参考にした本には、2剤併用による増強効果の例が掲載されており、
単剤で効果が今ひとつだった場合の“次の一手”として利用可能で助かります。
この項目では、風邪の引き始めに使う漢方薬を再度整理してみます。
西洋医学では、症状に合わせた対症療法薬を使います。
しかし、風邪の経過(初期、急性期、回復期)に伴い薬を使い分けることはありません。
症状に合わせた薬を使い続けます。
例えば、咳止めは以下の2種類から選択します;
・中枢性鎮咳薬(脳に「咳をするな」という指令を出す)
・末梢性鎮咳薬(気管支拡張薬≒喘息の薬)
一般には中枢性鎮咳薬が選択されます。
こじれた場合は経過により、抗菌薬を追加することがあります。
一方の漢方薬は、患者の体力・体質、風邪の経過の各時期に適応する薬が各々存在し、
10種類以上の薬を使い分けます。
ですから、漢方薬による風邪治療には知識とスキルが必要です。
患者さんの体力・体質を見極め、
風邪の経過(太陽病期・少陽病期・陽明病期・太陰病期・少陰病期・厥陰病期)を見極め、
適応する方剤を探し当てる複雑な作業をこなすのです。
医師でも漢方初学者には使いこなせないと思います。
実は私も、感冒初期には漢方薬を処方していません。
理由は患者さんへの説明が大変だからです。
以下のことを理解してもらう必要があります;
・発熱・悪寒・発汗の有無により薬を使い分ける。
・解熱剤は使わない。
・熱が下がったら別の薬に切り替える。
・熱が下がらなくても別の薬に切り替える。
・症状が残ったら別の薬に切り替える。
等々、適応する漢方薬が目まぐるしく変わるため、
これを実行するには治るまで何回も患者さんに通院してもらう必要があるからです。
■ 感冒の漢方治療の原則
・エキス剤は必ず熱湯に溶いて服用する。
・初期は服薬回数を増やす。
・発汗、下熱など症状が変化したら薬剤を変更する。
・感冒初期は体を冷やさないように注意する。
・罹患からの経過時間、症状に応じて薬剤を選択する。
・発汗作用が強い麻黄は副作用もあるため短期間の使用にとどめる。
■ 2剤併用による効果増強レシピ
桂枝湯2包+麻黄湯2包/日
・・・桂麻各半湯の方意。
桂枝湯2包+越婢加朮湯2包/日
・・・桂枝二越婢一湯の方意
桂枝湯2包+麻黄附子細辛湯2包/日
・・・桂姜棗草黄辛附湯の方意、麻黄附子細辛湯症で発汗が見られるときに併用
葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏
・・・柴葛解肌湯の方意
・・・新型コロナ感染症にも効果が期待でき、感染初期から数日経過した状態まで幅広く使用できる。
・・・大青竜湯:エキス剤にはないため、以下の組み合わせで処方する;
① 越婢加朮湯+麻黄湯
(キーワード)最も強力な感冒薬、体力あり、高熱、発汗なし、煩躁(身の置き所がない)
② 桂枝湯+麻杏甘石湯
(キーワード)体力あり、高熱、発汗していても下熱が不十分なとき、麻黄の量を減らしたいとき
参蘇飲3包+柴胡桂枝湯3包/日
・・・参蘇飲証で風邪が長引いたときに併用する
参蘇飲3包+麻黄附子細辛湯1〜3包/日
参蘇飲3包+麻黄附子細辛湯3カプセル/日
・・・参蘇飲証で悪寒が強い場合に併用する
■ 初期感冒の基本治療薬
麻黄湯《傷寒論》:麻黄3-5;桂皮2-4;杏仁4-5;甘草1-1.5
(キーワード)体力あり。高熱・悪寒、発汗なし、咳嗽、関節痛。
・・・杏仁は咳止め効果あり。
・・・「関節痛」と「発汗なし」が使用の目安。
・・・熱湯に溶いて、発汗するまで2〜3時間ごとに服用し、発汗・解熱したら終了。
・・・継続は最大でも3日程度、通常は1日 → 解熱しない場合は柴胡桂枝湯や桂麻各半湯へ変更する。
・・・麻黄含有量が多いため、心疾患・前立腺肥大症例には注意。
