タグ:神経発達症

宮内倫也先生による神経発達症と漢方の公園を視聴しました。
西洋医学的知識と漢方医学的解説の両方が出てきて役に立ちました。
漢方薬を考える際は、やはりここでも「五臓論」が登場します。

ASDの発症因子の解説を興味深く聴きました。
リスクが2倍以上になる因子は、
① 出生時の要因:早産、新生児仮死、妊娠感覚が1年未満
② 両親の年齢:母>40歳、父>50歳
・・・私が常々感じてきたことと一致しました。

メンタル不調を訴える思春期の患者さんを診療していると、とにかく「不安」が強いことが印象的です。ASDの子どもたちも、コミュニケーションが苦手で社会参加が十分にできないことから、さらに不安が増すことが考えられます。

一方、ADHDの併存症はASDと少し異なります。生活上のストレスにより自己評価が低下し、それをきっかけに悪循環、それが・・・
(内在化)うつ病、双極症、不安症
(中間)複雑型PTSD、ボーダーラインパーソナリティ症
(外在化)物質使用症、反抗挑戦症、素行症、反社会性パーソナリティ症
と、一部は精神疾患につながるとのこと。

また、神経発達症を五臓論で解釈すると、ADHDとASDは異なる捉え方をしていました。

・ADHD

腎:腎精不足

肝:肝陽上亢・肝風内動

心:心火偏亢・心神不安

・ASD

脾:脾胃虚弱・痰迷心竅

肺:肺虚熱・肺失粛降
ASD/ADHD併存

気血両虚による心血/肝血不足(虚熱)

肺失粛降による肝火/心火



▶ 脳内のシナプスの刈り込みと疾患

・小児期はシナプス形成が盛んで、思春期以降に刈り込みが行われ、成人期に安定する。

(ASD:自閉スペクトラム症)シナプス形成が過剰、刈り込みが不十分

(SZ:統合失調症)シナプス形成はふつう、刈り込みが早期で過剰

(AD:アルツハイマー病)シナプス形成はふつう、老年期に刈り込みが過剰


▶ ASD(自閉症スペクトラム)の因子(Odds/relatibe risk ratio)

・新生児仮死(低酸素血症) → 1~8

・妊娠糖尿病 → 1.5

・妊娠中のバルプロ酸 → 1.5

・妊娠間隔が1年未満 → 2

・高齢出産(>40歳) → 1~2

・父が高齢(>50歳) → 1~3

・兄弟がASD → 8~10

・早産 → 1~4

・母の肥満 → 1~1.5

・葉酸摂取 → <1


▶ ASDの特性(Nat Rev Dis Primers. 2020 Jan 16;6(1):5)

神経生物学的な特性(脳機能・神経発達の違い)

・知的障害、非定型的な対人交流(対人コミュニケーションの特性)

   ⇩

・学業達成の制限、限定的・制限された社会経験

  ⇩

・社会的・経済的機会の減少


ASDの併存症(Nat Rev Dis Primers. 2020 Jan 16;6(1):5)

【幼児期】~6歳頃

不安症(50%)

ADHD(40%)

・限局性恐怖症(40%)

・反抗挑戦症/素行症(20%)

【小児期~思春期】~12歳頃

不安症(30%)

ADHD(30%)

・反抗挑戦症/素行症(15%)

【成人期】

不安症・社交不安症(30%)

・うつ病(20%)

・強迫症・強迫性障害(20%)


▶ ADHDと睡眠の問題

ADHDが主体:ADHD症状が睡眠問題をもたらす/増悪させる

相互作用:相互因果関係/共通の病因

睡眠の問題が主体:睡眠の問題がADHDをもたらす/ADHDをミミックする


ADHDの併存症

一押しとなる要因

・自己評価低下

・心的外傷

・低IQ

・人格形成への影響

以上により、

 → 内在化すると・・・うつ病、双極症、不安症

 内在化と外在化の中間・・・複雑型PTSD、ボーダーラインパーソナリティ症

 → 外在化すると・・・物質使用症、反抗挑戦症、素行症、反社会性パーソナリティ症


▶ ASDに併存するADHDはADHDなのか?

ASD:コミュニケーションの症状

ASD/ADHD合併症:認知の不安定性の症状、FPNの乱れ

ADHD:認知の不安定性の症状、DANの乱れ

※ FPN:frontoparietal network,  DAN:default mode network


▶ 神経発達症では正気(気血津液)+「精」が重要

先天の精

・両親から受け継いだ生命の基礎物質(気血津液の源)

