舌下免疫療法の副反応は大きく二つ(局所的・全身的)に分けられます。
副反応は開始後1ヶ月以内に多く、それ以降は稀になります(ゼロではありません)。
1.局所的副反応
口の中とその周囲の症状です(⇩参照)。
舌下免疫療法を始めると口の中の違和感は珍しくありません。逆に、まず起きるものと考えていただいた方がよいでしょう。
この局所的副反応は継続していくうちに消失していくことがほとんどです。
局所的副反応でも増悪傾向がある場合は医師に相談してください。時には、抗ヒスタミン薬内服で対応したり、喉の症状の時は吐き出し法へ変更することもあります。
2.全身的副反応
口の中とその周囲にとどまらず、全身に広がる症状です(⇩参照)。
全身的副反応が出る場合は減量・中止を検討する必要があります。
おなかの症状(腹痛・吐き気)の場合は「吐き出し法」に切り替えることもあります。
いずれにしても、速やかに医師に相談してください。
(以下は笹本明義先生の講演メモより)
「局所的」副反応 → 継続OK
1 口の中がピリピリしたり、かゆい
2 舌がしびれた感じがする
3 顔がかゆくなる
4 口の中や舌が少し腫れる
5 のどや耳がかゆくなる
6 口内炎ができる
「全身的」副反応 → 減量・中止が必要
1 体がかゆくなる
2 のどがつかえる感じがする
3 体がだるくなる
4 おなかが痛くなる
5 吐き気がする
6 苦しくなる
★ 「舌下免疫療法の指針」(日本鼻科学会、2013)の記載
・舌下免疫療法によるアナフィラキシーの発生についてはこれまで11例の報告があり、約1億回の投与に1回の頻度であり、死亡例の報告はない。アナフィラキシーが起こる原因として、全身反応の既往、免疫不全症の合併、治療のコンプライアンス不良、治療中断後の再投与、喘息重症例もしくはコントロール不良の喘息、などが関与している可能性がある。
・舌下免疫療法に関連する血圧低下などを伴う全身反応や死亡例の報告はない。
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