・・・子どもでは稀に服用後に鼻出血が見られる(すぐ止まるので心配ない)。
葛根湯《傷寒論》:葛根4-8;麻黄3-4;大棗3-4;桂皮2-3;芍薬2-3;甘草2;生姜1-1.5
(キーワード)体力ふつう、肩こり、微熱・悪寒、発汗なしが基本(少しの発汗は可)
・・・感冒初期(発症から2〜3日以内)で「悪寒」「発汗なし」「項背部のこわばり」が使用の目安。
・・・感冒初期に通常量(エキス剤を1日3回)服用しても効果を実感することは少ない → 初期は服用量を増やす(発汗するまで2時間ごとに温服)ことが推奨される。
・・・麻黄がつかえない体質の場合は、桂枝加葛根湯(東洋薬行)を用いる。
・・・感冒初期のエキス剤の使い分け;
高熱・関節痛 → 麻黄湯
咽頭痛 → 桂麻各半湯
発汗あり → 桂枝湯
桂麻各半湯《傷寒論》:桂皮3.5;芍薬2;生姜0.5-1(ヒネショウガを使用する場合2);甘草2;麻黄2;大棗2;杏仁2.5
(キーワード)体力ふつう、咽頭痛、熱感、発汗あり
・・・悪寒よりも熱感を自覚する場合に有効
・・・桂枝湯2包+麻黄湯2包/日でも対応可
桂枝湯《傷寒論》:桂皮3-4;芍薬3-4;大棗3-4;生姜1-1.5(ヒネショウガを使用する場合3-4);甘草2
(キーワード)体力なし、発汗あり、麻黄剤が使用できないとき
・・・『傷寒論』の一番最初に記載されている方剤で、感冒治療の基本薬
・・・熱湯に溶いて、発汗するまで2時間ごとに服用する。大量発汗ではなく、ジワジワとした発汗を促す。
麻黄附子細辛湯《傷寒論》:麻黄2-4;細辛2-3;加工ブシ0.3-1
(キーワード)咽頭痛(咽頭発赤は軽度)、悪寒が強い(発熱はあっても微熱程度)
・・・発熱は軽度だが、悪寒が強く寒さを訴える場合に有効、37℃台の発熱はあるが、38℃以上の高熱はない(発熱を認めないこともある)。
・・・麻黄を含有するが、高齢者でも比較的安全に使用できる。
・・・風邪の初期(風邪引いたかな?)で服用すると即効性があり、再度の処方を希望する患者が多い。
・・・熱湯に溶いて、1日目は4〜5回温服する。
小青竜湯《傷寒論》:麻黄2-3.5;芍薬2-3.5;乾姜2-3.5;甘草2-3.5;桂皮2-3.5;細辛2-3.5;五味子1-3;半夏3-8
(キーワード)水様鼻汁、湿性咳嗽、くしゃみ、鼻風邪
・・・水様鼻汁、白い水溶性の喀痰が多い咳(湿性咳嗽)、気管支喘息に使用する・・・水様鼻汁や湿性咳嗽は冷えによる症状と捉える。
・・・熱湯に溶いて温服すると効果的
・・・冷えが強い場合は附子を併用する。
小青竜湯3包+附子末1.5g/日
※ ほかにアコニンサン錠があり、3錠で修治附子0.5gに相当する。
■ 初期感冒の漢方、第二選択薬
柴葛解肌湯《浅田家方》:柴胡3-5;葛根2.5-4;麻黄2-3;桂皮2-3;黄芩2-3;芍薬2-3;半夏2-4;生姜1(ヒネショウガを使用する場合1-2);甘草1-2;石膏4-8
(キーワード)高熱・悪寒、関節痛、口渇・嘔気、食欲不振、インフルエンザ、コロナ感染症
・・・葛根湯+小柴胡湯+石膏ー大棗—人参、という構成。
・・・エキス剤では葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏で代用
・・・インフルエンザのように感染初期から高熱・悪寒・関節痛・頭痛・咳嗽などの強い症状が見られるときに使用する。
・・・100年前のスペイン風邪(1918-1919年)の流行時、木村博昭(浅田宗伯の弟子)はこの方剤を使用して死者を出さなかったとの逸話あり。
大青竜湯《傷寒論》:石膏10.0;麻黄6.0;杏仁5.0;桂枝・甘草・生姜・大棗各3.0
・・・(麻黄+桂皮)→ 発汗作用、(麻黄+石膏)→ 止汗作用、(麻黄+桂皮+石膏)→ 大量発汗作用!