・成長、発育、生殖のベースとなる。

・絶えず後天の精の補充を受け、腎で腎精として蓄えられる。

後天の精

・後天的に飲食(水穀)を脾胃が消化吸収して得られる栄養物質

・全身の臓腑組織へ運ばれ、それぞれの生理機能の働きを果たす上で基本物質となる。

・絶えず腎に集まり、先天の精の働きを補う。

腎精と気血津液のイメージ

・腎精:ダムにたまった水

・気:その水が流れ落ちて発生する電気

・血:水が運び出す養分

・津液:水が周囲を湿らせるうるおい


▶ 知的発達症を含む神経発達症

・先天の精の不足(腎精不足)と考えられている。

五遅五軟

 五遅:立遅、行遅、髪遅、歯遅、語遅

 五軟:頭軟、項軟、手軟、足軟、口軟


▶ “虚熱”を理解する

腎精不足により“水不足”となることで、大地は干上がって温暖化が進んでしまう。

・一時的な熱は「実熱」、二次的な熱は「虚熱」

・虚熱は冷ますだけでは解決しない。

① 水不足 → 水を補う

② 温暖化 → 熱を冷ます


▶ 熱により生まれる痰

津液により煮詰まってドロドロになる。

・さらに熱により脾や肺の水分代謝バランスが崩れ、が持続的に生まれる。

・脾胃は生痰の源、肺は貯痰の器

・この痰が様々な症状につながり、張景岳が「怪病気病は痰に属す」と述べるほど。


▶ 生津と化痰のバランス

・虚熱では水不足を想定するため生津作用を意識する。

・痰がたまることに対しては化痰作用(水を散らす)を意識する。

(例)麦門冬湯・・・半夏と麦門冬

(例)柴胡桂枝乾姜湯・・・乾姜と栝楼根


▶ 神経発達症は腎が基盤となる

1.腎

・生命の貯蔵庫

・発達の土台

・脳の成長

2.肝

・情緒の交通整理

・感情やそれに基づく行動の制御

3.心

・精神の司令塔

・精神、意識、睡眠、言葉

4.脾

・エネルギー工場

・思考の整理、脳への栄養補給

5.肺

・バリア

・感覚フィルター、呼吸


▶ ADHDと五臓

1.腎 ・・・腎精不足

2.肝 ・・・肝陽上亢・肝風内動

3.心 ・・・心火偏亢・心神不安


▶ ASDと五臓

4.脾 ・・・脾胃虚弱・痰迷心竅

5.肺 ・・・肺虚熱・肺失粛降


▶ ASD/ADHD併存と五臓

・気血両虚による心血/肝血不足(虚熱)

・肺失粛降による肝火/心火

▶ 神経発達症の症状と五臓

2.肝 → 多動性・衝動性

2&3 → 焦燥・てんかん発作

3.心 → 不安・不眠・不注意

4.脾 → こだわり・疲労

5.肺 → 感覚過敏


▶ 神経発達症に対する漢方薬


心・肝の問題が大きい場合

大柴胡湯(8)+抑肝散(54)・・・飯田処方

柴胡加竜骨牡蛎湯(12)+抑肝散(54)・・・飯田処方変法


突発的な症状が大きい場合

大柴胡湯(8)+甘麦大棗湯(72)・・・甘麦大棗湯は養心安神作用や補気健脾作用(肺虚熱も静まる)で様々なASD症状への配慮あり、ただし甘草が多いので注意。

柴胡加竜骨牡蛎湯(12)+甘麦大棗湯(72)・・・大柴胡湯と柴胡加竜骨牡蛎湯は甘草を含まない点で合方しやすい。


フラッシュバックの場合:心血の著しい虚のことが多いと理解されている

四物湯(71)+桂枝加芍薬湯(60)・・・神田橋処方

十全大補湯(48)+小建中湯(99)・・・神田橋処方変法

フラッシュバック怒りを伴う場合

温清飲(57)+桂枝加芍薬湯(60)・・・神田橋処方に清熱を噛ませる。

脳波異常がある場合

柴胡桂枝湯(10)+桂枝加芍薬湯(60)・・・相見処方。「脾胃は生痰の源、肺は貯痰の器」。てんかんは痰迷心竅や風痰が原因、桂枝湯成分でしっかりと痰を捌いている。

感覚過敏からの易刺激性がある場合

人参養栄湯(108)・・・遠志による開竅作用や五味子によるの生津作用もあり、五臓をカバーしたマルチプレイヤー。気血両虚が目立つ場合はASDの一時的な病態に伴う諸症状に対して気長に使いたい方剤(人参養栄湯+大柴胡湯など)。

竹筎温胆湯(91)・・・竹筎によるの清熱化痰作用が特徴であり、人参や茯苓による補気健脾作用も期待できる。長期の使用で清熱化痰が気になるときは、帰脾湯や人参養栄湯との合方で使用する。

天候に左右される場合

茵蔯五苓散(117)・・・清熱利湿作用を持つので、天候に左右されやすい諸症状や口渇やイライラなどを併せ持つときに有効(化痰作用は弱い)。長期の使用で清熱利湿が気になるときは、帰脾湯(65)や人参養栄湯(108)との合方で使用する(人参養栄湯との合方は神田橋処方2号

血虚・虚熱が目立つ場合

六味丸(87)・・・腎陰虚に特化している。気虚がなく血虚が目立つ場合はASDの一時的な病態に伴う諸症状に対して気長に使いたい方剤(六味丸合柴胡加竜骨牡蛎湯など)


