ニキビの治療薬は近年、めざましい発展を遂げています。
昔は赤く炎症を起こしたニキビを治すことしかできなかったのですが、ニキビ肌(ニキビができやすい肌の状態)を改善するぬり薬が次々と登場してきたのです。

最初に登場したのがディフェリン®ゲル(一般名:アダパレン)。
次にベピオ®ゲル(一般名:過酸化ベンゾイル)。
そしてエピディオ(ディフェリン+ベピオ)、デュアック配合ゲル(ベピオ+抗菌薬)とかいろいろ。

ニキビに悩んでいる思春期世代の男子女子たちに対応できるようにと、以前集中して資料を読み込んだ時期がありました。そして分かったことは・・・新薬では副作用が問題になるということ。

ディフェリン®ゲルは塗布開始後1週間頃をピークにほとんどの患者さんで刺激感が出てきます。少し赤くなってヒリヒリするのです。これは、効いている証拠で、1週間を過ぎると徐々に治まってきます。なので、初回に処方する際、このことをあらかじめ説明しておきます。そうしないと、「肌に合わない、副作用だ」と使用をやめてしまうため。
少し赤い&ヒリヒリというレベルを超えて、真っ赤に腫れ上がったときは明らかな副作用ですので、中止します。

次に登場したベピオ®ゲル以降は、この「真っ赤に腫れ上がってしまう副作用」が散見されるようです(100人に1人)。もし、そのような副作用が出た場合、小児科医の私には対応しきれないと考え、今まで手を出さないできました。

最近、ベピオウォッシュゲルという製品が登場しました。
これは、ベピオ®ゲルを塗ってから5〜10分後に洗い流す、という特殊な使用法のぬり薬です。
つまり、製薬会社もベピオ®ゲルの副作用を認識していて、副作用軽減のための使い方を考案したわけですね。

皮膚科系セミナーを視聴すると、現在この薬がベストセラーになっているようです。
そして、塗った後5〜10分を待たずに「ヒリヒリを感じたら3分でも洗い流してもOK」と説明していました。

ベピオウォッシュゲルに私が感じるメリットは、
・副作用回避
・衣服の着色回避
・9歳から使用可能(今までのぬり薬は12歳以上)
・顔以外の部位にも使用可能

等々。当院でもすでに導入済みです。
解説記事が目に留まりましたので、ポイントを抜粋・引用させていただきます。


<ポイント解説>

過酸化ベンゾイル(商品名ベピオ)は、抗菌作用と角質剥離作用を併せ持ち、炎症性および非炎症性の皮疹を改善する薬剤。過酸化ベンゾイル製剤としては、
(2015年)ベピオゲル
(2023年)ベピオローション
がすでに発売されている。
・日本皮膚科学会による「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では尋常性ざ瘡(にきび)の第一選択薬として推奨されている1)
・使用中の皮膚刺激やそれによる全顔塗布への移行の難しさ、衣類や寝具への付着による脱色リスクなどが、治療継続を妨げる要因となっていた。こうした課題を解消するために開発されたのが、25年6月発売のベピオウォッシュゲル短時間接触療法によりにきびを治療する新たなタイプの過酸化ベンゾイル製剤であり、塗布後5〜10分作用させてから洗い流す(⇩)。過酸化ベンゾイル濃度をゲルおよびローションの2.5%より高い5%に設定することで、短時間の作用でも十分な効果が得られるよう工夫されている。

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・皮膚に薬剤が長時間残らないため、皮膚刺激や脱色への不安を軽減できる。
・炎症性皮疹だけでなく、毛包内に皮脂が貯留した状態である面皰(コメド)にも効果があるので、にきびのない部分も含め顔全体に塗布する。ぬるま湯や水のみで容易に薬剤を除去できる。
・乾燥が気になる場合には、ベピオウォッシュゲルを洗い流した後に保湿ケアを行い、併用薬があればその後に塗布する。顔だけでなく体幹部のにきびに対して使用することも可能
・ベピオウォッシュゲルは開始初期に乾燥や赤みといった皮膚刺激症状が現れやすいが、一般的には1カ月を過ぎると刺激を感じる頻度は減っていく。過酸化ベンゾイルの皮膚刺激性は日光曝露によって増悪する可能性があるため、帽子などで日差しを遮る、日焼け止めを塗る、日焼けランプや紫外線療法を避けるなどの対応が必要。
・痒みや湿疹を症状とする接触皮膚炎を100人に1人程度の頻度で生じることがあり、こうした症状が見られた場合は使用を中止する必要がある。使用開始時は狭い範囲に塗布して徐々に量を増やし、刺激がなければにきび部分だけでなく顔全体に塗布する、脱色を防ぐため髪や眉毛に付かないよう気を付ける

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★ ベピオウォッシュゲルのよる脱色対策(堀内祐紀先生の指導)
・ヌルつきゼロ:洗顔料をしっかり泡立て、ヌルつきが消えるまで洗浄
・境界もしっかりと:顎下、生え際の「すすぎ残し」を徹底チェック
・手洗いもしっかり:手を再度洗い、専用のタオルで水分を完全に拭き取る


参考>
洗い流す」にきび治療薬ベピオウォッシュゲル
島田 真帆=康生会武田病院(京都市)薬局(2025/12/8:日経DI)