・・・発熱のあるウイルス感染症に対して最も強力。
・・・麻黄湯を服用しても発汗しないときに使用する。
・・・身の置き所がなく、ジッとしていられない(煩躁)も使用の目安。
・・・高熱で関節痛が強いときは最初から使用可
・・・喉が渇いて水ばかり飲んでいるときにもよい。
香蘇散《和剤局方》:香附子3.5-4.5;蘇葉1-3;陳皮2-3;甘草1-1.5;生姜1-2
(キーワード)軽度の感冒、気分がスッキリしないとき、麻黄剤が使用できないとき。
・・・副作用がほとんどなく、高齢者・小児でも使いやすい。
・・・体力が低下した患者、高齢者で「風邪かな?」という程度の訴えに対して使用。
・・・なんとなくうつ傾向がある場合に有効
・・・ふだんから風邪様症状を訴える高齢者に処方しておき、風邪っぽくなったらすぐに服用するよう指示しておく。
・・・魚介類による食中毒やじんま疹にも効果がある。
参蘇飲1《和剤局方》:蘇葉1-3;枳実1-3;桔梗2-3;陳皮2-3;葛根2-6;前胡2-6;半夏3;茯苓3;人参1.5-2;
(キーワード)体力中等から体力なし、咳嗽・喀痰、普通感冒の第一選択としてもよい、麻黄剤が使用できないとき
・・・六君子湯(ー朮)を含んでおり、胃薬付きのかぜ薬と言える。
・・・蘇葉・葛根・生姜で解熱(麻黄剤より弱い)、半夏・前胡で鎮咳、桔梗・枳実で去痰作用を持ち、“総合感冒薬”として使用可能である。
・・・風邪がやや長引いて、咳・咽頭痛などの症状が残ったときによい。
桔梗湯《傷寒論》:桔梗1-4;甘草2-8
(キーワード)咽頭痛、扁桃炎
桔梗石膏《本朝経験方》:桔梗3.0;石膏10.0
(キーワード)咽頭痛、咽頭炎、扁桃炎
小柴胡湯加桔梗石膏《本朝経験方》:柴胡7;半夏5;生姜1-1.5(ヒネショウガを使用する場合4);黄芩3;大棗3;人参3;甘草2;桔梗3;石膏10
(キーワード)強い咽頭痛、扁桃炎
・・・咽頭痛が強い場合に有効(扁桃炎・咽頭炎)
・・・扁桃炎以外にも、頭部の炎症(中耳炎や耳下腺炎)などに使用可能。
桂枝二越婢一湯《傷寒論》:桂皮・芍薬・麻黄・甘草各2.5-3.5;大棗3-4;石膏3-8;生姜1;ヒネショウガ2.8-3.5
(キーワード)発汗があり咽頭痛と口渇を訴える場合に有効
川芎茶調散《和剤局方》:白芷2;羌活2;荊芥2;防風2;薄荷葉2;甘草1.5;細茶1.5;川芎3;香附子3-4
(キーワード)頭痛の強い感冒。葛根湯と併用するとよい。
<参考>
・すべての臨床医が知っておきたい漢方薬の使い方(安斎圭一著、羊土社)
単剤で効果が今ひとつだった場合の“次の一手”として利用可能で助かります。
この項目では、風邪の引き始めに使う漢方薬を再度整理してみます。
西洋医学では、症状に合わせた対症療法薬を使います。
しかし、風邪の経過(初期、急性期、回復期)に伴い薬を使い分けることはありません。
症状に合わせた薬を使い続けます。
例えば、咳止めは以下の2種類から選択します;
・中枢性鎮咳薬(脳に「咳をするな」という指令を出す)
・末梢性鎮咳薬(気管支拡張薬≒喘息の薬)
一般には中枢性鎮咳薬が選択されます。
こじれた場合は経過により、抗菌薬を追加することがあります。
一方の漢方薬は、患者の体力・体質、風邪の経過の各時期に適応する薬が各々存在し、
10種類以上の薬を使い分けます。