▶ 状況に合わせてアレンジする

イライラが強い
・まず肝の問題を収めてから脾や肺や腎の長期カバーに入るか
・両方への配慮をした処方を最初から行うか。

疲労や感覚過敏が大きい
・まず脾や肺を立て直す。



<漢方関連記事の目次>

▢ 総論
子どもに漢方?
漢方薬の上手な飲ませ方
漢方の飲ませ方のコツ
マルツエキスで漢方を飲ませる方法
漢方の副作用

▢ かぜ
風邪の経過と漢方
 ・風邪のひき始め(2剤併用)
 ・風邪を引いて数日(2剤併用)
 ・風邪がよくならない
発熱
咽頭痛

咳(2剤併用)
鼻汁・鼻閉
鼻汁・鼻閉-1
鼻汁・鼻閉-2
副鼻腔炎(ちくのう症)

▢ お腹の症状
悪心・嘔吐(2剤併用)
食欲不振・倦怠感(2剤併用)
下痢(2剤併用)
便秘(2剤併用)
しゃっくり(2剤併用)

▢ いろいろな不調
夜なき
かんしゃく・夜なき
睡眠の悩み(夜なき・眠らない・眠れない)
不眠症
不眠症(2剤併用)
偏食
チック
熱中症
多汗症・寝汗
冷え性(2剤併用)

▢ 頭痛
頭痛
頭痛(2剤併用)
頭痛(天気痛)
天気痛・気象病

▢ 神経発達症(ASD/ADHD)関連
神経発達症の困りごと
自閉症スペクトラム-1
自閉症スペクトラム-2
神経発達症と五臓論
・神経発達症に使用される西洋薬・漢方薬(作成中)
・HSP(繊細さん)(作成中)

▢ 皮膚の病気
水いぼ
じんましん
じんましん(2剤併用)
ニキビ(総論)
ニキビ
ニキビ(2剤併用)
ニキビ
帯状疱疹(2剤併用)

▢ 思春期の心のトラブル&メンタルの不調
メンタルの不調
気分(ドキドキ、イライラ、ウツウツ)
不安
不安障害・パニック(2剤併用)
動悸(2剤併用)
ストレスによる体調不良
心のトラブル
心のトラブル(方剤解説)
のどの違和感(2剤併用)

▢ 起立性調節障害(OD)・自律神経失調症関連
起立性調節障害(病気の解説)
起立性調節障害(気ぐすり)
起立性調節障害-1
起立性調節障害
起立性調節障害-2(フクロウ型体質)
起立性調節障害-3(水毒)
自律神経失調症
OD漢方:基本処方
OD漢方:病態

▢ 月経関連
月経痛・生理痛
月経不順
月経関連のトラブル(月経痛/生理痛・生理不順)
月経関連トラブル(2剤併用)
PMS(月経前症候群)
PMS(月経前症候群)
・更年期障害(作成中)
更年期障害(2剤併用)

▢ 病態・理論
舌診
寺澤の気血水スコア
こどもの漢方医学的特徴は“二余三不足
「不安」を中医学で捉えると
「過緊張」を中医学で捉えると
「イライラ」を中医学で捉えると
・「パニック」を中医学で捉えると
メンタルの不調を「気」と「血」から捉えると
漢方医学における虚実概念の混乱
月経関連漢方を気血水理論から分析してみると

 私が子どもの頃(50年前)は家庭用ゲームは存在せず、繁華街にあるゲームセンターでしかできませんでした。魅力的で楽しそうだけど学校から「行ってはいけない」という禁断の場所。そしてそこに通う子どもは「不良」と呼ばれる、ごく一部の生徒でした。その他大勢の子どもたちには、そこで使うお金の持ち合わせがありませんでした。
 ファミコンが普及し始めたのはそれから約10年後、私が大学生の時でした。想像通り、一気にゲーム人口が増えました。それも爆発的に。
 そして現在、ゲームは小型化してポータブル機器も登場し「持っていて当たり前」の子どもの遊び道具になりました。
 ゲーム会社は競って楽しいソフトを開発・提供し続け、子どもたちはそれに夢中になります。中にはやめられなくて日常生活に支障をきたす「依存」状態におちいる子どもも出てきました。あんなに楽しく魅力的なものが手元にあれば、なかなか自分で律するのが難しいのは自明のこと。一定のルールの必要性を唱える声も生まれました。

 動画を提供してくれるスマホも同様、依存対象です。
 うまくつき合えば、この上ない便利な機器ですが、ヒトはこの魅力的な機器を使いこなせるのでしょうか・・・どうやらそうでもなさそうです。診察中もスマホ動画から目が離せない子どもを時々見かけるようになりました。親が取りあげるとかんしゃくを起こして修羅場になります。
 世界を見渡すと、SNS関連機器の使用制限を子どもにかける国が増えてきています。私には人類がデジタル機器(制作会社)に白旗を揚げたようにも見えます。つまり、「リアルワールドよりゲーム・動画の方が楽しく魅力的」という構図です。

