12) 
 柴胡桂枝乾姜湯(11) 
 桂枝加竜骨牡蛎湯(26)等

興奮・焦燥気逆・血虚

 加味逍遥散(24) 
 抑肝散(54) 
 黄連解毒湯(15)


▶ 抑うつ・無力(気虚・気鬱)に対する漢方フローチャート


食後の眠気(+)
→ 朝調子が出ない(+) → 加味帰脾湯(137)

  朝調子が出ない(ー)
  → 冷え(+)→ (著明な倦怠感)茯苓四逆湯

           (年齢からくる衰え)八味地黄丸(7)

  → 冷え(ー)→ 補中益気湯(41)


食後の眠気(ー)
→ 訴えがしつこい(+)→ 半夏厚朴湯(16)

  訴えがしつこい(ー)→ 香蘇散(70)

※ 気虚スコアより:体がだるい、気力がない、疲れやすい、日中の眠気

※ 気鬱スコアより:朝起きにくく調子が出ない抑うつ傾向、時間により症状が動く


▶ 不安・緊張(気鬱・気逆)に対する漢方フローチャート


冷えのぼせ(+)
→ 胸脇苦満(+) →(体格中等度以上)柴胡加竜骨牡蛎湯(12)

          →(華奢)柴胡桂枝乾姜湯(11)

  胸脇苦満(ー) →  桂枝加竜骨牡蛎湯(26)

冷えのぼせ(ー)
→ 訴えがしつこい(+) → 半夏厚朴湯(16)

  訴えがしつこい(ー) → 香蘇散(70) 


▶ 興奮・焦燥(気逆・血虚)に対する漢方フローチャート


我を忘れるほど興奮(+) → 黄連解毒湯(15)

我を忘れるほど興奮(ー)
 → 不定愁訴(+) → 加味逍遥散(24)

 → 不定愁訴(ー) → 抑肝散(54)

※ 血虚を疑うとき:朝起きられない睡眠障害日中ボーッとする、会話にまとまりがない


LGBTQ+の e-learning を視聴・修了しました。備忘録として講義メモをここに残しておきます。

1.LGBTQ+の基礎知識
2.LGBTQ+と健康問題
3.LGBTQ+と医療問題
4.LGBTQ+と医療問題:カミングアウトへの対応
5.LGBTQ+と医療問題:医療者側から当事者への質問集
6.LGBTQ+と医療問題:医療者同士のQ&A集

基礎知識の一部を提示します。

▶ LGBTQ+の頻度

・日本国内の調査では3〜10%

 

▶ LGBTQ+とは

L(レズビアン):女性同性愛者(性自認・性的指向がともに女性)

G(ゲイ):男性同性愛者(性自認・性的指向がともに男性)

B(バイセクシャル):両性愛者(男女いずれも恋愛・性愛の対象となる)

T(トランスジェンダー):出生時に割り当てられた性別と性自認が異なる

 ※ シスジェンダー:出生時に割り当てられた性別と性自認が一致している

Q(クィア):性的マイノリティを広く指す言葉として主に当事者に用いられる

Q(クエスチョニング):セクシュアリティを決めたくない、探索中の人

 

▶ LGBTQ+の意義

・その性のあり方を生きる人が声を上げるために、社会に届けるために、自分たちを表すために、連帯するために使い始めた言葉。

・たくさんの性のあり方を表す言葉がある。

(例)パンセクシュアル、A型陽性。セクシュアル、アロマンティック、エックスエンダー、ノンバイナリー、ジェンダーフルイド、etc・・・

・「自分がありのままで自分」と言えるために使う言葉

 

▶ LGBTQ+の内容

・LGBは「性的志向」(Sexual Orientation, SO)に関する話

・Tは「性自認」(Gender Identity, GI)に関する話

・QはSOとGIどちらも含む性の多様性全体を表す。Qに+をつけて、LGBTの他にもある多様な性のあり方を示す。

・セクシュアルマイノリティ(性的マイノリティ、性的少数者)の総称としてLGBTQ+という用語が使われることもある。

 

▶ SOGIという言葉

・SO(性的指向)、GI(性自認)はLGBTQ+かどうかに限らず、すべての人に関わること。

Sexual Orientation:性的指向・・・恋愛や性愛の対象となる性

Gender Identity:性自認・・・自分の性をどう認識しているか

 

▶ セクシュアリティを理解する〜性のあり方を分解して考える

1.性自認:GI(Gender Identity)こころの性

・自分の性をどう思うか

・自分にとってしっくりくる性

2.生物学的性:からだの性

・出生時に指定された性:Sex Assigned at birth

・身体的・生物学的な性:Biological Sex  → トランスジェンダーでは薬物療法(ホルモン療法)や外科的療法で変化がある場合あり

3.性的指向:SO(Sexual Orientation)好きになる性

・恋愛や性愛の対象となる相手の性

4.性表現:Gender Expression  → 見えるのはここだけ

・身なりや言動や素振りなど外見に表現する性

 

▶ 性のグラデーション

上述の性自認(こころの性)、生物学的性(からだの性)、性的指向(好きになる性)、性表現はすべて、男女の二元論だけでは語れないグラデーションである。

 

▶ 医療とLGBTQ+の歴史

・多様な性のあり方を「精神病理」の枠組みで捉えて「治療」しようとしていた過去がある。

 → 性自認・性的指向そのものを変えることは、いかなる場合においても治療対象ではない。強引に進めると、うつ、不安障害、自殺など深刻な被害をもたらす。

・病理化(疾患・傷害として定義)した過去と脱病理化(多様な性のあり方として捉える現在)の歴史。

・医療がLGBTQ+の人々に対するスティグマ・偏見を作り出した歴史があり、現在も影響が残っている。

 

▶ 医療とLGBTQ+の歴史:同性愛(性的指向、Sexual Orientation, SO)

・DSM-IIまでは「同性愛」は精神疾患リスト内に

・1987年:DSM-III-Rで完全に削除 → 脱精神病理化

 WHO「同性愛はいかなる意味でも治療の対象とならない」

 

▶ 医療とLGBTQ+の歴史:トランスジェンダー(性自認、Gender Identity, GI)

(DSM)

1980年:DSM-III  Gender identity disorder(性同一性障害)

2013年:DSM-V  Gender dysphoria(性別違和) → 脱障害化

(ICD)

〜ICD-10までは精神及び行動の障害

2018年:ICD-11  Gender incongruence(性別不合)

 Conditions related to sexual health に → 脱精神病理化 

 

▶ DSD(Disorders of Sex Development、性分化疾患)

・「からだの性」のグラデーション

・DSDs:Differences of Sex Development, からだの性の様々な発達、と呼ばれることもある。

・性分化の過程で、染色体 → 性腺 → 外性器の性が発達するプロセスのどこかが非典型的である状態、と定義される。

・いくつかの疾患を総合した用語

(例)Turner症候群、AIS(アンドロゲン不応症)、CAH(副腎過形成)など数十の疾患群

・DSDを持つ人々にとって「中性」「男性でも女性でもない」と表現されることは重大な心的被害をもたらすことがある。

・DSDの人々の中にも性自認や性的指向の多様性がある場合もあるが、そうでない場合、LGBTQ+の文脈で語られたくないと感じる人もいる。

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