・漢方薬の併用により効果・満足度をアップ
・オンライン診療に対応
していることです。
※ おとなの花粉症も条件付で診療しています。
▶ 子どもの花粉症
▶ おとなの花粉症
▶ 舌下免疫療法
▶ 舌下免疫療法の副反応
(漢方薬がお勧めの患者さん)
✓ 抗アレルギー薬では効果が今ひとつ
✓ 目の症状が強くて目薬を使っても今ひとつ
✓ 喉のチリチリ感がよくならない
✓ 花粉症期間中、体がだるくて熱っぽい
✓ 抗アレルギー薬を飲むと眠くなる
✓ 他院で強い薬(ステロイド薬)を処方され心配
(以下の図表はツムラのHPより引用)
もはや国民病と化した花粉症。
スギ花粉症の罹患率は年々増加し、
日本人の5割に迫る勢いです。
★ ご両親も診療も扱っています( → 大人の花粉症)
当院は小児科ですが、
お父さん・お母さん世代の花粉症にも対応しています。
ただし、持病があり他に主治医がいる場合は除きます。
■ どんな病気?
植物の花粉が顔の粘膜に付着してアレルギー反応を起こし、
・眼症状(かゆみ、充血、目やに)
・鼻症状(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)
を起こす病気です。
つまり「花粉によるアレルギー性結膜炎&アレルギー性鼻炎の同時発症」
ということになります。
ほかにも皮膚や耳のかゆみ、咽頭違和感、咳なども出現することがあります。
■ 花粉の種類
代表的なものを列挙します;
(春)スギ、ヒノキ、ハンノキ
(夏)カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ
(秋)ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ
■ 診断
特定の花粉が飛散している時期に一致して、
上記眼症状&鼻症状が続くと疑い、
血液検査で確認して確定診断します。
ただ、初期症状は「くしゃみ、鼻水」なので、
一般の風邪(新型コロナを含めて)と区別するのが難しいです。
<風邪と花粉症の鑑別ポイント>
・目のかゆみの有無:花粉症では目が痒くなり充血しますが、
風邪では夏風邪のプール熱を除いて目の症状は目立たちません。
・感染性結膜炎とアレルギー性結膜炎の鑑別は、
前者では黄色い目やにが目立ち、
後者ではかゆみがメインで目やには多くならないことが多いです。
・鼻汁の性状:風邪の鼻水は経過中ににごって白くなり長引くと青っぱなになりますが、
花粉症の鼻汁はずっと透明のままです。
私は花粉症を心配して受診した患者さんに、
「2週間経ってもくしゃみと水様鼻汁が続くようならまた診せてください。
2週間以内に治ってしまったら風邪と考えてよいと思います。」
と説明しています。
★ 花粉症が関連する病気:
「口腔アレルギー症候群」(OAS、Oral Allergy Syndrome)
「花粉-食物アレルギー症候群」(PFAS、Pollen-Food Allergy Syndrome)
・大人になって果物を食べると口の中がかゆくなるようになった、
という発症の仕方の果物アレルギー。
・実は花粉症が原因で、
花粉アレルゲンと果物アレルゲンの構造が似ているため、
人間の免疫システムが誤認識&誤爆する病態です。
・おもに口の中の症状(腫れ、かゆみ)にとどまるため、
口腔アレルギー症候群と呼ばれています。
・反応する果物は特定の花粉と対応関係にあります;
(ハンノキ、シラカバ)リンゴ、モモ、大豆(豆乳)など
(スギ)トマト
(カモガヤ)メロン、スイカ、キウイなど
(ヨモギ)セロリ、ニンジンなど
(ブタクサ)メロン、スイカなど
■ 検査
花粉症の診断は、問診でくわしく症状を確認することが基本です。
希望により血液検査で原因となる花粉を確認できます。
当院では以下の二つの検査を用意しています;
①「花粉アレルゲン13」(13種類)・・・肘の静脈から採血が必要
春・夏・秋の花粉を網羅し、それにダニ、ハウスダスト、イヌ、ネコを加えた、
私がセレクトした当院オリジナルです。
結果が出るまでに1週間弱かかります。
②「アレルゲン8」(8種類)・・・指尖採血でOK
採血を嫌がる子どもにはこちらを勧めています。
指先がチクッとするだけで済みます。
結果は翌日にわかります。
■ 治療
抗アレルギー薬の内服を基本とし、効果不十分な場合は点眼・点鼻を併用して治療します。
