1.LGBTQ+の基礎知識
2.LGBTQ+と健康問題
3.LGBTQ+と医療問題
4.LGBTQ+と医療問題:カミングアウトへの対応
5.LGBTQ+と医療問題:医療者側から当事者への質問集
6.LGBTQ+と医療問題:医療者同士のQ&A集
基礎知識の一部を提示します。
▶ LGBTQ+の頻度
・日本国内の調査では3〜10%
▶ LGBTQ+とは
L(レズビアン):女性同性愛者(性自認・性的指向がともに女性)
G(ゲイ):男性同性愛者(性自認・性的指向がともに男性)
B(バイセクシャル):両性愛者(男女いずれも恋愛・性愛の対象となる)
T(トランスジェンダー):出生時に割り当てられた性別と性自認が異なる
※ シスジェンダー:出生時に割り当てられた性別と性自認が一致している
Q(クィア):性的マイノリティを広く指す言葉として主に当事者に用いられる
Q(クエスチョニング):セクシュアリティを決めたくない、探索中の人
▶ LGBTQ+の意義
・その性のあり方を生きる人が声を上げるために、社会に届けるために、自分たちを表すために、連帯するために使い始めた言葉。
・たくさんの性のあり方を表す言葉がある。
(例)パンセクシュアル、A型陽性。セクシュアル、アロマンティック、エックスエンダー、ノンバイナリー、ジェンダーフルイド、etc・・・
・「自分がありのままで自分」と言えるために使う言葉
▶ LGBTQ+の内容
・LGBは「性的志向」(Sexual Orientation, SO)に関する話
・Tは「性自認」(Gender Identity, GI)に関する話
・QはSOとGIどちらも含む性の多様性全体を表す。Qに+をつけて、LGBTの他にもある多様な性のあり方を示す。
・セクシュアルマイノリティ(性的マイノリティ、性的少数者)の総称としてLGBTQ+という用語が使われることもある。
▶ SOGIという言葉
・SO(性的指向)、GI(性自認)はLGBTQ+かどうかに限らず、すべての人に関わること。
Sexual Orientation:性的指向・・・恋愛や性愛の対象となる性
Gender Identity:性自認・・・自分の性をどう認識しているか
▶ セクシュアリティを理解する〜性のあり方を分解して考える
1.性自認:GI(Gender Identity)こころの性
・自分の性をどう思うか
・自分にとってしっくりくる性
2.生物学的性:からだの性
・出生時に指定された性:Sex Assigned at birth
・身体的・生物学的な性:Biological Sex → トランスジェンダーでは薬物療法(ホルモン療法)や外科的療法で変化がある場合あり
3.性的指向:SO(Sexual Orientation)好きになる性
・恋愛や性愛の対象となる相手の性
4.性表現:Gender Expression → 見えるのはここだけ
・身なりや言動や素振りなど外見に表現する性
▶ 性のグラデーション
上述の性自認(こころの性)、生物学的性(からだの性)、性的指向(好きになる性)、性表現はすべて、男女の二元論だけでは語れないグラデーションである。
▶ 医療とLGBTQ+の歴史
・多様な性のあり方を「精神病理」の枠組みで捉えて「治療」しようとしていた過去がある。
→ 性自認・性的指向そのものを変えることは、いかなる場合においても治療対象ではない。強引に進めると、うつ、不安障害、自殺など深刻な被害をもたらす。
・病理化(疾患・傷害として定義)した過去と脱病理化(多様な性のあり方として捉える現在)の歴史。
・医療がLGBTQ+の人々に対するスティグマ・偏見を作り出した歴史があり、現在も影響が残っている。
▶ 医療とLGBTQ+の歴史:同性愛(性的指向、Sexual Orientation, SO)
・DSM-IIまでは「同性愛」は精神疾患リスト内に
・1987年:DSM-III-Rで完全に削除 → 脱精神病理化
WHO「同性愛はいかなる意味でも治療の対象とならない」
▶ 医療とLGBTQ+の歴史:トランスジェンダー(性自認、Gender Identity, GI)
(DSM)
1980年:DSM-III Gender identity disorder(性同一性障害)
2013年:DSM-V Gender dysphoria(性別違和) → 脱障害化
(ICD)
〜ICD-10までは精神及び行動の障害
2018年:ICD-11 Gender incongruence(性別不合)
Conditions related to sexual health に → 脱精神病理化
▶ DSD(Disorders of Sex Development、性分化疾患)
・「からだの性」のグラデーション
・DSDs:Differences of Sex Development, からだの性の様々な発達、と呼ばれることもある。
・性分化の過程で、染色体 → 性腺 → 外性器の性が発達するプロセスのどこかが非典型的である状態、と定義される。
・いくつかの疾患を総合した用語
(例)Turner症候群、AIS(アンドロゲン不応症)、CAH(副腎過形成)など数十の疾患群
・DSDを持つ人々にとって「中性」「男性でも女性でもない」と表現されることは重大な心的被害をもたらすことがある。
・DSDの人々の中にも性自認や性的指向の多様性がある場合もあるが、そうでない場合、LGBTQ+の文脈で語られたくないと感じる人もいる。