 ここでは読みやすいように対策のみ提示しました。基本的な知識を知りたい方はこちらもご覧ください。
なお、ゲーム依存とゲーム障害はほぼ同じ意味として扱います。

▢ ゲーム・ネットについての教育
・ 現代社会に必要不可欠のものでもあり、禁止するのではなく適切な使い方を教えるべき
・いつから教えるのが適切か、乳幼児にスマホで動画を見せること、簡単なゲームで遊ばせることが良いのかどうかに関しては、明確な研究結果は存在しない。
・親としては連絡や居場所の確認目的にスマホを考えるが、子ども自身はスマホを持ったらいろいろやりたいことがある。ゲームをやりたい、動画を見たい、友達とLINEでやり取りをしたい、など子どもの要望を聞いた上で、それぞれのアプリの可否や条件など、家庭内ルールを話し合う。
・子どもが社会のルールを覚え始めるのが2歳頃、しかし小学校高学年になると、親に反抗したり、素直に学べなくなる傾向が出てくる。以上を考慮すると、5〜10歳くらいの間に、ゲーム・ネットの適切な使い方を教え始め、約束・ルールを作り、守らせることが望ましい

▢ 機種選定の際の注意点
・親が管理することが難しい場合は、安心機能が搭載されているキッズケータイがお勧め(カメラやメッセージ機能あり)。
・親の古いスマホを渡すことになったら、可能なら初期化して子どものアカウントを作成すべし(親の決済情報などは消しておく)。子どものアカウントなら、年齢に併せたコンテンツが表示される。

▢ スマホを使う時間・時間帯の設定
・時間:小学生では1日30分〜1時間が目安
(例)「平日は30分、休日前は1時間、休日は2時間」
   「30分使ったら10分休む」
・時間帯:
(例)
「夜は21時まで、塾の日は30分延長」
   「寝る1時間前までに終了」
・アプリごとの制限:
(例)「1回30分のゲームなら1日2ゲーム」
   「ゲーム40分、動画20分」
・Wi-Fiルータで端末ごとの時間設定も可能。

▢ スマホを使う場所と保管場所の設定
自室への持ち込みNG、リビングのみ利用OK
寝るときはリビングで充電する。

▢ ペナルティも一緒に決めてリビングに貼っておく
・ルールを破ったときのペナルティ:
(例)「翌日の使用時間を30分減らす」
   「3回破ったら1日使用禁止」
完成したルールはリビングや冷蔵庫に貼っておき、いつでも確認できるようにする。
・学年が変わるときや習い事の時間が変わるときは見直すタイミング。
・子どもの成長に合わせて「もう自分でコントロールできそう」と感じたら、ルールを弛めてITスキルを上げられるよう誘導する。

▢ ネットのルール作りのポイント
親が買い、子どもには貸し出す(所有権は親に)。
・使用する時間・場所・金額を指定する。
(例)午後10時まで、居間でのみ使用し自分の部屋に持ち込まない、等
・決めたら書面にして目につくところに貼る。
・親子が一緒にルールを作り、親もルールを守る

▢ 親子の「約束」を作るコツ
1.「約束」についての話し合いは、機器を買う前、サービスを使い始める前がよい。

2.所有権は大人に。
3.上手な「おしまい」を身につける。
(例)子どもが見通しをつけられるように、タイマーを利用したり、上手におしまいできたら報酬を与えたり。
4.「やるべきことをやってからゲーム」はうまくいかないことが多い。
(例)宿題が終わったらゲームしていいよ、とすると、宿題に取りかかってもゲームのことが頭から離れず進まないのでいつまで経っても宿題が終わらない。
5.ゲームができる時間は短すぎる設定にしない。
(例)15分だけ・・・では短すぎてトラブルの素になる。
6.次にいつ使えるのかを明確にする。
(例)「今日はおしまいだけど、明日になればまた〇時間できるよ」と言うと納得しやすい。
7.ゲームの時間を「交換可能財」にする。
(例)お手伝いをしたらゲームの時間が少し増えるなど。
8.機器を取りあげる方法をひと工夫。
・物理的に奪う方法はトラブルの元。
(例)Wi-Fi が時間で自動的に切れるなど。
9.子どもはネットから離れていたいときもある。
(例)LINEのやり取りから離れられず長時間使用してしまう子どもがいる、苦痛でも離れられないタイプもいる。時間を区切るルールを作り、やり取りから離脱するきっかけを作ってあげる。
10.睡眠時間の確保。
・生活リズムを崩すような時間設定はしない。
(例)「ちゃんと寝た方がゲームの能力がアップするよ」などとアドバイス。

▢ 他の依存対策のポイント
・子どもだけにルールを押しつけるのではなく、家族みんなでルールを守るべし。
親がゲームに興味を持つと、子どもが教えてくれる。親も子どもの考えを理解しやすくなる。親の方がゲームが上手、ネットに詳しいと、子どもは親を尊敬して言うことを聞きやすくなる。

▢ 具体的な項目
・夫婦で異なる考えだと子どもは混乱するため、家族みんなで話し合い、決める。
・ペアレンタルコントロール機能のフィルタリングなどの設定で時間制限を。
・家庭内のルール作り(時間と場所)や親からの声かけでリテラシーを育てる。
★ 子どもにスマホを与えると、子どもは親のアカウントを探し、誰をフォローしているのか、どんな投稿と返信をしているのかを見る可能性があることを覚悟する。大人はSNSで子どものお手本になるような振る舞いを心がけるべし。

