漢方医学では「フクロウ型体質」と呼ばれる病態があります。
山本巌という先生が提唱した概念で、ほぼ起立性調節障害とイコールです。
そしてその病態には苓桂朮甘湯と補中益気湯という薬が適用されます。
つまり、漢方医学では起立性調節障害の治療法が以前から存在していたのです。
現在、久留米大学の惠紙英昭先生が「フクロウ外来」を開いて、
上記体質でつらい思いをしている患者さんを漢方薬で治療しています。
その講演メモを備忘録として残しておきます。
▶ フクロウ型体質の症状
・「朝寝の宵っ張り」で寝ていたい。日曜日は昼頃まで寝ている。
・朝は頭がボーっとしているが、夕方から夜にかけて最も元気。
・朝食は欲しくない。夕食が美味しいし、よく食べる。
・カラダがしんどい、疲れやすい、体力がない、頭が痛む、肩がこる、胃が痞える、重ぐるしい、吐き気がある、胃が痛む、めまいがする、手足が冷える、など多愁訴。
・体力がなく、粘りが効かず、力仕事に向かない。
・内科や小児科を受診しても異常がなく(起立性調節障害±)、治療に難渋。
・世の中に2~3割。
▶ フクロウ型体質の特徴・問題点
・不定愁訴だらけなので、怠け・気分障害などと診断されかねない。
・弱虫?のび太?
・副交感神経優位タイプ。
・漢方的には虚証が多い。
・朝起き苦手、体が重い(浮腫)、めまい、頭痛、立ちくらみ、倦怠感、冷え、神経質…漢方医学的には水滞。
▶ 苓桂朮甘湯(傷寒論・金匱要略)
● 構成生薬
茯苓・蒼朮・桂皮…利水
桂皮 …血行を良くする、軽度強心作用、抗不安作用
茯苓・桂皮・甘草…動悸(心悸亢進)を鎮める
● 効能効果(保険病名)
神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛
● 古典の記載(金匱要略)
・「心下に痰飲ありて胸脇支満し、目眩するは苓桂朮甘湯之を主る」
・(現代語訳)胃内停水があり、その量が多いと胸部につっかえ棒が入っているような感じがして目眩がし、その時には苓桂朮甘湯を用いる。
▶ 苓桂朮甘湯に併用する漢方薬
・五苓散
・補中益気湯、十全大補湯
・半夏厚朴湯
・当帰芍薬散
・桂枝茯苓丸
・葛根加朮附湯
・加味逍遥散
・抑肝散・抑肝散化陳皮半夏
・桂枝加芍薬湯・小建中湯
・柴胡清肝湯・荊芥連翹湯
・八味地黄丸・六味丸
・真武湯
・治打撲一方
・四物湯(連珠飲)
★ 治打撲一方
● 生薬構成
川骨・センキュウ・ぼくそく・大黄…駆お血作用(打撲の内出血による腫脹を除く)
センキュウ・桂皮・ちょうし…駆お血剤の働きを助ける(活血)
ぼくそく…抗炎症、鎮痛作用
大黄 …しゃげ作用によりお血の排出を助ける
● 保険適応
・打撲による腫れおよび痛み
・打撲・ねん挫などで患部が腫脹・疼痛する場合
▶ 苓桂朮甘湯に併用する西洋薬
・アリピプラゾール(エビリファイ)
・スルピリド(ドグマチール)
・アトモキセチン(ストラテラ)
・SSRI、SNRI
・睡眠導入剤
✓ レンボレキサント(デエビゴ)
✓ ラメルテオン(ロゼレム)
✓ メラトニン(メラトベル)
・ミドドリン
▶ 現代のフクロウ型体質(症候群)と要因・誘因
・起立性調節障害:人間関係・血管運動神経失調
・メニエール症候群:人間関係、食生活のアンバランス(コンビニ弁当、甘いもの等)
・不登校:人間関係
・睡眠障害(睡眠相後退症候群):人間関係
・自律神経失調症・不定愁訴:人間関係
・気分障害・適応障害:人間関係
・頚椎・脊椎異常:姿勢・ランドセル・机に向かう時間・ゲームの長さ等、外傷(打撲や骨折)、出産時、
…全体に関与するのが神経発達症、統合失調症圏、椎骨脳底動脈循環動態、脳リンパ流
▶ フクロウ型体質のまとめ
・詳細な病歴聴取が基本:生育歴・生活歴・既往歴
・起立性調節障害を含む広い概念
・子どもだけでなく幅広い年齢に存在(知らずに成長)
・心身両面の西洋医学的診断(複数の診療科的視点)
① 脊椎異常も考慮すべし
② 古い外傷(打撲や骨折)も含めた病歴聴取
③ 不定愁訴を理解し受け入れる
・東洋医学的診断治療
✓ 気血水・腹診・脈診・舌診・望診など
✓ 漢方治療の再現性が必要
・こころのケア
✓ ダメだしされて自信喪失
✓ 自分のすべてを受け入れてくれる安心感と安全な場
✓ 寄り添う、一緒に楽しむ
・生活習慣(食事・睡眠衛生教育など)
・ストレッチ、運動、鍼灸
・内服後の心身の変化、薬の味をどのように感じるかなどをすべて受け入れる(たくさんの情報、ヒント、関係性を築く)
山本巌という先生が提唱した概念で、ほぼ起立性調節障害とイコールです。
そしてその病態には苓桂朮甘湯と補中益気湯という薬が適用されます。
つまり、漢方医学では起立性調節障害の治療法が以前から存在していたのです。
現在、久留米大学の惠紙英昭先生が「フクロウ外来」を開いて、
上記体質でつらい思いをしている患者さんを漢方薬で治療しています。
その講演メモを備忘録として残しておきます。
▶ フクロウ型体質の症状
・「朝寝の宵っ張り」で寝ていたい。日曜日は昼頃まで寝ている。
・朝は頭がボーっとしているが、夕方から夜にかけて最も元気。
・朝食は欲しくない。夕食が美味しいし、よく食べる。
・カラダがしんどい、疲れやすい、体力がない、頭が痛む、肩がこる、胃が痞える、重ぐるしい、吐き気がある、胃が痛む、めまいがする、手足が冷える、など多愁訴。
・体力がなく、粘りが効かず、力仕事に向かない。
・内科や小児科を受診しても異常がなく(起立性調節障害±)、治療に難渋。
・世の中に2~3割。
▶ フクロウ型体質の特徴・問題点
・不定愁訴だらけなので、怠け・気分障害などと診断されかねない。
・弱虫?のび太?
