<基本>
1.溶かす:
50ml程度の液体(水・お湯・ジュースなど)にエキス剤顆粒を入れて5分間静置後、かき混ぜると溶けます。1日分を100mlで溶かして冷蔵庫保存してもOKです。
2.混ぜる:
ヨーグルトやアイスにはエキス剤顆粒をそのまま混ぜ込んで食べさせます。ツブツブ感を嫌がるなら、あらかじめスプーンの裏側を使ってつぶしておきましょう。
<年齢別飲ませ方>
■ 乳児
① 口内なすりつけ
② 味をごまかす(ヨーグルト、マルツエキス他)
【口内なすりつけ】
乳児期前半(離乳食開始頃まで)はエキス剤の粉を少量の水で練ったものをお母さんの指先に付けてほっぺの内側になすりつけ、直後に母乳・ミルク・水分などを飲ませましょう。処方箋は「1日2回食前」と書かれていますが、哺乳前に毎回少量ずつでもOKです。
【ヨーグルト】
乳児期後半(7ヶ月~)からはヨーグルトも使用できます。少しずつ混ぜながら食べさせると、エキス剤をコーティングしてくれるのでザラザラ・つぶつぶ感がわかりにくくなります。数あるヨーグルトの中でも、ほどよい固さと量のベビーダノン/プチダノンがお勧めです。
【マルツエキス®】(処方薬なのでご希望の方は声をかけてください)
昔から赤ちゃんの便秘薬として伝わる麦芽糖(マルツエキス®)も利用できます。そのもの(水あめ状)に混ぜ込んで食べさせてもよし、湯冷ましで薄めたものに溶かして飲ませるのもよし。
■ 幼児・学童
① 粉をそのまま
② 味をごまかす
③ 錠剤(※)
※ 錠剤があるのは一部のみ(例:小青竜湯、葛根湯加川芎辛夷、五苓散、柴胡桂枝湯など)で、対象は「小学生以上」
【粉をそのまま】 下記のどちらでもOKです。
・エキス剤を舌の上にのせて、液体(水/お茶/ジュース)を流し込んで飲み込む。
・先に液体(水/お茶/ジュース)を口に含んで、後からエキス剤を入れて飲み込む。
【味をごまかす】
子どもの好きな食べ物や飲み物と混ぜて(あるいは溶かして)味をわからなくする方法です。
ただ、何でもよいわけではなく、飲み合わせによっては、かえって苦味が強く出ることも。
次のページの「飲み合わせ表」(混ぜる食品と漢方エキス剤の相性)をご参照ください;
★ エキス剤と食品の飲み合わせ
漢方薬はみんな同じ味ではありません。苦くて飲みにくいものもあれば、子どもでも抵抗なく飲めてしまうものもあります。当院スタッフが実際に漢方エキス剤をいろんな食品と合わせ飲みして味を評価した結果を表にしました。ひとつの目安として参考にしてください。
小青竜湯 | 葛根湯加川芎辛夷 | 辛夷清肺湯 | 小柴胡湯加桔梗石膏 | 五虎湯 | 麦門冬湯 | 五苓散 | 半夏瀉心湯 | 小建中湯 | 黄耆建中湯 | 桂枝加黄耆湯 | 温清飲 | 甘麦大棗湯 | 抑肝散 | 柴胡加竜骨牡蛎湯 | ||
オレンジJ | △ | × | △ | ○ | △ | ◎ | × | × | × | × | △ | × | ◎ | × | △ | |
リンゴJ | ◎ | × | △ | ◎ | △ | ◎ | △ | × | ◎ | ◎ | △ | × | ◎ | × | △ | |
牛乳 | △ | △ | × | × | △ | ◎ | ◎ | × | ◎ | ○ | ○ | × | ◎ | ◎ | △ | |
コーヒー牛乳 | × | ○ | △ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◎ | ◎ | × | ◎ | ◎ | △ | |
カルピス | × | ◎ | ○ | × | ◎ | ◎ | × | × | ○ | △ | △ | × | ○ | △ | × | |
マミー | × | × | × | ◎ | ◎ | |||||||||||
ココア/ミロ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | |
野菜ジュース・黄 | △ | △ | △ | ○ | △ | ◎ | △ | × | △ | ○ | ○ | × | ○ | △ | ◎ | |
チョコアイス | × | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | × | ◎ | ○ | △ | |
バニラアイス | △ | ◎ | △ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | × | ◎ | ○ | × | |
クッキー&クリーム | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | × | ◎ | ○ | × |
※ コーヒー牛乳欄の灰色部分はミルメーク・コーヒー
<ポイント>
・困ったときの「ココア&ミロ」。1歳半くらいから使用できます。この二つは万能で、苦い味も酸っぱい味もわかりにくくしてくれます(苦い抗生物質にも応用可能)。
・混ぜているところを絶対に見られてはいけません。お母さんも味見してくださいね(うちの子は飲めません、と言い張る親御さんは、ご自身が飲めないことが多いですね)。
・冷やした方が味覚が麻痺してごまかしやすい傾向あり。
・主食(育児用ミルク、ご飯)に混ぜると嫌いになり困ることがあるので避けましょう。
・同じ種類の食品でも濃い味の方がごまかしやすいことは共通しています。
・アイスには上に乗せるのではなくサンドするかよく混ぜるのがこつ。味の濃いハーゲンダッツがお勧めです。
・市販の「お薬ゼリー」は一通り当院スタッフで試したのですが、薄味のものが多く、漢方の味をごまかしにくいため省略しました。
・苦い後味を経験すると次回拒否されますので、最後に水分を飲ませて後味を消しましょう。