タグ:花粉症

当院の花粉症診療の特徴は、
・漢方薬の併用により効果・満足度をアップ
・オンライン診療に対応
していることです。
※ おとなの花粉症も条件付で診療しています。

子どもの花粉症

おとなの花粉症

舌下免疫療法

舌下免疫療法の副反応 

子どもの花粉症と分けて項目を作ったのには理由があります。
大人で使う薬は小児とは違った注意点が存在するからです。
それは、
・車の運転
・妊娠・授乳

車の運転が許可されている(添付文書に注意喚起がない)抗アレルギー薬は限定されます。
また、「妊娠中でも安全に使用できる」ことを保証している抗アレルギー薬はありません。
授乳中も「有益性が安全性に勝ると医師が判断した場合は使用可能」と、
何かあったときは医師に責任を転嫁するというずるいしくみになっています。

当院は小児科ですが、子どもの付き添いで来院したおとなの花粉症も“条件付き”で診療しています。その条件とは、

① 診断が確定している。
② 他に持病がない。
③ 他に薬を飲んでいない。
④ 妊娠していない(治療期間中に妊娠予定がない)。

の4点です。
②と③ は、薬の飲み合わせを確認するのが大変で診療が止まってしまうため。

①②③④ のすべてをクリアした方は当院で診療可能です。
ただし処方は「最長1ヶ月単位」とさせていただいています。

・・・以上にご了承いただける方のみ、ご相談ください。

当院の特徴は、
・漢方薬併用により眠気中和&効果倍増、高い満足度
・オンライン診療に対応
です。

自分に合う薬・治療法が決まるまでは通院していただきますが、
一旦治療が決まるとオンライン診療(※)に切り替えることができます。
※)自宅にいながらスマホで診察室の私とつながり診察&処方が可能です。

なお、花粉症の種類や診断については、
子どもの花粉症」の項目に書きましたのでそちらをご参照ください。
では早速、実際の治療のお話に入ります。


▶ 基本治療:(抗アレルギー薬内服)+(局所療法:点眼・点鼻)

まずは抗アレルギー薬(内服薬)のお話を。
子どもの治療と異なる点は「眠くなる薬を使えない」ことです。
成人では車の運転をする方がほとんどと思われ、
以下のような「車の運転が許可されている薬」に限定されます。

・ロラタジン(クラリチン®)
・フェキソフェナジン(アレグラ®)
・ビラスチン(ビラノア®)

残念ながらロラタジンとフェキソフェナジンは、
眠くならない代わりに効果が今ひとつ、という感触があります。
ロラタジンは授乳婦にも処方されている安全な薬です。

ビラノア®は最近登場した薬ですが、
眠くなりにくいけど効果がある、と評判です。
ただし空腹時内服(※)というルールがあり、
タイミングが難しくて内服を忘れてしまいがち、という欠点もあります。
※ )食前1時間〜食後2時間は避ける、この時間帯に服用すると効果が半減する

当院で処方可能なすべての薬のラインナップを、
効果と眠気の強さでランキングしつつ紹介しておきます。

(効果:①強 → ⑥弱)
① オロパタジン(アレロック®)
② レボセチリジン(ザイザル®)
③ ビラスチン(ビラノア®)
④ エピナスチン(アレジオン®)
⑤ ロラタジン(クラリチン®)
⑥ フェキソフェナジン(アレグラ®)

(眠気:①強 → ⑥弱)
① オロパタジン(アレロック®)
② レボセチリジン(ザイザル®)
③ エピナスチン(アレジオン®)
④ ロラタジン(クラリチン®)
⑤ フェキソフェナジン(アレグラ®)
⑥ ビラスチン(ビラノア®)

わかりやすい一覧表を見つけましたので引用します(こちらから)。⭕️は「車の運転OK」の薬です。

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上記抗アレルギー薬の他に、別系統の抗アレルギー薬を併用することもあります。
「抗ロイコトリエン薬」というグループで、以下の2種類があります;

プランルカスト(オノン®)
モンテルカスト(キプレス®、シングレア®)

鼻閉に有効、とされていますが、効果はそれほど強くありません。
鼻閉には後に述べる漢方薬の方が手応えがあります。

内服薬のみでは効果が不十分な場合、
以下の局所療法(点眼・点鼻薬)を併用します。
つらい場所にダイレクトに薬を投与するため、効果が実感されます。

(点眼薬)
・オロパタジン(パタノール®)点眼
・エピナスチン(アレジオン®)点眼
・アレジオン®眼瞼クリーム(点眼が苦手な方へお勧め、ただし少しお値段が高い)
(点鼻薬)
フルチカゾンフランカルボン酸エステル(アラミスト®)点鼻薬

点眼薬は即効性があります。
処方されても「かゆくなったら使用する」方が多いのですが、
それよりも「1日〇回」と定期的に使用する方が効果的です。

点鼻薬は即効性がないタイプ(※)で、効果が出るまでに約1週間かかります。
でも1本使い切ると鼻閉が改善して鼻で呼吸ができるようになりますので、
「“三日坊主”でやめてしまうともったいないですよ!」と指導しています。

