1.麻黄
・交感神経刺激作用があるため、以下の疾患のある方は要注意:
 甲上腺機能亢進症
 循環器疾患(不整脈や虚血性心疾患など)
 前立腺肥大症
 高齢者
・・・胃腸症状、動悸・頻脈、不眠、食欲不振、尿閉、血圧上昇などが出現する可能性あり。 
・妊婦は長期にわたって内服しない限りは問題ないと考えられる(諸説あり)が、妊娠初期 (妊娠28週未満)は避けた方がよい。
・麻黄にはエフェドリンという成分が入っており、これは国際オリンピック委員会が指定する禁止薬物リストに登録され、ドーピングの検査対象となっている。そのため、スポーツ選手には処方を避ける。
 
2.甘草
偽性アルドステロン症(高血圧、低カリウム血症、ミオパチー、浮腫などを呈する)の発症リスクがある。
甘草を1日4g以上使用しているときは、2週間以内でも偽性アルドステロン症の発症に注意する必要があり、1日2.5gでも発症の可能性はある。 

3.黄岑
肝機能障害(0.55〜1.0%)や間質性肺炎(0.004%)を発症するリスクがある。
・肝機能障害の報告があるエキス剤は約40種類、
・間質性肺炎の報告があるエキス剤は約30種類ある。
 
4.附子; 
・附子はトリカブトの根を弱毒処理したものである。
・妊婦、妊娠の可能性のある場合は投与を避ける。
・附子には体を温める作用があり、少量を加えると漢方の効果を増強する。 

妊婦に避けるべき生薬;
 附子、桃仁、牡丹皮、大黄、厚朴、半夏、紅花、芒硝、牛膝 

5.山梔子
・クチナシのゲニポシドが成分に含まれる。
山梔子を積算で5kg以上になるほど長期服用すると、
 腸間膜性硬化症をきたす可能性があり、
 数年単位で内服する場合は要注意。

6.その他;胃腸障害をきたしやすい生薬
・地黄、当帰、川芎、石膏、山梔子
・これらを胃腸虚弱の人に投与したいときは、
 小柴胡湯(健胃効果のある抗炎症薬) を併用するとよい。
 

<参考>
・「Phase で見極める!小児と成人の風邪の診かた&治しかた」 
(永田理希、日本医事新報社、2021年発行)