「タマ」がない! → 【停留睾丸】
タマ(睾丸)がふくろ(陰嚢)に降りていない状態です。片方のことが多いです。まず、病院へ行く前に、いつも無いのか、時々無いのか確認して下さい。お父さんに聞くとわかりますが、寒いときとか緊張しているときはふくろはキュッと縮んでタマも上がりますので。おむつを替えるときに触らなくても、お風呂に入っているときに触れれば、それは「移動性睾丸」ですので心配いりません。
でも、いつも触れないとき、あるいはたまにしか触れないときは生後6ヶ月くらいを目安に小児科あるいは泌尿器科へ相談して下さい。一般的に1歳までに降りてこないときは手術を検討するようです(医療機関により多少異なります)。
タマ(睾丸)は将来子どもの元になる精子を作る大切な臓器であり、別名「精巣」とも呼ばれます。
精巣なぜ陰嚢の中でぶら下がっているか?
それは高温を避けるためです。タマがお腹の中にあると温度として約2℃高い環境にさらされることになり、これが長期間続くと精巣の変化が進み、将来男性不妊症の原因になると考えられています。また、思春期以降の腫瘍発生の頻度が高くなります。
タマは涼しいところでブラブラしているのが好きなのです。
ふくろ(陰嚢)が妙に大きく膨らんでいる → 【陰のう水腫】
袋の中に水がたまった状態です。90%以上は1歳前に自然に消失しますので治療の必要はありません。1歳を過ぎても消えない場合や、1歳以降で膨らんできた場合は手術の対象になることがあるようです。
昔は、パンパンに膨れた場合に針を刺して水を抜いた時代があったそうですが、今はやりません。
おちんちんの横が時々腫れている → 【鼡径ヘルニア】
おちんちんの横の体内の膜構造に穴が開いていて、腹圧がかかるとそこから腸が出てきて腫れているように見えます。本人は気にしていないときもありますが、痛がって泣きやまないこともあります。赤ちゃんが急に機嫌が悪くなって泣きやまず病院を受診した場合、小児科医は必ずこれをチェックします。
頻度は1~4%。小さく産まれた赤ちゃんでは出やすい傾向があります。
鼡径ヘルニアは「嵌頓」の危険があります。これは、膜に開いている穴が何かの拍子にキュッと締まって狭くなり、出ていた腸が元に戻れなくなった状態です。血流が悪くなりますので、放っておくと腸の組織が死んでしまいます(これを壊死と言います)。膨らんでいるところが紫色に変色してくるのが特徴です。
つまり、
子どもが泣き止まない+おちんちんの横が腫れていて紫色 → 緊急事態!
このため、鼡径ヘルニアは「見つけたときが手術のタイミング」ですが、手術の危険性など諸条件を考慮し、嵌頓を起こさない限り、生後3ヶ月以降に手術を行う施設が多いようです。
同じ「ヘルニア」の名前が付く「臍ヘルニア」(でべそ)はこの嵌頓の危険性がゼロに近いので、何もしないのが基本です。
なお、鼡径ヘルニアは女の赤ちゃんにも起こります。出てくる内容は腸の他に「卵巣」のこともあり(卵巣ヘルニア)、元に戻そうとむやみにいじり回すのは卵巣を傷つける可能性がありますのでやってはいけません。早めに小児外科医の診察を受ける必要があります。