※ 内科や耳鼻科で処方される「血管収縮剤点鼻薬」は即効性はありますが依存性もあり、長期連用すると鼻閉が増悪する副作用もあるため、当院では処方しておりません。

▶ 追加治療

上記基本治療を行っても効果が今ひとつの場合には、
以下の追加治療を提案しています;

1.抗アレルギー薬を増量
・ロラタジンとフェキソフェナジンは倍量投与可能
・ビラスチンは倍量投与不可

※ 他にも倍量投与可能な薬剤:オロパタジン(アレロック®)、エピナスチン(アレジオン®)、セチリジン(ジルテック®)、レボセチリジン(ザイザル®)

2.抗アレルギー薬を変更
・抗アレルギー薬は、その成分構造から「三環系」と「ピペリジン・ピペラジン系」に分けられ、別系統に変更すると効果が得られることがあります。

(三環系)
・オロパタジン(アレロック®)
・ロラタジン(クラリチン®)
・エピナスチン(アレジオン®)

(ピペリジン・ピペラジン系)
・フェキソフェナジン(アレグラ®)
・レボセチリジン(ザイザル®)
・ビラスチン(ビラノア®)


3.抗ロイコトリエン薬の併用
・プランルカスト(オノン®)、モンテルカスト(キプレス®、シングレア®)など。
・鼻閉への効果が期待できます。

3.漢方薬の併用:当院一押し!
・眠くならず、鼻閉にも有効、目のかゆみにも有効とよいことずくめ。
・漢方薬散剤の味とニオイが苦手な方には錠剤が用意されている方剤(※)もあります。
・当院では抗アレルギー薬+局所療法(点眼・点鼻)+漢方薬」の併用で満足度が高い患者さんが多くいらっしゃいます。

※ 錠剤のある漢方薬:
・小青竜湯(19)
・葛根湯加川芎辛夷(2)
・五虎湯(95)


(漢方薬がお勧めの患者さん)

✓ 抗アレルギー薬では効果が今ひとつ
✓ 目の症状が強くて目薬を使っても今ひとつ
✓ 喉のチリチリ感がよくならない
✓ 花粉症期間中、体がだるくて熱っぽい
✓ 抗アレルギー薬を飲むと眠くなる
✓ 他院で強い薬(ステロイド薬)を処方され心配

(以下の図表はツムラのHPより引用)

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4.舌下免疫療法(スギ花粉症のみ)
・いろいろ治療を尽くしてもなおつらい方、体質改善して根治を目指したい方にお勧めです。
・舌下免疫療法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください;
▶ 「スギ花粉症・ダニによるアレルギー性鼻炎に舌下免疫療法



<参考>
■ 薬物治療コンサルテーション「妊娠と授乳」(南山堂)
・製薬会社的には添付文書に「有益性投与」と記載されており推奨はしていないが、経験的に以下の薬剤が使用される;ロラタジン、フェキソフェナジン、レボセチリジン、セチリジン
・第一・第二世代抗ヒスタミン薬は人への催奇形性は報告されておらず、授乳に関してもほとんどのモノが問題ないとされているが、本人が納得する選択をすべき。

こどものアレルギー疾患には様々なものがあります。
知りたい病気・項目をクリックしてご覧ください。


▢ 食物アレルギー

▶ 食物アレルギーの検査と診断 

▶ 卵アレルギーのお話

▶ 卵黄アレルギー 

▶ 成人発症型卵アレルギー(bird-egg syndrome)

▶ 牛乳アレルギーのお話

▶ 小麦アレルギーのお話

▶ 大豆アレルギーのお話

▶ 野菜・果物アレルギーのお話 

▶ 魚アレルギーのお話

▶ ピーナッツ(落花生)アレルギー 

▶ ナッツ(木の実類)アレルギー 

▶ 豚肉アレルギー(pork-cat syndrome)

▶ α-Gal syndrome(マダニ咬傷由来獣肉アレルギー)

▶ 納豆アレルギー(クラゲ刺症由来PGAアレルギー)


▢ アトピー性皮膚炎

▶ 赤ちゃんのスキンケア〜一般篇〜

▶ 赤ちゃんのスキンケア~乾燥肌篇~

▶ ステロイド軟膏Q&A

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▶ 子どもの湿疹(≒アトピー性皮膚炎)の治療


▢ 気管支喘息

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▶ キュバール吸入手技チェックリスト

▶ アドエア・フルタイド吸入手技チェックリスト
 

▢ 花粉症・アレルギー性鼻炎


▶ 子どもの花粉症 

大人の花粉症

▶ アレルギー疾患の環境整備(主にダニ対策)

▶ スギ花粉症・ダニアレルギーの「舌下免疫療法」

▶ 舌下免疫療法の副反応


じんましん
 

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