▢ 使いすぎ予防のポイントは「日中活動の充実」
・日中活動が充実していると、前述の約束事のポイントを子どもに守らせることが簡単になる。
ゲームよりリアルワールドが楽しければゲーム依存は発生しないはずだが、現実は逆になりがち。
・日中活動を子ども本人が楽しみにしていたら、子どもは朝起きようと努力する。逆に言えば、日中活動がつらい、怖い、不安、退屈な状況では、生活リズムが崩れやすくなる。

▢ 思春期例の問題点・注意点
・ゲームの制限・禁止は回復につながらない。
・ゲーム依存は氷山の一角で、その下には本人が悩んでいる家庭や学校、社会生活の問題が隠れている。
・子どもはゲームをすることにより安らぎを得ている面がある。
・ゲームをしている・していないではなく、ゲーム依存の原因となることに目を向けることが大切。
・思春期の子どもは反抗期でもあり、両価性(アンビバレンツ)状態。ゲームをやりたくて仕方ないけど、やめられない現状に不安を持っていることも多い。本人が困っている要素(睡眠問題・食欲不振など)をきっかけにして相談に乗り受診につなげる。最初は抵抗するかもしれないが、何回も何回もくり返し話していくことが大切。本人が怒っているときは避け、話を聞いてくれそうなときにわかりやすく説明していく。
・治療の結果、ゲーム使用時間が少しでも減れば(例:10時間 → 8時間)、それを評価することが大切。

★ ニール・イヤール氏(作家・コンサルタント)のコメント
・スマホやアプリ開発の裏側;
✓ 魅力的で習慣性が高いものが「優秀なスマホ製品」とされる。
✓ 習慣的に使用してもらうためにユーザーの不快な感情(退屈、孤独、疲労、不確実性、ストレス、不安、等)に入り込み「気晴らし」を展開させる。
✓ 不確実性で変わりやすいものにヒトは注意深くなり集中する傾向があり、それがあると習慣化しやすい。予測可能なものには誰も興味を示さない。

樋口進氏(久里浜病院名誉院長)のコメント
・ゲームに勝ち続けると依存性はなくなるが、ときどき負けるという不確実性があるため習慣化する。
・仲間とやり取りしていて、自分だけ置いてきぼりになることを皆とても怖がる。イヤだけど見ざるを得ない状況になっていることが多い。
・依存患者に「見るのはいいけど、書き込むのはしばらくやめよう」と提案している。書き込むと必ず反応を見たくなるため。
・依存性のあるゲームやネットは、早い年齢から始めると依存のリスクが高くなることがわかっている。国がガイドラインを作成すべき時に来ている。
・スマホ・ネットを使わない時間を家族で設定・共有することを提案したい。
(例)夜の7〜8時は家族全員で使わない時間を作る( → 会話が増えるかもしれない)。

★ スティーブ・クレイン氏(スタンフォード大学 行動デザインラボ)の提案
・使いやすく便利に作られているスマホを自分で使いにくく楽しめないようにするくする工夫が必要。
・人間は3つの要素「やりたい・できる・きっかけ」がそろったときに行動する。
1.「きっかけ」を減らす:
(例)お休みモードをオンにして通知が来ないようにする。
2.「できる」を減らす:
(例)パスワードは長いものにして保存しない( → 精神的な負担が増える)。指紋認証や顔認証も使わない。
3.「やりたい」を減らす:
(例)画面の色を変える(赤一色にするとずっと画面を見たくなくなる、白黒にすると魅力が半減する)。


<参考>
・「ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち」(吉川徹著、合同出版)
・「思春期の「つながる気持ち」はどこへ行く?」(関正樹著、日本評論社)
・「子育て支援者応援チャンネル」(YouTube動画 by 木下直俊先生)
・「思春期 心と体の不調 ゲーム依存」(NHK-Eテレ きょう
の健康、2025年)
・「ゲームネット依存」(NHKサイエンスZERO、2022年)
・「
子どものスマホ、いつから持たせる?(AERA Kids+、2026.4.8)

<相談窓口>
エンジェルアイズHP
全国精神保健福祉センター(厚生労働省)
保健所検索(厚生労働省)

▶ 発達障害早期発見を目的とした乳幼児健診の意義

乳児検診(1・4・10ヶ月)
→ 先天性疾患、脳性まひ、運動遅滞を伴う精神遅滞

1歳6ヶ月健診
→ 重度精神遅滞、ASD(自閉スペクトラム症)

3歳児健診
→ 中等度精神遅滞、ASD

5歳児健診
 → 軽度精神遅滞、ADHD、限局性学習障害、ASD

▶ 4ヶ月児の発達チェック項目
・首がすわっている
・あやすとよく笑う
・追視をする
・ガラガラを振ったり舐めたりして遊ぶ
・母親が呼びかけると顔を向ける
・仰向けで中央で手を合わせる

▶ 6ヶ月児の発達チェック項目
・寝返りをする
・少しの時間お座りをする
・手を伸ばしてほしいものをつかむ
・あやすと声を出して笑う、遊んで相手にしてもらいたがる
・母親がいらっしゃいをすると、喜んでからだを乗り出す


