嘔気・嘔吐の項で扱っていましたが、
 分けて整理しておくことにしました。

参考にした本には、2剤併用による増強効果の例が掲載されており、
単剤で効果が今ひとつだった場合の“次の一手”として利用可能で助かります。

しゃっくりに効く薬があるなんて、知ってました?
実は、漢方にはあるのです。


■ 2剤併用による効果増強レシピ

呉茱萸湯1包+芍薬甘草湯1包、発作時頓用
・・・吃逆(しゃっくり)の特効薬

半夏瀉心湯1包+芍薬甘草湯1包、発作時頓用
・・・食べ過ぎや飲み過ぎで起きた吃逆(しゃっくり)に即効性あり(甘草瀉心湯の方意)


■ 吃逆(しゃっくり)に対する基本漢方薬

呉茱萸湯《傷寒論》:
▶ 呉茱萸3-4;大棗2-4;人参2-3;生姜1-2
(キーワード)吃逆、冷たいものの摂り過ぎ、悪心・嘔吐

半夏瀉心湯《傷寒論》:
▶ 半夏4-6;黄芩2.5-3;乾姜2-3;人参2.5-3;甘草2.5-3;大棗2.5-3;黄連1
(キーワード)吃逆、食べ過ぎ、飲み過ぎ

芍薬甘草湯《傷寒論》:
▶ 芍薬3-8;甘草3-8
(キーワード)吃逆(横隔膜のけいれんと考える)

柿蒂湯《厳氏済生方》:
▶ 丁子1-1.5;柿蒂5;ヒネショウガ4
(キーワード)OTCで吃逆に対応する薬


<各方剤の解説>

▢ 呉茱萸湯(31)
・胃の冷えを改善する(すべて温める生薬)。
・苦みが強い(えぐみ?)ので、処方時にあらかじめ「苦い薬ですよ」と十分に説明をしておくとよい。
・偏頭痛に伴う悪心・嘔吐に有効。
・かき氷やアイスクリームなど冷たいものを食べたり飲んだりした後など、胃が冷えて起きた吃逆に即効性がある。

▢ 半夏瀉心湯(14)
・黄連+黄岑で消炎作用、胃粘膜の充血びらんを改善する。
・ストレス性胃炎の悪心・嘔吐に有効。
・食べ過ぎや飲み過ぎで起きた吃逆に即効性あり
・肝臓の量が多いので、継続使用する際は偽アルドステロン症に注意

▢ 芍薬甘草湯(68)
・甘味が強い。
・効果は非常に即効的。
吃逆に対して呉茱萸湯や半夏瀉心湯と併用することができる。
・甘草の量が多いので偽アルドステロン症に注意が必要だが、頓用で1回3包服用しても問題は起こらない。

▢ 柿蔕湯
・柿蔕は柿のへたを乾燥させたもので、気逆(吃逆や咳など)を治す。
・呉茱萸湯や半夏瀉心湯、芍薬甘草湯が効かない吃逆に用いるとよい。
・OTCで小太郎漢方製薬が「ネオカキックス®細粒(柿蔕湯エキス顆粒)」として市販されている。



<参考>

すべての臨床医が知っておきたい漢方薬の使い方(安斎圭一著、羊土社)