ですから、漢方薬による風邪治療には知識とスキルが必要です。
患者さんの体力・体質を見極め、
風邪の経過(太陽病期・少陽病期・陽明病期・太陰病期・少陰病期・厥陰病期)を見極め、
適応する方剤を探し当てる複雑な作業をこなすのです。
医師でも漢方初学者には使いこなせないと思います。
実は私も、感冒初期には漢方薬を処方していません。
理由は患者さんへの説明が大変だからです。
以下のことを理解してもらう必要があります;
・発熱・悪寒・発汗の有無により薬を使い分ける。
・解熱剤は使わない。
・熱が下がったら別の薬に切り替える。
・熱が下がらなくても別の薬に切り替える。
・症状が残ったら別の薬に切り替える。
等々、適応する漢方薬が目まぐるしく変わるため、
これを実行するには治るまで何回も患者さんに通院してもらう必要があるからです。
■ 感冒の漢方治療の原則
・エキス剤は必ず熱湯に溶いて服用する。
・初期は服薬回数を増やす。
・発汗、下熱など症状が変化したら薬剤を変更する。
・感冒初期は体を冷やさないように注意する。
・罹患からの経過時間、症状に応じて薬剤を選択する。
・発汗作用が強い麻黄は副作用もあるため短期間の使用にとどめる。
■ 2剤併用による効果増強レシピ
桂枝湯2包+麻黄湯2包/日
・・・桂麻各半湯の方意。
桂枝湯2包+越婢加朮湯2包/日
・・・桂枝二越婢一湯の方意
桂枝湯2包+麻黄附子細辛湯2包/日
・・・桂姜棗草黄辛附湯の方意、麻黄附子細辛湯症で発汗が見られるときに併用
葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏
・・・柴葛解肌湯の方意
・・・新型コロナ感染症にも効果が期待でき、感染初期から数日経過した状態まで幅広く使用できる。
・・・大青竜湯:エキス剤にはないため、以下の組み合わせで処方する;
① 越婢加朮湯+麻黄湯
(キーワード)最も強力な感冒薬、体力あり、高熱、発汗なし、煩躁(身の置き所がない)
② 桂枝湯+麻杏甘石湯
(キーワード)体力あり、高熱、発汗していても下熱が不十分なとき、麻黄の量を減らしたいとき
参蘇飲3包+柴胡桂枝湯3包/日
・・・参蘇飲証で風邪が長引いたときに併用する
参蘇飲3包+麻黄附子細辛湯1〜3包/日
参蘇飲3包+麻黄附子細辛湯3カプセル/日
・・・参蘇飲証で悪寒が強い場合に併用する
■ 初期感冒の基本治療薬
麻黄湯《傷寒論》:麻黄3-5;桂皮2-4;杏仁4-5;甘草1-1.5
(キーワード)体力あり。高熱・悪寒、発汗なし、咳嗽、関節痛。
・・・杏仁は咳止め効果あり。
・・・「関節痛」と「発汗なし」が使用の目安。
・・・熱湯に溶いて、発汗するまで2〜3時間ごとに服用し、発汗・解熱したら終了。
・・・継続は最大でも3日程度、通常は1日 → 解熱しない場合は柴胡桂枝湯や桂麻各半湯へ変更する。
・・・麻黄含有量が多いため、心疾患・前立腺肥大症例には注意。
・・・子どもでは稀に服用後に鼻出血が見られる(すぐ止まるので心配ない)。
葛根湯《傷寒論》:葛根4-8;麻黄3-4;大棗3-4;桂皮2-3;芍薬2-3;甘草2;生姜1-1.5
(キーワード)体力ふつう、肩こり、微熱・悪寒、発汗なしが基本(少しの発汗は可)
・・・感冒初期(発症から2〜3日以内)で「悪寒」「発汗なし」「項背部のこわばり」が使用の目安。
