乳幼児健診では「偏食」の悩みも多い相談事です。
ひとくちに「偏食」と言っても、
程度により2つに分けられると思います。
1.好き嫌い:嫌いなモノは数種類以内で、成長・発育に問題なし
2.偏食:嫌いなモノがたくさんあり、成長・発育が心配
1の「好き嫌い」のレベルであれば、
日々の食事の工夫で乗り切れることが多いです。
2の「偏食」の場合は程度により、
専門的な介入が必要になることがあります。
解説サイトを用意したのでご参照ください。
偏食にダイレクトに効く薬はありませんが、
漢方はお腹を温めて腸内細菌の善玉菌を増やし、
元気を底上げして食欲増加&偏食軽減が期待できます。
● 基本薬は小建中湯(99)。
オリゴ糖入り(※)でほんのり甘くて飲みやすい薬です。
小建中湯で効果が得られない場合は、
他の症状も考慮して数種類を使い分けます。
● 偏食+便秘 → 桂枝加芍薬大黄湯(134)
● 偏食+冷え → 人参湯(32)
● 偏食+緊張 → 柴胡桂枝湯(10)
● 偏食+腹痛 → 安中散(5)
もしお子さんに睡眠の問題があれば、
そちらを先に解決することをお勧めします。
▶ 子どもの睡眠の悩みに漢方を
良質な睡眠 → 昼間の活動量増加 →
→ お腹が空いて食事量増加 → 偏食・便秘解消
というよい循環が作られます。
※ オリゴ糖入りの小建中湯;
小建中湯には「膠飴」という水飴成分がたくさん入っています。
これはほぼ麦芽糖であり、現代医学ではオリゴ糖に分類されています。
小建中湯が漢方医学のテキストである『傷寒論』 に記載されたのは、
なんと今から1800年前の昔です。
つまり、1800年前の中国の医師達は、
子どもにオリゴ糖を飲ませ続けると体調がよくなることをすでに発見していた、
ということになります。
逆に言うと、子どもの健康を底上げしてくれる漢方薬の薬効の一つは、
オリゴ糖であったと現代医学が解明したということ。
この事実を知ったとき、私は感動して体が震えました。
これからも漢方薬の薬効を現代医学が解明していくことでしょう。
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