花粉症で病院・医院を受診すると、アレルギー性結膜炎に対する点眼薬が処方されます。しかし、正しく使用できている方は(私を含めて)少ないようです。
アレルギー学会主催の眼科専門医のレクチャー内容を伝授します。

▶ 正しい目薬の使い方
① 1滴だけでOK
② まばたきしない
③ 2つ以上使う場合は5分以上間隔を開ける
④ 処方箋の回数を守る

<解説>
① 1滴だけ
・点眼1滴は40μL、結膜嚢容量(目全体に行き渡る量)は30μL
② まばたきしない
・まばたきをすると鼻涙管への排出が増えてなくなってしまう
③ 2つ以上使う場合は5分以上間隔を開ける
④ 処方箋の回数を守る(プロアクティブ点眼)
・1日2回(あるいは4回)使用して最大効果を発揮するように作られている。
・「かゆくなったら点眼」では十分な効果が得られない。


▶ チェックすべき点眼薬の性質
(点眼回数)
・1日1回・・・軟膏製剤のみ
・1日2回
・1日4回・・・標準
(刺激感)
・涙液の pH は7.4(中性)
・涙液よりも酸性・アルカリ性に傾くと刺激感あり
(防腐剤)
・BAK-free(Benzalkonium chloride):コンタクト・レンズ使用者、BAKアレルギー患者に
・防腐剤 free:角膜上皮障害患者、防腐剤アレルギー患者

※ 防腐剤無添加の点眼液「PF(Preservative Free)デラミ容器®」
PFマークが目印
<参考>
PF点眼薬の正しい使い方(ロート製薬)

▶ 刺激感が少ない点眼液例
・塩酸レボガドスチン(リボスチン®点眼液):中性
・塩酸オロパタジン(パタノール®点眼液):中性
・エピナスチン塩酸塩(アレジオン®点眼液、アレジオンLX®点眼液):中性

▶ BAK free の点眼液
・エピナスチン塩酸塩:アレジオン®点眼液(中性)、アレジオンLX®点眼液(中性)
・クロモグリク酸ナトリウム:クロモグリク酸Na®・PF点眼液(酸性)
・トラニラスト:トラメラス®PF点眼液(中性)
・ケトチフェンフマル酸:ケトチフェン®PF点眼液(酸性)
・アシタザノラスト水和物:ゼペリン®点眼液(酸性)

▶ アレジオン®眼瞼クリームの登場(2025年)
・上下眼瞼に1日1回塗布
・子ども、多剤点眼使用者、アドヒアランスが低い患者などへ有用な選択肢
・眼瞼炎への使用は推奨されない

・・・成人女性にも評判が良いようです。1日1回でよいので、夜メイクを落としたあとに塗ると1日効果が持続するのがポイントらしい。

▶ ステロイド点眼の種類
(弱)フルオロメトロン0.02%点眼液
(中)フルオロメトロン0.1%点眼液
(強)ベタメタゾン0.1%点眼液、デキサメタゾン0.1%点眼液

▶ ステロイド点眼の副作用
・眼圧上昇に注意:ピークに至るまでの期間は;
✓ デキサメタゾン0.1%では平均8日
✓ フルオロメトロン0.1%では平均14日
 → 安全に使うには1週間以内にとどめるべし
・眼圧が上昇して緑内障を発症しても、末期にならないと自覚しない、一度欠けた視野は治らない。

▶ 非薬物療法も大切
・洗眼液や人工涙液を用いた洗眼 → 抗原の除去
(例)ウェルウォッシュ®(Santen)
・防護カバー付きのメガネの装用 → 抗原曝露の回避
・冷却圧迫の併用 → 搔痒感の改善

▶ 花粉症期間中もコンタクト・レンズを使う場合の注意点
・半数以上が花粉症時期もコンタクトを使い続けているというデータあり。
・コンタクト・レンズに花粉が付着すると、巨大乳頭結膜炎の合併リスクがある。
・花粉時期は使用をできる限り中止すべし。あるいは1dayソフト・コンタクトレンズに変更する。
・点眼薬はBAKフリーのものを使用する。

花粉性眼瞼炎
・I&IV型アレルギー
✓ 花粉症時期に目の周りの皮膚が荒れる症状。
✓ 境界明瞭な紅斑(赤い斑点)と浮腫(むくみ)
✓ 女性に多い(クレンジング使用など皮膚バリア機能低下)
✓ 花粉パッチテスト陽性
・接触眼瞼皮膚炎も合併しやすい
✓ 抗アレルギー点眼薬(例:ケトチフェン)
✓ 防腐剤(BAK)
✓ アミノグリコシド系抗菌薬
✓ 植物

「正しい点眼法」を検索していたら製薬会社HPに「親が子どもに点眼するときのポイント」という記述を見つけましたので、引用・抜粋させていただきます。

▶ 親が子どもに目薬を点すとき

① ひざ枕で仰向けに寝かせる

まず手を清潔にします。ひざ枕をして、足の間に子どもの頭をのせて、仰向けに寝かせます。この時、子どもが泣いていると目薬を点しても流れ出てしまうので、子どもが落ち着いて点せる状態で行ってください。

② 下まぶたに目薬を点す

子どもの下まぶたをそっと引っぱって「あかんべえ」の状態にし、下まぶたの上に目薬を点します。その後目を閉じると、目薬が目の中に入っていきます。
ここで注意したいのは、目薬を直接目に着けないようにすることです。感染症予防のため、また、目薬の中に目やにやゴミなどの異物が入ることを防ぐためです。
どうしても目を閉じてしまう子どもは、目の周りを清潔にしてから、目頭あたりに目に触れないように注意して点してください。点したあとにまばたきをすることで、目薬が目の中に入っていきます。

③ 目のまわりにこぼれた目薬を拭きとる

目薬を差した後は、目からあふれた分は清潔なガーゼ、ハンカチ、ティッシュなどで拭きとります。拭き取らずに皮膚についたままにしていると、かぶれてしまう可能性もあるので、忘れずに拭いてあげましょう。


<参考>
・木村芽以子先生講演記録(第12回総合アレルギー講習会2026)
目薬の点し方~自分にも、子どもにも、年を重ねても~(ロート製薬)