ともに乳児健診で多い相談事です。
1歳半健診や3歳児健診では毎回、耳にします。
残念ながら西洋医学では、
「環境を整えて様子を見ましょう」
という指導しかできません。
しかし漢方では対応可能です。
漢方薬にはカラダに効く生薬だけでなく、
ココロに効く生薬が必ずと言っていいほど入ってます。
そのお子さんの症状、性格、体調などを考慮し、
体に合う漢方薬が見つかると悩み軽減が期待できます。
<基礎編>
かんしゃく・夜泣きなどの “乳幼児のココロの問題” を、
不安・緊張・怒りというキーワードを用いて分類し、
以下のように漢方薬を使い分けます。
1.不安
性格:心配性、不安、怯え、怖がり、泣き虫
症状:夜なき、不安~パニック発作、こだわり、言葉の遅れ、
コミュニケーション障害、感覚過敏、自信のなさ
睡眠:不安で目が覚める、目覚めると母を探す、心配で眠れない
漢方:甘麦大棗湯(72)、酸棗仁湯(103)、加味帰脾湯(137)
2.緊張
性格:イライラ、ドキドキ、憂うつ、ヒステリック
症状:かんしゃく、不注意、落ち着きのなさ、緊張しやすい
睡眠:歯ぎしり、夜驚症、夢が多い
漢方:四逆散(35)、柴朴湯(96)、加味逍遥散(24)、香蘇散(70)
3.怒り・興奮
性格:怒りんぼ、落ち着きがない
症状:夜なき、強いかんしゃく、焦燥感、易刺激性、多動
睡眠:寝付きに時間がかかる(入眠困難)、激しく泣く、完全に覚醒して遊ぶ
漢方:黄連解毒湯(15)
<応用編>
上記の漢方薬で効果が今ひとつの時は、
子どもの様子をよく観察し、以下の漢方薬も考慮します。
1+2(不安+緊張) → 柴胡加竜骨牡蛎湯(12)
2+3(緊張>怒り) → 大柴胡湯(8)/大柴胡湯去大黄
3+2(怒り>緊張) → 抑肝散(54)/抑肝散加陳皮半夏(83)
「不安と緊張」「緊張と怒り」を明確に分離することは難しく、
現実には混在することが多いと感じます。
外来ではこれらの漢方薬を処方する機会が多いですね。
余談ですが、「不安」と「緊張」は分けられるのか?とAIに訊いてみました。
すると明確な答えが返ってきました。
・心理学において「不安」と「緊張」は異なる感情として考えられています。
・不安は、漠然とした心配や恐れを伴う感情であり、
特定の原因が明確でない場合もあります。
これは、未来に対する予期不安や、
何か悪いことが起こるのではないかという感覚から生じます。
・緊張は、特定の出来事や状況に対する反応として現れます。
例えば、試験やプレゼンテーションの際に感じる緊張は、
具体的な状況に対する身構えた状態を指します。
緊張は、身体的な緊張感や心の高まりを伴うことが多いです。
・このように、不安は一般的で漠然とした感情であり、
緊張は特定の状況に対する反応であるため、
心理学ではこれらを分けて考えます。
また、不安が続くことで緊張状態になることもあれば、
緊張から不安が生じることもあります。
したがって、両者は関連しつつも異なる感情として理解されるべきです。
・・・なるほど。
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