▶ 10ヶ月児の発達チェック項目
・ハイハイをする
・つかまり立ちをする
・指先で小さい物をつかむ
・バイバイ、チョチチョチなど、簡単な身振りのまねをする
・人見知りをする
・指さしして教えるとそちらを見る

★ 1歳前後までの発達障害児を診るポイント
(生後0ヶ月〜)視線は合うか?
・後頭葉の発達
・2者間の基本的コミュニケーション
(生後2ヶ月〜)社会的微笑はあるか?
・後頭葉・前頭葉の発達
・新生児期の反射的微笑と異なり、対人交流の能動的要求
(生後7ヶ月〜)愛着行動は形成されているか?
・前頭葉の発達
・人見知りをしない、1人でも平気(愛着行動の欠如)
・逆に人見知りがひどい、父親になつかない(愛着行動の異常)
(生後10ヶ月〜)感覚異常(特に偏食)
・聴覚・触覚などの刺激に対する過敏反応、異常なこだわり

▶ 1歳6ヶ月児の発達チェック項目
・しっかり1人で歩ける
・手を引くと階段を上る
・積み木を積む
・なぐり書きをする
・絵本を見せて知っているものを聞くと指さしをする
・名前を呼ぶと振り向く
・意味のある単語を言う
・お母さんの言っていることがわかる

▶ 3歳児の発達チェック項目
・つかまらないで片足立ちができる
・低いところから飛び降りる
・「どちらが大きい?」と聞かれて大きい方を指さす
・2語分が言える
・友達と遊びたがる
・1人で自分の靴が履ける
・1人でスプーンやフォークを使って食べる

★ 1歳半から3歳までの発達障害児を診るポイント
1)言語発達の遅れの有無(前頭葉)
・発語がない、既に出ていた言語が消失(退行)
2)アイコンタクト・共同注視ができる(前頭葉)
・相手と自分とが共通の事象に注目できること
3)落ち着きのなさ・多動傾向の有無(前頭葉・辺縁系)
・母親の指示を聞いているか?診察室などでの子どもの行動に注目
4)自傷行為・多少行為の有無(前頭葉・辺縁系)
・かんしゃく・パニックを起こした時に多い



<参考>
子どもの発達と発達障害のチェックポイント
(今村淳」岐阜県総合医療センター小児科)

子どもの偏食、「食べないのには理由があります」の解説編です。

▢ 食べない理由4つ
1.食べる機能の問題:噛む・飲み込む動作の発達には個人差がある
2.時間と量の問題:食事の時間設定、食卓に並べる量が適切かどうか
3.感覚の問題:こだわりが強いと偏食につながる
4.知らないという問題:はじめての食品・食材・料理は“知らないから恐い”と拒否るかも

の中の「3」を説明します。

【感覚の問題】
・極端に食べられるものが少なかったり、本当に“これしか食べない”とか、食へのこだわりが強くある場合は感覚の問題が大きいことが多い。
・感覚の問題の例;
 ✓ 味を強く感じる
 ✓ 味を薄く感じる
 ✓ 衣が口の中で刺さる感じがして痛い
 ✓ もっちりした食感が気持ち悪い
 ✓ 料理の見た目がグロテスクに見える
 ✓ 少しの音が気になって集中して食べられない
 ✓ 哺乳瓶、スプーンなど、食器類の触った感じが気持ち悪い
 ✓ 口周りを触られると強い嫌悪感がある
 ✓ 内臓の感覚が鈍麻で空腹を感じない
・感覚の問題は神経発達症の一つである自閉症スペクトラム(ASD)傾向のある子に多く見られ、偏食につながることがある。
・たとえ神経発達症と診断されていなくても、感覚の鋭さには個人差があるので偏食になる可能性は誰にでもある。
・偏食で悩む子は、受け入れられる感覚が他の子と比べて狭い傾向にある。  
感覚の問題による偏食対策のポイントは「好きな感覚」から拡げること。しかし多くの人がやりがちなのがその反対で「苦手な感覚」に慣れさせようとすること(「ひとくち食べてみる?」など)。 

▶ 感覚特性の経過(改善が期待できるもの)
● 色
・1〜2歳は、乳汁に近い白・薄黄色・薄茶色の食べ物に親しみを感じやすい。
・色からいろいろな食感、食べ物の幅が広がる可能性がある。
(例)白いご飯、豆腐
● 形
・丸いもの、小さいものの方が友だちになりやすい。


【感覚の問題への具体的対応】参考サイト

▶ 好きな感覚から拡げる
・・・がんばって苦手な感覚になれさせようとすると、嫌な記憶を重ねるだけで、偏食の改善にはつながらない。
1)今、食べられるものを把握する
2)5つの視点で「好きな感覚」を見つける
3)好きな感覚を軸に調理の工夫をする

1)今、食べられるものを把握する
・食べられるものを分類項目別(※)にリストアップする
※ ご飯類、麺類、パン類、魚類、肉類、卵類、野菜類、イモ類、その他・・・
・食材だけでなく、どんな調理法なら食べられるかも記載する
・苦手な食材や苦手な調理法などもリストアップする

2)5つの視点で「好きな感覚」を見つける
・・・以下の子どもが好きな感覚は?
ア)どんな形?
イ)どんな色?
ウ)どんな調理方法?
エ)どんな温感?
オ)どんな食感?

