参考にした本には、2剤併用による増強効果の例が掲載されており、
単剤で効果が今ひとつだった場合の“次の一手”として利用可能で助かります。
・・・ただ、2剤併用の記載を整理していたら、(黄連解毒湯+酸棗仁湯)併用レシピが二種類ありました。

■ 不眠症に対する漢方に耐性・依存症の心配はない。

■ 2剤併用による効果増強レシピ

黄連解毒湯1包+酸棗仁湯1包(眠前)
・・・頭がカッカして眠れない場合に

黄連解毒湯1包+酸棗仁湯2包(眠前)
・・・ほてりが強い場合、「漢方の睡眠薬」、
 寝る前に酸棗仁湯1包では効果不十分につき眠前2包が必要

加味帰脾湯
3包/日+酸棗仁湯2包(眠前)
・・・加味帰脾湯の効果増強

(加味)帰脾湯1包+竹筎温胆湯1包(眠前)
・・・竹筎温胆湯の適応で、不眠が強いときは眠前に帰脾湯を併用

半夏厚朴湯
小柴胡湯( → 柴朴湯(96))
・・・柴胡剤併用によりストレスに対する効果増強

加味逍遥散
3包+黄連解毒湯2包/日
・・・加味逍遥散の方意+のぼせが強いとき

加味逍遥散
2包+桃核承気湯2包/日
・・・PMSの強いとき

■ 不眠症に対する基本処方

入眠障害に
黄連解毒湯(15):寝る前に2包、または夕方1包&寝る前に2包
…頭がさえて眠れない、つまらないことが気にかかる、のぼせる例に
※ クラシエ、オースギに錠剤あり、コタローにカプセルあり

抑肝散加陳皮半夏(83):1回1包、1日3回、または夕1-2包、寝る前に2包
…イライラ、頭痛、認知症の不眠、歯ぎしり

竹筎温胆湯
(91):夕1包、寝る前2包
・・・咳・痰、いろいろ考えすぎて眠れない。「温胆湯」は物事を決められず、不安を感じるような不眠に用いる

中途覚醒、熟眠障害に
柴胡加竜骨牡蛎湯(12):1回1包、1日3回
・・・動悸、イライラ、夢(悪夢)が多い、ストレスで眠れない場合、几帳面で真面目な人が眠れなくなったとき
※ クラシエに錠剤あり

加味帰脾湯
(137)
・・・(1回1包、1日3回)不安感、体質虚弱、認知症
※ クラシエに錠剤あり

入眠障害、中途覚醒に
酸棗仁湯(103):夕1包、寝る前に2包
・・・疲れているのに眠れない

(その他)
半夏厚朴湯(16):1回1包、1日3回
・・・喉の痞え、不安感。ストレスが下人で、喉の痞えや息苦しさなどの訴えがあるときの不眠に
※ クラシエ、オースギに錠剤あり

加味逍遥散(24):1回1包、1日3回
・・・月経や更年期の不眠、イライラ、女性の不眠。単剤では効果が弱いため、随伴症状に合わせて他剤を併用する
柴胡桂枝乾姜湯(11):1回1包、1日3回
・・・神経過敏、冷え、抑うつ。仕事や家事で頑張りすぎたときのストレスで起こる不眠に。

■ 不眠症の第二選択薬

三物黄芩湯(121)・・・手足のほてり、ムズムズ脚症候群で眠れない場合
大柴胡湯(8)・・・ストレスで眠れない場合、体力充実
甘麦大棗湯(72)・・・ヒステリーやパニック障害のある不眠に
三黄瀉心湯(113)・・・黄連解毒湯と類似、便秘のある場合に
抑肝散(54)・・・抑肝散加陳皮半夏と同様
猪苓湯(40)・・・夜間頻尿や口渇を訴える不眠に


 <参考>
すべての臨床医が知っておきたい漢方薬の使い方(安斎圭一著、羊土社)