▶ 抗アレルギー薬(内服)
当院では、お子さんの年齢と希望する薬のかたちで処方薬を決めています。
シロップ → レボセチリジン(ザイザル®)
粉ぐすり → オロパタジン(アレロック®)、セチリジン(ジルテック®)
錠剤 → オロパタジン(アレロック®)、レボセチリジン(ザイザル®)
※ 受験生で眠気が気になる方には、飛行機のパイロットにも許可されている
フェキソフェナジン(アレグラ®)、
ロラタジン(クラリチン®)
がお勧めです。 高校生以上ではビラスチン(ビラノア®)がオススメ。
★ 小児用抗アレルギー薬一覧(ユアクリニック秋葉原HPより)
▶ 点眼薬:内服だけでは目のかゆみが治まらない方へ
オロパタジン(パタノール®)
エピナスチン(アレジオン®)・・・コンタクトレンズの上から使えるタイプ(アレジオン®LX点眼液)もあります。
エピナスチン(アレジオン®眼瞼クリーム)・・・「塗る点眼薬」(上下のまぶたに塗ると目薬と同じ効果が得られます)、目薬をイヤがるお子さんに。
▶ 点鼻薬:内服薬だけでは鼻閉がつらい方へ
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(リノコート®) ・・・細かい粉なので刺激や液だれがなくて幼児に使いやすい製剤
フルチカゾンフランカルボン酸エステル(アラミスト®)・・・液体製剤。体に吸収される際に失活し、全身の副作用が少ない製剤です。
▶ 漢方薬
上記治療を行っても効果不十分の患者さんには漢方薬の併用を勧めています。体質や症状により5種類以上の漢方薬を使い分けています。漢方薬は眠くならず、目の症状にも効く方剤があります。
当院では「抗アレルギー薬と漢方薬の併用」がスタンダードです。
(漢方薬がお勧めの患者さん)
✓ 他院で処方された抗アレルギー薬では効果が今ひとつ
✓ 目の症状が強くて目薬を使っても今ひとつ
✓ 喉のチリチリ感がよくならない
✓ 花粉症期間中、体がだるくて熱っぽい
✓ 抗アレルギー薬を飲むと眠くなる
✓ 他院で強い薬(ステロイド薬)を処方され心配
(以下の図表はツムラのHPより引用)
■ 舌下免疫療法
・スギ花粉症のみ、体質改善の治療法が用意されています(詳しく知りたい方はこちらをご覧ください)。
舌下免疫療法の副反応は大きく二つ(局所的・全身的)に分けられます。
副反応は開始後1ヶ月以内に多く、それ以降は稀になります(ゼロではありません)。
1.局所的副反応
口の中とその周囲の症状です(⇩参照)。
舌下免疫療法を始めると口の中の違和感は珍しくありません。逆に、まず起きるものと考えていただいた方がよいでしょう。
この局所的副反応は継続していくうちに消失していくことがほとんどです。
局所的副反応でも増悪傾向がある場合は医師に相談してください。時には、抗ヒスタミン薬内服で対応したり、喉の症状の時は吐き出し法へ変更することもあります。
2.全身的副反応
口の中とその周囲にとどまらず、全身に広がる症状です(⇩参照)。
全身的副反応が出る場合は減量・中止を検討する必要があります。
おなかの症状(腹痛・吐き気)の場合は「吐き出し法」に切り替えることもあります。
いずれにしても、速やかに医師に相談してください。
(以下は笹本明義先生の講演メモより)
「局所的」副反応 → 継続OK
1 口の中がピリピリしたり、かゆい
2 舌がしびれた感じがする
3 顔がかゆくなる
4 口の中や舌が少し腫れる
5 のどや耳がかゆくなる
6 口内炎ができる
「全身的」副反応 → 減量・中止が必要
1 体がかゆくなる
2 のどがつかえる感じがする
3 体がだるくなる
4 おなかが痛くなる
5 吐き気がする
6 苦しくなる
★ 「舌下免疫療法の指針」(日本鼻科学会、2013)の記載
・舌下免疫療法によるアナフィラキシーの発生についてはこれまで11例の報告があり、約1億回の投与に1回の頻度であり、死亡例の報告はない。アナフィラキシーが起こる原因として、全身反応の既往、免疫不全症の合併、治療のコンプライアンス不良、治療中断後の再投与、喘息重症例もしくはコントロール不良の喘息、などが関与している可能性がある。
・舌下免疫療法に関連する血圧低下などを伴う全身反応や死亡例の報告はない。
スギ花粉症は、日本人の3〜4割が患者である国民病です。