(例)好きな(よく食べる)感覚
 ア)薄切り、千切り
 イ)白色、黄色、茶色
 ウ)揚げたもの
 エ)温かいもの
 オ)カリッ、サクッとした食感

(例)嫌いな(食べられない)感覚
 ア)厚切り
 イ)赤、緑
 ウ)煮たもの
 エ)冷たいもの
 オ)もちっとしたもの、ぐにゃっとしたもの

▶ 好きな感覚を軸に調理の工夫をする
好きな感覚 → 苦手な感覚に少しずつ近づけるイメージで。
・1〜2週間で改善するのは無理、半年〜2年をかけて焦らずゆっくりと食べるものを増やしていく。
・濃いめの塩味(ファストフード店のフライドポテトのような)が食べはじめるキッカケになることも多い。その後、大人が塩分量をコントロールして時間をかけて味を薄くしていけば問題ない。

(例)フライドポテトが好きな子どもに、苦手なほうれん草を食べさせたい
 a)フライドポテトみたいに細長く切って揚げたほうれん草
 ⇩
 b)細切りにし、好きな調味料で味付けして炒めたほうれん草
 ⇩
 c)ほうれん草の炒め物の料理
 ⇩
 d)煮たほうれん草

▶ 感覚過敏・こだわり特性のある子どもへの支援
・発達段階は年齢相当か、影響状態の評価を(医療機関受診)。
・家庭で食卓での様子を動画撮影してもらう。
✓ 食べることを強制していないか( → ほぼ全例で強制の要素が見られる)
✓ 摂食機能の確認
✓ 本人の表情(他人が食べているものに興味を持っているか)
・一切の強制をやめる。
・子どもが食卓に楽しく座ることから始める。
・食卓での親子の役割分担を徹底する。
・子どもが食べられるもの、自分から喜んで食べるものから、
 わずかに色・におい・形を変えたものに移行していく(顕微鏡的変化)

▶ 感覚過敏・こだわり特性のある子どもへの対応の実践
・「さあ、お椅子タイムだよ、座ろう」と声をかける。
 ✓ 食卓では他の場面より認知・情緒が幼くなる傾向がある。
 ✓ 本人が安心安全に感じる食卓を心がける。
・「座ったね」と笑顔を見せる。
 ✓ 子どもに食べるよう促さない。
・保護者が機嫌良く自分の食事を楽しむ。
 ✓ 強制のない環境でリラックスして座れると、
  家族が楽しく食事をしている様子を見るチャンスが生まれる。
・食べられるものは一品を少量ずつ出す。
 ✓ その子なりのステップでモンスターであった食べ物がお友達になっていく。


 
<参考書籍>
食べない子が変わる魔法の言葉(山口健太著、辰巳出版、2020年発行) 
子どもの偏食外来(大山牧子著、診断と治療社、2023年発行)
子どもの偏食Q&A(大山牧子著、中外医学社、2024年発行)
子どもの偏食相談スキルアップ(大山牧子著、診断と治療社、2024年発行)
発達障害児の偏食改善マニュアル(山根希代子監修、藤井葉子著/編集、中央法規出版、2019年発行)

<参考サイト>
きゅうけん(月刊給食指導研究資料)
・(動画)食べない子ども・偏食への対処法(大山牧子)
・(動画)小児摂食障害(食物アレルギーを持つ子どもの場合を含む)(大山牧子)
発達障害の方の偏食・摂食のご相談(藤井葉子)
 

当院では西洋医学を基本に診療していますが、西洋医学では手が届かない病態や悩みには、漢方薬の使用を提案しています。
“漢方を飲む”というハードルを越えるとたいてい手応えがあるので、飲めたお子さんはリピーターになります。

約2000年の歴史がある漢方薬は、歴史の荒波にさらされても残ってきました。そしてあらゆる症状に対応できます。
カラダとココロの不調に悩んでいる方、一緒にあなたに合う漢方薬を探しませんか。 


▶ 子どもに漢方?

▶ 漢方薬の上手な飲ませ方

▶ マルツエキスで漢方薬を飲ませる方法

▶ 水いぼ(伝染性軟属腫)のお話

▶ 頭痛(天気痛)

▶ 発達症(ADHDやASD)の“困りごと”に漢方を試してみませんか

▶ 自閉症スペクトラム(ASD)の漢方治療〜その1 

自閉症スペクトラム(ASD)の漢方治療〜その2
 

近年、社会的に認知され、増えてきた発達症。
残念ながら、それを根本的に治す薬はありません。
症状をやわらげる治療薬も増えてきましたが、使用できるのは6歳以上です。 

