いわゆるカゼのほとんどが一過性のウイルス感染症でそれなりに流行しますが、溶連菌は細菌が原因です。
なので、少し変わった特徴があります。

原因】A群β溶血性連鎖球菌(略して溶連菌)
潜伏期間】 2~4日(感染してから症状が出るまでの期間)
感染経路】 飛沫感染(咳・鼻水・つばが飛び、ヒトの喉に付いてうつります)
症状
 ~典型的な経過は以下の通り~
 発症日:悪寒を持って発熱し、のどが痛くなり、頭痛・吐き気・腹痛など。
 2日目:皮膚に細かく赤い皮疹がでてかゆくなる。
 3日目イチゴ舌(舌が赤くなり表面のブツブツが目立つ)
 1週間後:指先の皮がむけてくる。
喉の病気なのにお腹の症状がでます。


治療】 抗菌薬(=抗生物質)内服

標準的治療は以下の通りです。
当院ではセフェム系抗菌薬5日間を採用しています;

・ペニシリン系では10日間
(例)ワイドシリン、パセトシン、ユナシンなど

・セフェム系では5日間
(例)メイアクト、トミロン、セフゾンなど


飲み始めると翌日から症状が改善に向かいますが、途中で止めてしまうとぶり返したり、合併症の危険が増えますので最後まで飲んでください

なお、治療して一旦元気になった後に発疹が出た場合は抗生物質の副作用(薬疹)の可能性があります。薬を中止し当院を受診してください。


合併症】 
治ってから1~4週間後に下記症状が出たら受診してください。

血尿(赤いオシッコ)、乏尿、むくみ、頭痛 → 急性腎炎の疑いあり

・発熱、関節痛、発疹、顔色が悪い、手が勝手に動く → リウマチ熱の疑いあり


登校・登園基準 
抗生物質を5日間内服するという条件つきで、下記の条件を満たせば登校・登園が可能です(治癒証明書は発行しておりません)。

・熱がない場合 → 治療開始後24時間以降

・熱がある場合 → 解熱後24時間以降


溶連菌感染は1回で終わらず、繰り返すことがあります

みずぼうそう、おたふくかぜなどのウイルス感染症は一生に1回しか罹りません(終生免疫と云います)。しかし、溶連菌などの細菌感染症はからだの一部のみの感染なので、不十分な免疫しかできず、また罹ってしまうことがあります。

また、溶連菌とはっきり診断しないで「風邪だから抗生物質を熱が下がるまで飲めばOK」という治療で済ませると再発及び合併症のリスクを上げますので、しっかり診断&抗生物質5〜10日間の治療が必要なのです。
怪しい症状(喉の痛み、イチゴ舌)が気になったら再度ご相談ください。

感染を繰り返す場合は兄弟姉妹が保菌者(のどに菌はいるけど症状のない状態)のことがあるので一緒に検査をし、陽性なら同時に治療をします。

しかし、「流行している時にひとクラス全員の喉を調べると約3割の子どもに溶連菌が陽性だった」という報告もあります・・・困ってしまいますね。


<番外編>

★ 昔は怖い病気だった溶連菌 

現在の高齢者の「心臓弁膜症」患者さんのほとんどは溶連菌性咽頭炎(当時は猩紅熱と呼ばれました)の合併症である「リウマチ熱」の後遺症です。
内服の抗生物質が普及する前は「溶連菌 → リウマチ熱→ 心臓弁膜症」という怖い病気でした。

内服の抗生物質が普及後、リウマチ熱は過去の病気になりつつあります(私の小児科医生活で一人も診療したことがありません)。