・・・感冒初期に通常量(エキス剤を1日3回)服用しても効果を実感することは少ない → 初期は服用量を増やす(発汗するまで2時間ごとに温服)ことが推奨される。
・・・麻黄がつかえない体質の場合は、桂枝加葛根湯(東洋薬行)を用いる。
・・・感冒初期のエキス剤の使い分け;
高熱・関節痛 → 麻黄湯
咽頭痛 → 桂麻各半湯
発汗あり → 桂枝湯
桂麻各半湯《傷寒論》:桂皮3.5;芍薬2;生姜0.5-1(ヒネショウガを使用する場合2);甘草2;麻黄2;大棗2;杏仁2.5
(キーワード)体力ふつう、咽頭痛、熱感、発汗あり
・・・悪寒よりも熱感を自覚する場合に有効
・・・桂枝湯2包+麻黄湯2包/日でも対応可
桂枝湯《傷寒論》:桂皮3-4;芍薬3-4;大棗3-4;生姜1-1.5(ヒネショウガを使用する場合3-4);甘草2
(キーワード)体力なし、発汗あり、麻黄剤が使用できないとき
・・・『傷寒論』の一番最初に記載されている方剤で、感冒治療の基本薬
・・・熱湯に溶いて、発汗するまで2時間ごとに服用する。大量発汗ではなく、ジワジワとした発汗を促す。
麻黄附子細辛湯《傷寒論》:麻黄2-4;細辛2-3;加工ブシ0.3-1
(キーワード)咽頭痛(咽頭発赤は軽度)、悪寒が強い(発熱はあっても微熱程度)
・・・発熱は軽度だが、悪寒が強く寒さを訴える場合に有効、37℃台の発熱はあるが、38℃以上の高熱はない(発熱を認めないこともある)。
・・・麻黄を含有するが、高齢者でも比較的安全に使用できる。
・・・風邪の初期(風邪引いたかな?)で服用すると即効性があり、再度の処方を希望する患者が多い。
・・・熱湯に溶いて、1日目は4〜5回温服する。
小青竜湯《傷寒論》:麻黄2-3.5;芍薬2-3.5;乾姜2-3.5;甘草2-3.5;桂皮2-3.5;細辛2-3.5;五味子1-3;半夏3-8
(キーワード)水様鼻汁、湿性咳嗽、くしゃみ、鼻風邪
・・・水様鼻汁、白い水溶性の喀痰が多い咳(湿性咳嗽)、気管支喘息に使用する・・・水様鼻汁や湿性咳嗽は冷えによる症状と捉える。
・・・熱湯に溶いて温服すると効果的
・・・冷えが強い場合は附子を併用する。
小青竜湯3包+附子末1.5g/日
※ ほかにアコニンサン錠があり、3錠で修治附子0.5gに相当する。
■ 初期感冒の漢方、第二選択薬
柴葛解肌湯《浅田家方》:柴胡3-5;葛根2.5-4;麻黄2-3;桂皮2-3;黄芩2-3;芍薬2-3;半夏2-4;生姜1(ヒネショウガを使用する場合1-2);甘草1-2;石膏4-8
(キーワード)高熱・悪寒、関節痛、口渇・嘔気、食欲不振、インフルエンザ、コロナ感染症
・・・葛根湯+小柴胡湯+石膏ー大棗—人参、という構成。
・・・エキス剤では葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏で代用
・・・インフルエンザのように感染初期から高熱・悪寒・関節痛・頭痛・咳嗽などの強い症状が見られるときに使用する。
・・・100年前のスペイン風邪(1918-1919年)の流行時、木村博昭(浅田宗伯の弟子)はこの方剤を使用して死者を出さなかったとの逸話あり。
大青竜湯《傷寒論》:石膏10.0;麻黄6.0;杏仁5.0;桂枝・甘草・生姜・大棗各3.0
・・・(麻黄+桂皮)→ 発汗作用、(麻黄+石膏)→ 止汗作用、(麻黄+桂皮+石膏)→ 大量発汗作用!