また、一年中鼻が出たりつまったりの患者さんは、アレルギー検査を行うとダニが陽性に出ることが多く、「ダニによる通年性アレルギー性鼻炎」と診断されます。
従来その治療法は「抗アレルギー薬による対症療法」しかありませんでしたが、近年自宅で可能な「舌下免疫療法」が登場し、高い有効率が確認されていますので、ここに紹介させていただきます。
当院では、
・スギ花粉症に対する「シダキュア®」
・ダニアレルギーに対する「ミティキュア®」
を採用しています。
◆ 舌下免疫療法とは
アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを患者さんの体に吸収させて体質改善を期待する治療を「アレルゲン免疫療法」(=「減感作」あるいは「脱感作療法」)と呼びます。
近年、従来の皮下注射法の欠点を改善した「舌下免疫療法」という方法が開発されて、スギ花粉とダニのアレルギーに対して使用できるようになりました。これはアレルゲン・エキスを舌の下にしばらく保持し、その後に飲み込むという簡単な方法です。
初回は病院で行いますが、それ以降は自宅で可能になり、月に1回の通院で済みます。痛くありませんし、強い副反応が出るリスクも従来の皮下注射より低く安全です。ただし最低2年間は続ける必要がありますので、これを読んでご検討ください。
◆ 対象疾患と製剤と対象年齢
「スギ花粉症」(注意:スギ以外の花粉症には効きません)
□ シダキュア® (錠剤)年齢制限なし(*)
「ダニによるアレルギー性鼻炎」
□ ミティキュア® (錠剤)年齢制限なし(*)
* 目安は「5歳以上で“舌下投与”を理解し安全に行うことができる人」
◆ 有効率:8割に有効(見方を変えると2割には無効)
著効:約2割 ・・・ 薬がいらなくなる
有効:約6割 ・・・ 薬を減らせる、軽くなる
無効:約2割 ・・・ 数年間がんばったのに、変わりなし
※ 即効性はなく、効果が出始めるまでに数ヶ月を要します。効果判定は年単位です。
※ 他にもいろいろなアレルゲンに反応しやすい人は効果を実感しづらい傾向があります。
※ 治療終了後、一定期間を過ぎると効果が弱くなることがあります。
<舌下免疫療法の実際>
■ 使用禁忌者 ・・・希望されても以下に当てはまる人はこの治療を受けられません。
① β-阻害薬(高血圧・不整脈の薬)を使用している方
② 妊娠されている方(および、近いうちに妊娠希望のかた)
③ 重症の気管支喘息の方(1秒率が70%未満)
④ 重篤な全身疾患の方(悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症、重症心疾患など)
⑤ 全身ステロイド薬の連用や抗癌剤・免疫抑制剤を使用している方
■ 方法の概要と注意点
・薬を舌下に置き、数分間保持し、その後飲み込む(すぐに飲み込んではいけません)。
・舌下への投与後、5分間はうがいや飲食を避ける。
・舌下への投与前、投与後2時間は激しい運動や入浴などは避ける。投与後2時間以降も運動・入浴する際は副反応の出現に注意する。
※ 中高生で朝練のあるスポーツ系の部活動に参加している人はご注意ください。投与前は2時間という縛りがないので、タイミングとして運動や入浴後に落ち着いたら舌下することをお勧めします。
・増量期と維持期がある。
■ 治療期間
・症状の有無にかかわらず毎日服用し、2年間継続(効果があれば3~5年を推奨)
※ スギ花粉での開始は、花粉飛散期間とその前後(12月~5月)を避ける。
■ 副反応
アレルゲンを体に吸収させるのでアレルギー反応(副反応)が出る可能性があります。
① 局所的副反応(多い)→ 継続可能
「口の中がピリピリしたり、かゆくなる」 |
② 全身的副反応(まれ)→ 減量・中止
「体がかゆくなる」 |
①の局所反応は珍しくありません。開始してから1ヶ月以内に多く、重症化のリスクは少なく、継続していると1週間ほどで消えていく例がほとんどです。
②の全身反応はまれですが、より強いアナフィラキシー(※)につながる可能性があるので、減量・中止を検討する必要があります。
いずれにしても、気になる症状が出たら主治医に相談してください。
※ 当院ではアナフィラキシー対策として、救急指定病院(太田記念病院、足利赤十字病院など)と病診連携することにより対応しています。