・副交感神経優位タイプ。
・漢方的には虚証が多い。
・朝起き苦手、体が重い(浮腫)、めまい、頭痛、立ちくらみ、倦怠感、冷え、神経質…漢方医学的には水滞。
▶ 苓桂朮甘湯(傷寒論・金匱要略)
● 構成生薬
茯苓・蒼朮・桂皮…利水
桂皮 …血行を良くする、軽度強心作用、抗不安作用
茯苓・桂皮・甘草…動悸(心悸亢進)を鎮める
● 効能効果(保険病名)
神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛
● 古典の記載(金匱要略)
・「心下に痰飲ありて胸脇支満し、目眩するは苓桂朮甘湯之を主る」
・(現代語訳)胃内停水があり、その量が多いと胸部につっかえ棒が入っているような感じがして目眩がし、その時には苓桂朮甘湯を用いる。
▶ 苓桂朮甘湯に併用する漢方薬
・五苓散
・補中益気湯、十全大補湯
・半夏厚朴湯
・当帰芍薬散
・桂枝茯苓丸
・葛根加朮附湯
・加味逍遥散
・抑肝散・抑肝散化陳皮半夏
・桂枝加芍薬湯・小建中湯
・柴胡清肝湯・荊芥連翹湯
・八味地黄丸・六味丸
・真武湯
・治打撲一方
・四物湯(連珠飲)
★ 治打撲一方
● 生薬構成
川骨・センキュウ・ぼくそく・大黄…駆お血作用(打撲の内出血による腫脹を除く)
センキュウ・桂皮・ちょうし…駆お血剤の働きを助ける(活血)
ぼくそく…抗炎症、鎮痛作用
大黄 …しゃげ作用によりお血の排出を助ける
● 保険適応
・打撲による腫れおよび痛み
・打撲・ねん挫などで患部が腫脹・疼痛する場合
▶ 苓桂朮甘湯に併用する西洋薬
・アリピプラゾール(エビリファイ)
・スルピリド(ドグマチール)
・アトモキセチン(ストラテラ)
・SSRI、SNRI
・睡眠導入剤
✓ レンボレキサント(デエビゴ)
✓ ラメルテオン(ロゼレム)
✓ メラトニン(メラトベル)
・ミドドリン
▶ 現代のフクロウ型体質(症候群)と要因・誘因
・起立性調節障害:人間関係・血管運動神経失調
・メニエール症候群:人間関係、食生活のアンバランス(コンビニ弁当、甘いもの等)
・不登校:人間関係
・睡眠障害(睡眠相後退症候群):人間関係
・自律神経失調症・不定愁訴:人間関係
・気分障害・適応障害:人間関係
・頚椎・脊椎異常:姿勢・ランドセル・机に向かう時間・ゲームの長さ等、外傷(打撲や骨折)、出産時、
…全体に関与するのが神経発達症、統合失調症圏、椎骨脳底動脈循環動態、脳リンパ流
▶ フクロウ型体質のまとめ
・詳細な病歴聴取が基本:生育歴・生活歴・既往歴
・起立性調節障害を含む広い概念
・子どもだけでなく幅広い年齢に存在(知らずに成長)
・心身両面の西洋医学的診断(複数の診療科的視点)
① 脊椎異常も考慮すべし
② 古い外傷(打撲や骨折)も含めた病歴聴取
③ 不定愁訴を理解し受け入れる
・東洋医学的診断治療
✓ 気血水・腹診・脈診・舌診・望診など
✓ 漢方治療の再現性が必要
・こころのケア
✓ ダメだしされて自信喪失
✓ 自分のすべてを受け入れてくれる安心感と安全な場
✓ 寄り添う、一緒に楽しむ
・生活習慣(食事・睡眠衛生教育など)
・ストレッチ、運動、鍼灸
・内服後の心身の変化、薬の味をどのように感じるかなどをすべて受け入れる(たくさんの情報、ヒント、関係性を築く)
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