・・・発熱のあるウイルス感染症に対して最も強力。
・・・麻黄湯を服用しても発汗しないときに使用する。
・・・身の置き所がなく、ジッとしていられない(煩躁)も使用の目安。
・・・高熱で関節痛が強いときは最初から使用可
・・・喉が渇いて水ばかり飲んでいるときにもよい。
香蘇散《和剤局方》:香附子3.5-4.5;蘇葉1-3;陳皮2-3;甘草1-1.5;生姜1-2
(キーワード)軽度の感冒、気分がスッキリしないとき、麻黄剤が使用できないとき。
・・・副作用がほとんどなく、高齢者・小児でも使いやすい。
・・・体力が低下した患者、高齢者で「風邪かな?」という程度の訴えに対して使用。
・・・なんとなくうつ傾向がある場合に有効
・・・ふだんから風邪様症状を訴える高齢者に処方しておき、風邪っぽくなったらすぐに服用するよう指示しておく。
・・・魚介類による食中毒やじんま疹にも効果がある。
参蘇飲1《和剤局方》:蘇葉1-3;枳実1-3;桔梗2-3;陳皮2-3;葛根2-6;前胡2-6;半夏3;茯苓3;人参1.5-2;
(キーワード)体力中等から体力なし、咳嗽・喀痰、普通感冒の第一選択としてもよい、麻黄剤が使用できないとき
・・・六君子湯(ー朮)を含んでおり、胃薬付きのかぜ薬と言える。
・・・蘇葉・葛根・生姜で解熱(麻黄剤より弱い)、半夏・前胡で鎮咳、桔梗・枳実で去痰作用を持ち、“総合感冒薬”として使用可能である。
・・・風邪がやや長引いて、咳・咽頭痛などの症状が残ったときによい。
桔梗湯《傷寒論》:桔梗1-4;甘草2-8
(キーワード)咽頭痛、扁桃炎
桔梗石膏《本朝経験方》:桔梗3.0;石膏10.0
(キーワード)咽頭痛、咽頭炎、扁桃炎
小柴胡湯加桔梗石膏《本朝経験方》:柴胡7;半夏5;生姜1-1.5(ヒネショウガを使用する場合4);黄芩3;大棗3;人参3;甘草2;桔梗3;石膏10
(キーワード)強い咽頭痛、扁桃炎
・・・咽頭痛が強い場合に有効(扁桃炎・咽頭炎)
・・・扁桃炎以外にも、頭部の炎症(中耳炎や耳下腺炎)などに使用可能。
桂枝二越婢一湯《傷寒論》:桂皮・芍薬・麻黄・甘草各2.5-3.5;大棗3-4;石膏3-8;生姜1;ヒネショウガ2.8-3.5
(キーワード)発汗があり咽頭痛と口渇を訴える場合に有効
川芎茶調散《和剤局方》:白芷2;羌活2;荊芥2;防風2;薄荷葉2;甘草1.5;細茶1.5;川芎3;香附子3-4
(キーワード)頭痛の強い感冒。葛根湯と併用するとよい。
<参考>
・すべての臨床医が知っておきたい漢方薬の使い方(安斎圭一著、羊土社)
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