しかし発達症やグレーゾーンの子どもたちは、乳幼児期から日常生活の中でいろいろ困りごとがあり、本人と家族を悩ませています。

たとえば、かんしゃく
たとえば、夜なき・夜驚症
たとえば、チック
たとえば、偏食
たとえば、多動
・・・挙げればキリがありません。

年齢別に考えると、以下のようになるでしょうか。

(乳児期)夜なき
(幼児期)睡眠障害、かんしゃく・こだわり、パニック、落ち着きのなさ
(学童期)対人トラブル、不登校
(思春期)不登校、自傷行為、月経前症候群(PMS)

当院は小児科にもかかわらず、漢方薬を多用しています。
漢方は「心身一如」といって、心と体を分けません。
心とからだは独立したものではなく互いに影響を受け合いながら存在していると考え、漢方エキス剤のどれをとっても、その中には必ずと言ってよいほど「気持ち」「こころ」に作用する生薬が含まれています。

漢方薬の教科書が中国でつくられたのは、今から1800年前の大昔。
当然、その時代は発達障害という病名はありませんでした。
でも、子どもの成長に伴う困りごと・問題行動はありました。
つまり、発達障害があってもなくても、その子どもに合う漢方薬が見つかれば、一定の効果が期待できます。

では、具体的に困りごととそれに対応する漢方薬を提示します。

<基礎編>

 かんしゃく
 パニック
 不機嫌
 多動
 衝動性
 自傷行為
 他害行為
 易怒

  ⇩ 
 大柴胡湯大柴胡去大黄湯
 黄連解毒湯

 落ち着きのなさ
 不安
 自信のなさ
 怯え

  
 甘麦大棗湯
 柴胡加竜骨牡蛎湯
 酸棗仁湯
 四物湯

 過緊張
 不機嫌
 落ち着きのなさ
 チック

  
 大柴胡湯大柴胡去大黄湯
 抑肝散抑肝散加陳皮半夏


<応用編>

かんしゃく・パニック・睡眠障害などに対して、上記1剤では効果が不十分なときは、

 大柴胡湯甘麦大棗湯
 
それでも効果不十分なときは、

 大柴胡湯抑肝散加陳皮半夏、さらに黄連解毒湯を少量追加

怯え・不安が強いときは、

 甘麦大棗湯柴胡加竜骨牡蛎湯四物湯を追加
 
★ ただし群馬県では、3剤併用は保険診療で認められていません。

<発展編>

お子さんが発達障害と診断された方へ。
基礎薬として、飲んでいただく薬は、

 大柴胡湯あるいは大柴胡去大黄湯

効果が不十分な場合、以下のように2つ目の漢方薬を追加していきます。

✓ 低年齢の自閉症スペクトラムや怯える様子が目立つ → +甘麦大棗湯

不安感怯える症状が強い → +柴胡加竜骨牡蛎湯

かんしゃく易怒性が強い → +抑肝散加陳皮半夏

興奮性が強い → +黄連解毒湯

発達障害をベースとした睡眠障害は、単剤では効きにくい傾向があります。

まずは、甘麦大棗湯あるいは、抑肝散加陳皮半夏
 ⇩
効きが悪いときはこの2剤を併用
 ⇩
それでも効かないときは、甘麦大棗湯大柴胡湯・大柴胡去大黄湯

 副作用チェック
以下の漢方薬(柴胡剤)を長期内服する際は、投与開始1ヶ月以内とそれ以降も年に1回ペースで、定期的に血液検査をして副作用をチェックする必要があります。
 抑肝散(54)
 小柴胡湯(9)
 小柴胡湯加桔梗石膏(109)
 大柴胡湯(8)
 大柴胡去大黄湯
 柴胡加竜骨牡蛎湯(12)
・・・注射を嫌がり興奮する小学生以上のお子さんは、残念ながらお勧めできかねます。
採血が無理な場合は、以下の症状に気をつけて継続する方法もあります。

● 抑肝散(54)
  • 発熱、から咳、息切れ、呼吸困難[間質性肺炎]
  • 尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる[偽アルドステロン症]
  • どうき、息切れ、体がだるい、めまい[心不全]
  • 体がだるくて手足に力が入らない、手足がひきつる、手足がしびれる、筋肉痛[ミオパチー、横紋筋融解症]
  • 体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害]

● 大柴胡湯(8)/大柴胡湯去大黄
  • 発熱、から咳、息切れ、呼吸困難[間質性肺炎]
  • 体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害]

● 柴胡加竜骨牡蛎湯(12)
  • 発熱、から咳、息切れ、呼吸困難[間質性肺炎]
  • 体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害]

● 小柴胡湯(9)/小柴胡湯加桔梗石膏(109)
  • 発熱、から咳、息切れ、呼吸困難[間質性肺炎]
  • 尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる[偽アルドステロン症]
  • 体がだるくて手足に力が入らない、手足がひきつる、手足がしびれる、筋肉痛[ミオパチー、横紋筋融解症]
  • 体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害]


<参考>

漢方エキス剤のツムラ番号;
 大柴胡湯(8)
 柴胡加竜骨牡蛎湯(12)
 黄連解毒湯(15)
 抑肝散(54)
 四物湯(71)
 甘麦大棗湯(72)
 抑肝散加陳皮半夏(83)
 酸棗仁湯(103)


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