予防接種の副反応で一番多いのは「接種部位の腫れ」、次が「発熱」です。

ほとんどの不活化ワクチンの添付文書(説明書)には以下の記載があります:
 

発熱、不機嫌等を認めることがあるが、いずれも一過性で 2~ 3日中に消失する

ワクチン接種後に熱が出ても、一過性であれば心配ありません。

ただし、必ず接種医に報告・相談してください。生後半年に満たない乳児の場合や、同じワクチンの接種がまだ残っている場合は必須です。

その発熱がワクチンの副反応なのか、たまたま合併した風邪などの感染症なのか判断する必要があります。一緒に風邪症状(咳・鼻水、嘔吐・下痢など)が認められる場合は、副反応より風邪の可能性が大です。

※ 生ワクチンの副反応は自然感染した症状が軽く出るパターンであり、自然感染同様、潜伏期がありますので接種1週間以降に出ることが多く、当日/翌日に発熱することはまれです。


ワクチン後の発熱について、外国の考え方は日本と少し違うようです。

例えばアメリカでは日本の数十年前から同時接種中心のスケジュールが組まれていて、実際に30%以上のお子さんが発熱するため、あらかじめ解熱剤を渡されることもあると聞いています。ワクチン後に発熱しても「免疫反応が生じて効いている証拠」くらいの感覚なのですね。
 

<参考>
ワクチンの副反応としての発熱の頻度を各ワクチンの添付文書(使用説明書)から抜き出してみました。
①②・・・という番号は「1回目」「2回目」・・・を意味します。

ワクチン名

製薬会社

頻度(○数字は「○回目」という意味)

四種混合

テトラビック®

①9.3%、②20.2%、③11.3%、④16.0%

クアトロバック®

46.7%

スクエアキッズ®

26.2%

B型肝炎

ヘプタバックスII®

0.1~5%

ビームゲン

0.1~5%

ヒブ

アクトヒブ®

①1.6%、②2.5%、③4.1%、④1.7% ・・・合計2.5%

肺炎球菌

プレベナー13®

(37.5℃以上)①31.1%、②30.8%、③31.9%、④40.0%

日本脳炎

ジェービック®

18.7%

エンセバック®

21.5%

インフルエンザ

北里第一三共

(1~3歳)12.5%、(3~12歳)13.9%

阪大微研(田辺三菱)

(年齢に関係なく)0.1~5%未満

化血研(アステラス)

(6ヶ月~3歳)5%以上、(3~12歳)0.1~5%未満


四種混合のクアトロバック®は46.7%と高率ですが、これは①〜④の合計だそうです(スクエアキッズ®も同様)。

注目すべきは肺炎球菌ワクチン(プレベナー13®)です。
毎回30〜40%と高率ですね。
確かに、このワクチンが定期接種となってから、発熱する赤ちゃんが珍しくなくなりました。
当日夜か翌日発熱しますが、翌日には下がります。不思議なことに毎回熱が出る赤ちゃんはほとんどいません。でも①と③で発熱した、という例も珍しくなく、なんだか不思議です。

2021年に登場した新型コロナワクチンでも接種後の発熱が話題になりましたが、同様に考えてください。